夫婦共働きの世帯ってどれくらいいるの? 専業主婦は何割? 共働き女性の本音を年代別に調査!
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都道府県ごとの夫婦共働き率ランキングを1~47位まで発表!
最初に紹介した1980~2018年までの共働き世帯数データは農業、林業に従事していない人を対象にした調査データなので下記表と夫婦共働き率に違いがありますが、都道府県ごとの夫婦共働き率を見るにはいいデータなのでご紹介しますね。皆さん、何となく「夫婦共働き率が高いのは大都市圏でしょ?」と思っていませんか? しかし、この調査データを見ると東京都が33位、埼玉県40位、神奈川県41位、千葉県43位と首都圏の順位が非常に低く、夫婦共働き率が50%を切る結果となりました。大都市圏でもっとも夫婦共働き率が上位なのは23位の愛知県で、夫婦共働き率はかろうじて50%を超える50.9%という結果となりました。
順位 | 都道府県 | 共働き世帯比率 |
---|---|---|
1位 | 福井県 | 60% |
2位 | 山形県 | 57.9% |
3位 | 富山県 | 57.1% |
4位 | 石川県 | 56.1% |
5位 | 長野県 | 55.9% |
6位 | 島根県 | 55.5% |
7位 | 鳥取県 | 54.9% |
8位 | 新潟県 | 54.7% |
9位 | 山梨県 | 54.1% |
10位 | 岐阜県 | 53.8% |
10位 | 佐賀県 | 53.8% |
12位 | 岩手県 | 53.7% |
13位 | 静岡県 | 53.1% |
14位 | 熊本県 | 52.6% |
15位 | 宮崎県 | 52.1% |
16位 | 福島県 | 52% |
17位 | 青森県 | 51.5% |
17位 | 滋賀県 | 51.5% |
19位 | 秋田県 | 51.4% |
20位 | 高知県 | 51.3% |
21位 | 栃木県 | 51.2% |
22位 | 群馬県 | 51.1% |
23位 | 愛知県 | 50.9% |
23位 | 三重県 | 50.9% |
25位 | 沖縄県 | 50.6% |
26位 | 茨城県 | 50.3% |
27位 | 鹿児島県 | 50.2% |
28位 | 岡山県 | 49.8% |
29位 | 長崎県 | 49.7% |
30位 | 広島県 | 49.4% |
31位 | 香川県 | 49.3% |
32位 | 徳島県 | 49.2% |
33位 | 東京都 | 49.1% |
34位 | 宮城県 | 48.8% |
35位 | 愛媛県 | 48.1% |
36位 | 大分県 | 48% |
37位 | 和歌山県 | 47.3% |
38位 | 京都府 | 46.8% |
39位 | 福岡県 | 46.6% |
40位 | 埼玉県 | 46.5% |
41位 | 神奈川県 | 46.3% |
42位 | 山口県 | 45.9% |
43位 | 千葉県 | 45.4% |
44位 | 北海道 | 44.5% |
44位 | 兵庫県 | 44.5% |
46位 | 大阪府 | 44% |
47位 | 奈良県 | 42% |
‐ | 全国平均 | 48.8% |
※2017年総務省発表の「就業構造基本調査」より抜粋
なぜ北陸や東北、地方の夫婦共働き率が高いの?
筆者が共働き世帯で身近に接している周りの人たちもやはり共働き世帯が多いため、首都圏の都道府県の夫婦共働き率は高いものだと思っていましたが、ここまで低いのは意外でした。東京、神奈川、千葉、埼玉などの首都圏の夫婦共働き率がどうして低いのでしょうか? どうして首都圏の夫婦共働き率が低いのか、ではなく、どうして地方の夫婦共働き率が高いのか、で考えてみましょう。考えられる理由としては…
- 夫婦共働きが当たり前の風土?
- 保育環境が整っている
- 3世代同居など育児を助けてもらえる環境が整っている
などでしょうか。北陸地方で夫婦共働き率が高い点についてはニュースなどでこれまで何度も取り上げられてきています。共働きが当たり前の風土という点は考慮せず、「保育環境が整っている(=待機児童が少ない)」、「3世代同居の割合が高い」点を調べてみました。下記表では全都道府県の調査は行わず、共働き率が高かった上位10都道府県のみで調べてみました。
共働き率の順位 | 都道府県 | 待機児童数が少ない県順位(2017年4月時点) | 3世代同居率が高い順位(2015年調査) |
---|---|---|---|
1位 | 福井県 | 18位 | 2位 |
2位 | 山形県 | 36位 | 1位 |
3位 | 富山県 | 14位 | 5位 |
4位 | 石川県 | 9位 | 18位 |
5位 | 長野県 | 11位 | 13位 |
6位 | 島根県 | 7位 | 8位 |
7位 | 鳥取県 | 8位 | 10位 |
8位 | 新潟県 | 32位 | 3位 |
9位 | 山梨県 | 20位 | 22位 |
10位 | 岐阜県 | 10位 | 12位 |
上の調査結果だけでは北陸や東北、地方の共働き率が高い理由は明らかにはなりませんが、3世代同居率が高い都道府県で夫婦共働き率が高い傾向があると考えられます。待機児童数が少ない都道府県ということより、祖父母と同居して育児を手伝ってもらえる環境にあることが夫婦共働き率の高さに影響があるのではないでしょうか。他にも都道府県あたりの平均残業時間数などのデータも調べてみましたが、こちらは都道府県によって大きな違いは見られず、夫婦共働き率の高さには影響は無さそうです。
農業、林業、漁業関係者が多い県は夫婦共働き率が高い?
