学童保育指導員の仕事内容と働くメリットデメリット。学童保育で働くのに必要な資格とは?
目次
学童保育指導員とは? どんなお仕事?
学童保育指導員とは「学童保育」で子供達の世話をする人のことを言います。 学童保育は「放課後児童クラブ」とも呼ばれていて共働きやひとり親家庭など日中家に保護者がいない小学生が放課後や長期休みの日中を過ごす施設です。学童保育指導員は子供を安全に保護するとても重要な職員ですが、誰でもできる仕事と思っている方も多いのではないでしょうか?
学童保育指導員の仕事内容
学童保育指導員の仕事内容は、子供達のおやつを準備したり一緒に遊ぶなど、保護者が家に帰ってくるまでの時間を安全に楽しく過ごせるようにします。また、学童保育は保護者の就労を支援するための施設でもあり、学校や保護者とのコミュニケーションを密にとるよう心掛けなければいけません。情報を交換し合うことで一人一人の子供に合った保育ができるようになります。
学童保育指導員の1日の流れ
では学童保育指導員の1日はどんな流れでどんなことをしているのでしょうか?ここでは一例を見ていきましょう。
学童保育指導員の1日の流れ:平日の場合
時間 |
子供の動き |
学童保育指導員の動き |
---|---|---|
10時 |
|
受け入れ準備(掃除、おやつ作り、買い出し |
12時 |
|
昼食 |
13時 |
登所 |
保育開始(出欠確認) |
13時〜15時 |
自由時間 |
室内遊び、外遊び、宿題など自由時間の見守り |
15時 |
おやつ |
おやつの提供 |
15時半 |
自由時間 |
室内遊び、外遊び、宿題など自由時間の見守り |
17時半 |
帰宅 |
子供引き渡し |
18時 |
延長保育 |
見守り 会議・学童通信作成、雑務など |
19時 |
保育終了 |
閉所・帰宅 |
学童保育指導員の1日の流れ:長期休み期間の場合
時間 |
子供の動き |
学童保育指導員の動き |
---|---|---|
8時 |
|
受け入れ準備(掃除、昼食、おやつ作り、買い出し |
8時半 |
登所 |
保育開始(出欠確認 |
9時 |
自由時間 |
室内遊び、外遊び、宿題など自由時間の見守り |
12時 |
昼食 |
昼食の提供 |
13時〜15時 |
自由時間 |
室内遊び、外遊び、宿題など自由時間の見守り |
15時 |
おやつ |
おやつの提供 |
15時半 |
自由時間 |
室内遊び、外遊び、宿題など自由時間の見守り |
17時半 |
帰宅 |
子供引き渡し |
18時 |
延長保育 |
見守り・会議・学童通信作成、雑務など |
19時 |
保育終了 |
閉所・帰宅 |
多くの学童保育の預かりは18時までで、17時半以降は保護者が迎えにくることになっています。夏休みや冬休みなどの長期休みの場合は、出勤時間が早まるのがポイントです。また施設によっては昼食やおやつを子供達と一緒に作ることもあります。天気の良い日には公園に行ったり、近くの児童館へ行くこともあるそうです。雨の日は外に出れないため子供達が退屈しないよう大人数で楽しめる遊びなど工夫をこらす必要があります。
学童保育指導員として働くメリット
学童保育指導員の仕事の1番のメリットは子供の笑顔を毎日見られること。また、子供達のできることがどんどん増えて成長していく様子を近くで見ることができるのも魅力のひとつです。そして子供と共に自分も成長ができる仕事といえます。保育対象が幼児ではなく小学生ということで食事や排泄などのサポートが要らないのも働きやすいポイントです。そしてサービス残業や持ち帰りの仕事もありません。資格がなくてもチャレンジできるので子育て経験者ならよりハードルが低いのではないでしょうか。
学童保育指導員として働くデメリット
学童保育指導員の仕事のデメリットとしてまず言えるのが、体力が必須なこと。学童保育指導員は体力勝負の仕事です。いつでも全力で子供達と向き合えるように、日頃から体調管理が欠かせません。特に男の子のパワーについていくには相当の体力が必要です。そういう面から男性の学童保育指導員も多いと言われています。また、施設によって待遇が変わりますが決して高給とは言いがたいようです。
学童保育指導員として働くのに必要な資格は?
