5歳の子供の成長と発達の目安は? 育てるポイントや小学校の準備も
目次
小学校入学に向けて生活リズムを整えよう
先述の通り5歳後半~6歳ごろになると親子ともに小学校入学を意識し始めます。小学校生活をスムーズに始められるよう、今から生活リズムを整えておきましょう。以下に5歳から身につけたい生活習慣を挙げました。生活習慣を整えることで子供の健全な成長を促し、肥満など生活習慣病を予防します。
早寝早起きをする
朝は8時までに起き、夜は遅くとも9時に寝ましょう。朝は太陽光をしっかり浴びることで脳が活性化されて体内時計が整い、日中も活発に活動でき集中力もアップします。起きてから登校するまでに時間ができるので、余裕を持って身支度できます。早寝早起きを習慣づけるには、まずは早起きから始めましょう。パパママは大変でしょうが、早起きすれば自然と夜も早く寝つけるようになります。
夜は遅くとも9時には布団に入るよう心掛けてください。就寝時間が遅くなると睡眠不足になるのはもちろん、良質な睡眠をとれずに早起きできなくなり、朝ご飯を食べる時間がなくなるなど悪循環に陥ります。さらに睡眠不足の状態では疲労感が抜けず、思考力や集中力が低下し日中の活動に支障をきたします。十分に活動できずに運動不足になり、体力が低下したり肥満になったりする可能性も指摘されます。「夜遅くまで起きていると食欲も増して肥満傾向になる」とのデータもあります。
5歳児健診事業-東京方式-(社団法人 東京都医師会 次世代育成支援委員会)
3食きちんと食べる
朝ご飯を摂ると午前中活動するエネルギーをしっかり補給できます。朝食を食べる子は食べない子よりも思考力や判断力、体力面で優れているとの研究結果もあります。食べ物をよく噛むことで脳の血流を活性化しすっきり目覚めさせ、気分を安定させる「セロトニン」」の分泌を促します。朝食を採らないと体内時計がずれて夜型の生活になりやすいとされます。排便の習慣をつけやすい効果もあります。
夜ご飯はなるべく夜8時までに済ませましょう。あまりに夕ご飯の時間が遅くなるとその分寝る時間が遅くなってしまいます。さらに体内に栄養を貯めこみやすくなり、肥満を助長します。
毎日外で遊ぶ
天気がよければできるだけ外で遊ばせましょう。太陽光を浴びてしっかり体を動かすと、子供の成長に必要な「メラトニン」が夜に分泌されやすくなります。筋肉を動かすことで「セロトニン」の分泌も促します。近年は子供も肥満など生活習慣病が懸念されており、体を動かすことで生活習慣病を予防して体力を向上させます。
テレビやゲーム、スマホなどは2時間以内に留め、夜9時以降は避ける
平成26年度に文部科学省が行った調査によると、「子供がテレビやゲーム、スマートフォンなどメディアに触れる時間が短いほど学力が高い」との結果になりました。メディアに触れる時間が長いと、単に学習時間や睡眠時間が削られるだけでなく脳の劣化も懸念されます。また夜間に強い光を浴びると成長物質であるメラトニンの分泌が抑制されてしまいます。日本小児科医会もメディアとの接触時間は1日2時間以内にすべきとしています。
平成26年度全国学力・学習状況調査の結果「児童生徒の学習・生活習慣と学力の関係」(文部科学省)
子どもとメディア委員会(日本小児科医会)
就学時健診のマニュアルが改訂
年長になると各自治体による就学前健診が行われますが、発達障害の早期発見などの点からマニュアルが改訂されました。あらかじめチェックシートの質問事項に保護者が回答し、就学前健診時の面談時に活用して就学支援に生かしていきます。平成30年10月に東京小児科医会が講演した内容によると、「自治体の3歳児健診で発達障害の可能性を発見できなくても、就学前健診で新たにその可能性を発見できると考えられる」としています。就学前健診で発達障害の可能性を早期に発見し、適切な支援につなげ不登校や暴力行為などの二次障害を防ぐことを目的とします。
新しく変わった就学時健診(平成30年10月東京小児科医会講演会)
園の先生と情報交換をしよう
子供の成長や接し方などについて不安な点がある時、頼りになるのは普段から子供達と接している幼稚園や保育園の先生です。大勢の子供たちと接して個人差や個性があることを経験的によく知っており、家庭とは異なる環境にいる時の子供の姿を見ています。特に、園生活という「小さな社会」の現場に居合わせる立場として、5歳児の特徴である社会性の芽生えについて気づく点も多いでしょう。家庭では甘えん坊なのに園では面倒見のいいしっかり屋さんとして過ごしている、などの話もよく聞きます。
まとめ
5歳は身体も心もしっかりしてきて、園の中ではお兄さんお姉さんの立場にもなってきます。いよいよ就学という社会の入り口が見えてきたことに感慨を覚えたり、身につけさせたいことがいろいろとあって少し焦るような気持ちになったりするかもしれません。年齢に応じた発達について知っておくのは大切ですが、それ以上にその子なりの成長を認め尊重してあげることが重要です。5歳は幼児期の終わり、我が子と向き合って充実した時間を過ごしてくださいね。