1960年代、70年代の高度経済成長期にパパが会社でバリバリ働くためにママが家庭をしっかり守る「専業主婦」が激増したといわれています。高度経済成長期にサラリーマンや工場労働者など都会で働く人口が急激に増えましたが、それ以前は農業や林業、漁業などに従事する人口の割合が高く、男女ともに働いている家庭は珍しくありませんでした。そういった背景から考えると農業、林業、漁業関係者が多い都道府県で夫婦共働き率が高いのは驚くことではないかもしれませんね。
2020年のコロナ禍は共働き・専業主婦世帯にどのような変化をもたらした?
2020年、新型コロナウィルス感染拡大予防のため多くの企業でテレワークが実施され、自宅で仕事をするパパママが増えました。その結果、共働き世帯・専業主婦世帯それぞれにどのような変化があったのかを、2020年6月末に実施された株式会社ジェイアール東日本企画イマドキフアミリー研究所による「コロナ禍におけるパパママの意識・行動変化に関する調査」の結果から探ってみましょう。
コロナ禍前と比べると、テレワーク実施ママでも時間的余裕は相変わらずなし
まず、2020年6月末時点でテレワークを実施している首都40km圏の共働きママの割合を見てみると、35.5%という結果が出ました。一方、パパのテレワーク実施率は、共働き世帯のパパで47.8%、専業主婦世帯のパパで45.6%という結果が出ており、勤め先の事業規模や業態、業種の男女差があるためかママよりやや高い結果となりました。
コロナ禍におけるテレワークでは、ママの場合自宅に自分の書斎を持っているケースは少なく、子供の学校休校期間中・保育園欠席期間中とも重なって、リビングで子供の相手をしながら、家事にも追われ、なんとか仕事をこなすのに四苦八苦…というママが多かったのではないでしょうか。そんな共働き世帯のママに、コロナ禍前と比べて時間的余裕はどのように変化したか質問したところ、「時間的に余裕なし」と答えたママがテレワーク実施ママも含め全体で58.6%もいて、2016年調査の結果(59.0%)とさほど変わらない結果でした。ただし、「時間的に余裕あり」と答えた割合はテレワーク実施ママで27.8%、テレワーク未実施ママで21.7%となっており、テレワーク実施ママの方がテレワーク未実施ママに比べてテレワークによって多少時間的余裕が生まれたことを示しています。
家族の絆が深まったママが多数、ただし専業主婦ママのストレス増
続いて、コロナ禍前と比べてどのような意識変化が起きたかの質問に対しては、「家族みんなで過ごすことの大切さを改めて感じた」「子供の成長を見る機会が増えて幸せを感じた」と答えた割合が共働きママ・専業主婦ママともに70%以上と高水準で、共働き世帯・専業主婦世帯に限らず家族の絆が深まった様子がうかがえます。特に顕著だったのが共働きテレワーク実施ママで、80%以上の高い割合を示しました。その一方で、「生活全体的にストレスが増えた」と答えた専業主婦ママが72.2%もいたことは特筆すべき点でしょう。同じ回答をしたテレワーク実施ママが54.7%、テレワーク未実施ママが68.1%だったことからも、専業主婦ママはコロナ禍において自分時間が減少し、ストレスが増加したことを顕著に示しています。
テレワーク実施ママはお助け食品活用・パパと家事シェア
最後に、平日の夕食に「市販の冷凍食品」等の「お助け食品」を使うかどうかを質問したところ、共働きママが専業主婦ママを上回り、ある程度予想通りの結果となりました。共働き世帯のテレワーク実施ママはコロナ禍で多少の時間的余裕は生まれたものの、その分子供や家族と過ごす時間を増やしており、コロナ禍でも「お助け食品」を積極的に活用している実態がわかりました。子供の学校休校中や保育園欠席期間中には、毎日3食ごはんを作り続けなければいけないママたちの悲痛な声をよく耳にしましたよね。冷凍食品などを活用するのも、ある意味当然の結果ともいえるのでしょう。
また、共働き世帯のパパの平日の家事実施率は、専業主婦世帯のパパの家事実施率を大きく上回っており、2016年の調査結果と比べてもさらに高くなっていました。この結果から、テレワーク実施ママは、相変わらず時間的余裕がなくても冷凍食品などの「お助け食品」を上手に使いながらパパと家事分担し、子供との時間を多く作っているということが読み取れます。テレワーク実施ママは、夕飯作りの負担を減らしパパと家事シェアすることで、結果として専業主婦ママよりもストレスを低く抑えられています。
コロナ禍は、家族とのあり方や、自分の仕事の仕方にあらためて向き合うきっかけでもありました。時代は大きな転換期を迎えています。今後さらにテレワークが進んでいく中で、冷凍食品などをうまく活用しパパと家事を積極的にシェアしながら、ママ自身の時間、子供や家族との時間を上手に確保し、さらに家族の絆を深めていくライフスタイルが、共働きママにとってのニューノーマルとなるのでしょう。
コロナ禍におけるパパママの意識・行動変化に関する調査|株式会社ジェイアール東日本企画イマドキフアミリー研究所
まとめ:子育てしながら働く女性が正当に評価される世の中になって欲しい
労働者不足が叫ばれるなか、女性の社会進出の流れはまだまだ進んでいくでしょう。社会が女性の労働力を求めているなら、子育てしながら働く女性への待遇や評価方法は改善していかないと夫婦共働き世帯の女性からの不満は募るばかりなはず。企業や社会側にその点の改善も求めたいですが、パパも家事分担などで働くママへのサポートをもっと意識して欲しいと思います。コロナ禍でパパママ双方ともテレワークでも、家事も子供の世話も多くはママの担当…というケースも多かったのではないでしょうか。今後さらにテレワークを中心とした働き方が浸透し、働く女性のライフスタイルも変わっていくでしょう。ここで社会全体の意識が切り替わり、働く女性が今以上に働きやすい世の中になっていくことを願いたいです。