学童保育指導員の仕事は特別な資格は必要ありませんが、施設によっては保育士や教員の免許が条件となることもあります。正規職員として勤めることは少なく、アルバイトや非常勤スタッフとして働くことが多いようです。アルバイトや非常勤スタッフとして経験を積んだ後、正規職員として就職することもできます。また、学童保育支援員として2年以上働くと放課後児童支援員の資格を取ることができます。放課後児童支援員とはどんな資格なのでしょうか?
放課後児童支援員とは?
放課後児童支援員とは2015年の「子供・子育て支援新制度」により学童保育の質を向上するために新たに設けられた資格です。仕事内容は学童保育指導員と変わりませんが、厚生労働省は学童保育施設では40人の子供に対して2人以上の放課後児童支援員を配置することを義務付けています。では、放課後児童支援員にはどうやったらなれるのかみていきましょう。
放課後児童支援員になるにはどうすればいい?
都道府県が行う研修を受講することで放課後児童支援員の資格を取得できます。しかし、この研修を受講するには次の要件のうちどれかに当てはまる必要があります。
放課後児童支援員研修の受講資格要件について
放課後児童支援員の研修を受けられる人は以下に該当する人になります。
一 保育士の資格を有する者
二 社会福祉士の資格を有する者
三 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)の規定による高等学校(旧中等学校令(昭和十八年勅令第三十六号)による中等学校を含む。)若しくは中等教育学校を卒業した者、同法第九十条第二項の規定により大学への入学を認められた者若しくは通常の課程による十二年の学校教 育を修了した者(通常の課程以外の課程によりこれに相当する学校教育を修了した者を含む。)又は文部科学大臣がこれと同等以上の資格を有す ると認定した者(第九号において「高等学校卒業者等」という。)であって、二年以上児童福祉事業に従事したもの
四 学校教育法の規定により、幼稚園、小学校、中学校、高等学校又は中等教育学校の教諭となる資格を有する者
五 学校教育法の規定による大学(旧大学令(大正七年勅令第三百八十八号)による大学を含む。)において、社会福祉学、心理学、教育学、社会学、芸術学若しくは体育学を専修する学科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者
六 学校教育法の規定による大学において、社会福祉学、心理学、教育学、社会学、芸術学若しくは体育学を専修する学科又はこれらに相当する課程において優秀な成績で単位を修得したことにより、同法第百二条第二項の規定により大学院への入学が認められた者
七 学校教育法の規定による大学院において、社会福祉学、心理学、教育学、社会学、芸術学若しくは体育学を専攻する研究科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者
八 外国の大学において、社会福祉学、心理学、教育学、社会学、芸術学若しくは体育学を専修する学科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者
九 高等学校卒業者等であり、かつ、二年以上放課後児童健全育成事業に類似する事業に従事した者であって、市町村長が適当と認めたもの
以上の要件どれか1つでも当てはまる方が受講できます。多くの方が該当しないように思いますが、それだけ子供を保護するという重要な仕事ということなのでしょう。
放課後児童支援員研修の日程について
放課後児童支援員の研修日程は自治体によって異なりますが、基本的に6日間、2〜3ヶ月おきに開催されることが多いようです。約24時間の講義、演習がメインで、保有する資格によっては研修の科目が一部免除になる場合もあります。お住いの市町村に受講の申し込みをし、受講資格の確認が取れてから研修に参加することができます。一定期間のスケジュールを押さえないといけないので、事前に情報を収集しておくことが大事ですね。
放課後児童支援員の研修科目について
研修科目は全部で6科目です。
- 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の理解
- 子供を理解するための基礎知識
- 放課後児童クラブにおける子供の育成支援
- 放課後児童クラブにおける保護者・学校・地域との連携、協力
- 放課後児童クラブにおける安全・安心への対応
- 放課後児童支援員として求められる役割・機能
科目が多いように感じますが、どれも子供を保護監督するのに必要な内容ですね。この研修で子供の発達について専門的な知識を学ぶことができるのです。
放課後児童支援員研修の受講料について
この研修の受講料は基本的に無料です。ただし、テキスト代や交通費などは別途必要になりますのでご注意ください。
まとめ
学童保育指導員についてご紹介してきました。 子育て経験のある方や子育てがひと段落した方、子供と関わる仕事がしてみたかったという方には興味を持たれたのではないでしょうか?全国には学童保育に入所したくてもできない待機児童が1万人もいます。施設数は増え続けていますが、指導員が不足している施設も多いのだそうです。ご自分の子育て経験を生かせて、資格がなくてもできる学童保育指導員にぜひチャレンジしてみてくださいね。