ジュニアNISAとは? NISAとの違いやジュニアNISAのメリットデメリット、学資保険との違いを解説

ジュニアNISAとは? NISAとの違いは?

NISAは、2014年に始まった個人投資家向けの制度です。通常、株式や投資信託などの金融商品を運用し、利益を得た場合は税金が課されます。売却や配当金に対しては20%もの税金が課され、そこそこ大きな出費です。しかし「NISA口座(非課税口座)」内で、毎年一定額範囲内で購入した金融商品で得た利益(株式・投資信託等の配当・譲渡益など)は非課税になります。ジュニアNISAは2016年から未成年を対象に始まった少額投資非課税制度で、NISAとの最大の違いは、1年間の非課税金額です。

NISAは成人を対象に年間120万円の非課税枠がありますが、ジュニアNISAは、0歳から19歳の未成年を対象に、年間80万円の非課税枠が設定されています。NISAと同じく、株式・投資信託等の配当・譲渡益等が非課税対象になるのが特徴です。パパママや祖父母が子供に贈与をしたいと思っても、年間110万円を超えると課税されてしまいます。しかし、ジュニアNISAを使えば年間80万円に加え、そこで得た利益までも非課税で渡すことが可能です。非課税枠だけ見ると、NISAのほうが多いのでメリットがあるように思いますが、ジュニアNISAは毎年80万円を子供や孫名義で5年間運用できるため、贈与税がかからないのがポイント。5年間の運用資金400万円と配当や複利で得た利益を全て非課税・贈与税なしでまるごと孫や子供にお金を渡せます。

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ジュニアNISAのメリット・デメリット

これまで未成年が投資や運用をするなんて、考えられませんでした。しかし、ジュニアNISAは相続対策や教育資金に備えるなど、さまざまな使い方が可能です。他にもメリットがたくさんあるので、リスクと併せて見ていきましょう。

ジュニアNISAのメリット1:0~19歳の未成年者が利用できる

ジュニアNISAが利用できる条件は以下の通りです。

  • 日本に住んでいること。
  • ジュニアNISAの口座を開設する年の1月1日時点で、19歳以下であること。
  • 口座の管理、運用は原則親権者もしくは祖父母(二親等以内の親族)が代理すること。

ジュニアNISAは、未成年の子供向けに販売された商品であるため、成人している人はNISAへの申し込みを行いましょう。また、子供自身が自分のお金で自由に投資をするものではなく、あくまで親の管理のもとで行います。親などの親権者が子供に贈与した財産で運用することを想定しているため、子供自身が取引をする場合は、都度親の承認が必要です。

ジュニアNISAのメリット2:年間80万円の非課税枠が毎年更新される

ジュニアNISAは、1年ごとに非課税枠が設定され、毎年80万円を非課税枠として利用できます。1年の間であれば、80万円の枠を1度に使ってしまうことも、分割して使ってもかまいません。契約者(親権者など)の好きな運用方法で問題ないでしょう。ただし未使用枠があっても、翌年に持ち越しができないので注意が必要です。
しかし、家族全員で利用すれば非課税枠を広げられます。例えば両親が一般NISAを保有している場合、非課税枠はNISAの非課税枠120万円ずつを合わせて240万円です。両親と子供2人の家族の場合、ジュニアNISAの非課税枠合計160万円をプラスし、合計で400万円まで枠を広げられます。

ジュニアNISAのメリット3:子供の金融教育になる

ジュニアNISAの口座開設と同時に、課税未成年口座が自動的に開設されます。5年間の非課税期間が終了した際に、課税未成年口座に移すか、新たな一般NISA口座の非課税枠で引き続き運用(ロールオーバー)するかを選ぶためです。ジュニアNISAの5年間の運用が終了した時点で20歳を迎えていた場合、NISA口座(成人向け)が開設され、今までジュニアNISAで運用してきた商品は引き継がれます。
その後は子供が自分で管理しなければならないため、半ば強制的に運用を始めることになるでしょう。もちろん、口座を廃止し、現金化してもかまいません。しかし、これまであまり馴染みのなかった金融商品を運用していくことは、学校では教えてくれないお金の運用方法を学ぶ、金融教育の機会になります。

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ジュニアNISAのデメリット1:元本割れするリスクがある

ジュニアNISAには、元本割れのリスクがあります。注意しなければならないのは、ジュニアNISAは保険や貯金とは違うことです。あくまで株や投資信託を運用し、得た利益を増やしていきます。海外投資やワラント債などややリスクの高い商品も運用の対象です。そのため運用成績が悪ければ、元本割れを起こす可能性があります。学資保険や貯金とはまったく別物であることを忘れてはいけません。

ジュニアNISAのデメリット2:途中で引き出すと課税される

ジュニアNISAで運用しているお金は、子供の大学進学や就職に向けた資産形成を目的にしているため、子供が18歳になるまで引き出せません。例えば、子供が5歳の時にジュニアNISAを始めた場合、11歳で満期を迎えますが、その後7年間引き出すことはできません。どうしてもお金を使いたければ、解約することもできますが、今まで得た利益にさかのぼって税金がかかってきます。ジュニアNISAを始めるなら、18年間お金が引き出せなくても困らない余剰金を使って行うべきでしょう。

ジュニアNISAのデメリット3:金融機関の変更ができない

「ジュニアNISAで運用を始めたものの、購入したい商品が自分の口座では扱っていない」「他の金融機関のほうが使い勝手がよさそう」などの理由で、金融機関を変更したくなる時があります。しかし、ジュニアNISAは、金融機関の変更ができません。もし金融機関を変更したい場合は、ジュニアNISAの口座を廃止する必要があります。廃止した場合は、過去に得た利益はさかのぼって課税対象になるのでご注意ください。成人向けのNISAは金融機関の変更ができるため、NISAとジュニアNISAの大きな違いといえます。ジュニアNISAを開設する時は、金融機関はよく吟味しましょう。

ジュニアNISAのデメリット4:手続きに時間がかかる

ジュニアNISAを始めるためには、「親権者の証券総合口座」と「対象となる未成年者の未成年口座」の2つを用意する必要があります。また金融機関によっては、「未成年向け特定口座」の開設も求められます。子供が複数いる場合は、子供ごとに必要書類を用意しなければなりません。仮に子供3人分の口座を開く場合、住民票が必要になることがあります。その際、3人で1つの住民票ではなく、それぞれの分が必要です。すでに親や他の子供が口座を持っているかによっても手続き方法は違ってきますが、口座開設に1~2ヶ月程度は見込んでおきましょう。

次のページでは学資保険とジュニアNISAのどちらを選ぶべきか解説!

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はいチーズ!クリップ編集部

はいチーズ!クリップ編集部員は子育て中のパパママばかり。子育て当事者として、不安なこと、知りたいことを当事者目線で記事にします。Instagram・LINEなどでも情報発信中ですので、ぜひフォローください!