一姫二太郎の意味って何? どういう意味? 育てやすさとデメリットを探ってみました
一姫二太郎とは? どういう意味?
「一姫二太郎(いちひめにたろう)」という言葉をご存じの方、どのような意味で理解していますか? ママが授かる子どもの性別の理想的な組み合わせを表現するために使われる言い回しなのですが、一般的な捉え方として、大きく分けて2つのパターンがあるようです。
- 1人目に女の子・2人目に男の子が産まれるのがよいという『産まれ順』
- 女の子1人・男の子2人がよいという『子どもの人数』
皆さんはどちらで覚えていましたか?「一姫二太郎」という用語について国語辞典を紐解いてみると、
子を持つには、最初は育てやすい女の子で、次は男の子がよいという言い伝え
引用元:コトバンク 一姫二太郎(イチヒメニタロウ)
とあります。本来の意味は(1)の『産まれ順』を表す言葉ということですね。子供の総人数に関わらず、第一子・第二子についてはこの順で授かるのが理想だとするものです。
「国語に関する世論調査」では?
一姫二太郎の意味を確認したところで、文化庁による興味深い調査結果を見てみましょう。「国語に関する世論調査」の中で、「一姫二太郎」の意味を問う質問に、本来の意味とは異なる「女児1人・男児2人」と回答した人が3割を超えるという調査データを示したものです。
一人目の子供は女,二人目の子供は男であるのが理想的だ・・・・・・60.9%
子供は女一人,男二人であるのが理想的だ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33.7%
分からない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.4%
年代別に見ると、この誤解は大まかには年代が若いほど多くなる傾向が見てとれ、16~19歳の回答者のほぼ4割が、本来と異なる意味で覚えていました。ちなみに、この調査は20年近く前のもので、当時16~19歳の年齢層というのは、現在ちょうど子育て中の人たちを含む世代にあたります。
一姫二太郎が育てやすいと思われる理由
前述した文化庁の資料から、遅くとも大正10年には文献に記載が見られる「一姫二太郎」という言葉。時代からして、家のいわゆる跡取りとして男児を必ずもうけたいという前提があったのは疑いないと考えられます。その上で、第一子が女児であることにメリットが見いだされたのはどのような点においてでしょうか。一般論としてですが、「女の子は育てやすい」と耳にしたことがあるかもしれません。よく言われる女の子の特性として、
- 病気にかかりにくく丈夫
- 言語の発達が早めでコミュニケーションが取りやすい
- ままごとなど穏やかに遊ぶことが好き
- お手伝いをしてくれる
- 他の子のお世話をしたがる
などがよく挙げられます。ママにとって、育児に慣れない第一子がそうした育てやすい子だと負担が少なく、第二子以降もスムーズに育児ができるだろうという期待が感じられます。また、出生時の体格は女の子のほうがやや小さい傾向にあることから、初産を少しでも楽に……という希望も、最初の子は女子がよいという言説に繋がったのかもしれません。実際のところ、子供の性質も体格も性差より個人差のほうが大きいものですし、どういった子育てを理想とするかは家庭により異なりますが、文化的な背景が感じられ興味深いですね。
一姫二太郎の良いところ
前段でも述べましたが、女の子は、ママのお手伝いや下の子のお世話を楽しんで積極的にしてくれるケースがよく見られます。上の子が女の子なら、頼れるお姉ちゃんとしてママの心強いサポーターとなってくれることを期待してしまいます。きょうだいのコミュニケーションが豊かで仲よしでいてくれることは、パパママにとっても嬉しいことです。また別の観点として、きょうだいの性別が異なると、性格や得意不得意などの個性について自然と受け入れやすく、周囲が子供達を比較する目で見ないで済むという意見もあります。
一姫二太郎のデメリット
産まれ順に関わらず性別が異なるきょうだいに言えることですが、洋服や持ち物の共有・おさがりがしづらいというのはよく聞くケースです。同性だと同室にできる子供部屋を、異性なので将来的には2つ必要になるという空間の悩みも考えられます。また遊びの好みがかけ離れていたり進学先・習い事などが別々になると、準備や送迎などそれぞれに対応が必要となり、パパママとしては負担に思う部分があるかもしれません。
ママが憧れる兄弟の構成とは?
一姫二太郎が理想という考え方には、育てやすさという点からいくばくかの論拠が推しはかれるものの、今となってはあくまで昔の言い回しに過ぎないと言ってもよいでしょう。そもそも、少子化が進み、2人以上の子供をもつことが決して当たり前ではない方向に、時代も変わってきていますよね。それでは、現代のママが実際に理想とするきょうだい構成というのはあるのでしょうか? 子育て中の女性を対象に行われた、ある調査結果を見てみましょう。アンケートで「憧れの兄弟構成」を問う質問に対し、下記のような分布が見られました。
男の子 |
女の子 |
特になし |
|
---|---|---|---|
1人目 |
36.7% |
58.9% |
4.4% |
2人目 |
41.1% |
46.7% |
12.2% |
3人目 |
16.7% |
4.4% |
58.9% |
4人目 |
2.2% |
3.3% |
94.5% |
1人目には女の子を望む回答が6割近くありました。2人目以降はそれほど大きな差ではないものの、どちらかというと女の子を希望する意見が多い結果となりました。姉妹を育てることへの憧れは、少なくないママが持っているのかもしれません。また3人目以降については「特になし」とする意見がぐっと増えることもこの調査結果の特徴と言えるでしょう。3人目の性別は問わない/3人目は希望しないの両方が含まれるようですが、第二子までは兄弟構成に何らかの理想をもつママが多いという傾向が見て取れます。
まとめ
本記事では、古くからの言葉である「一姫二太郎」にちなんで、理想とされるきょうだい構成についてその理由や利点を推察してみました。しかし当然のことながら、もし性別の希望をもっていた場合も、実際に授かった我が子こそ代えがたい宝物として、それぞれの個性を慈しみ、愛情を注いでいることと思います。性別や兄弟構成に関して何らかの憧れや期待があったとして、その思惑との違いを味わうのも子育ての楽しさのひとつですよね。