ラマーズ法って何? 新ラマーズ法やソフロロジー法についても解説!
目次
ソフロロジーとは?
ソフロロジーとはラマーズ法や新ラマーズ法と同じく人気の高い呼吸法で、ヨガや禅の要素を取り入れています。ソフロロジーの概要やラマーズ法との違い、効果・やり方について解説します。
痛みを受け入れる呼吸法
ソフロロジーは出産の不安や痛みと向き合い受け入れる方法です。体をリラックスさせ、ゆっくりと呼吸するのはもちろん、お腹に赤ちゃんがいるのを想像して母性を育むことから始めます。赤ちゃんに会えるのを楽しみにしたり、痛みを通して赤ちゃんに会えることを理解したりするなど、出産前からのイメージトレーニングや自己コントロールを重んじています。
ラマーズ法との違い
ラマーズ法とソフロロジーの違いは呼吸方法です。ラマーズ法は基本的な「ヒッヒッフー」の呼吸で痛みに耐えます。一方、ソフロロジーは自分自身をリラックスさせて分娩し、陣痛の波が来ても慌てずに赤ちゃんのことや楽しいことなどを考えて痛みを和らげます。ソフロロジー式呼吸法では「陣痛は赤ちゃんに会うために必要な痛み」と受け入れていきます。
ソフロロジーの効果とやり方を分娩段階別に解説
ソフロロジーは妊娠中からの準備が大切です。ソフロロジーの呼吸法は妊娠初期~6ヶ月ころまでに練習し始めるといいでしょう。1人で不安な場合はマタニティヨガ教室などに通うとほかの妊婦さんも参加しているので安心ですよ。ソフロロジーのイメージトレーニングや呼吸法により得られる効果・やり方について説明します。
妊娠中
気分が安定し妊娠中期のつわりや鬱の症状が軽くなる場合があります。お腹にいる赤ちゃんのことを想像してみると、赤ちゃんに早く会いたいとワクワクする思いが強まることで不安が取り除かれ、出産が待ち遠しくなります。また、妊娠中はホルモンの影響で気分が不安定になりがちですが、ソフロロジーのイメージトレーニングにより、楽しいことや嬉しいこと、幸せなことなどを想像し明るい気分になるなどの効果が期待できます。
妊娠中はソフロロジーに大切な呼吸法やイメージトレーニングを行います。ソフロロジーではあぐらの状態が基本姿勢であり、あぐらをかくとリラックスして気分が安定するほか、分娩時に重要な骨盤底筋肉を鍛える効果もあります。ソフロロジーではヨガや禅の呼吸をイメージして、腹式呼吸でゆっくりと鼻から息を吸いゆっくりと口から息を吐き出します。イメージトレーニング中は好きな音楽を聴きながら行うとさらにリラックスできます。赤ちゃんに会えることや楽しいこと、嬉しいこと、幸せなことをイメージしましょう。また、ソフロロジーでは陣痛をイメージして「陣痛は赤ちゃんに会えるために必要なもの」と痛みを赤ちゃんに会える嬉しさへ変えるイメージトレーニングも大切です。
分娩中
ソフロロジーを行っても陣痛や分娩はつらいものです。しかし、早く赤ちゃんに会いたいと思う気持ちで痛みを受け入れられたり、幸せなことや嬉しいことなどを想像したりと自分自身をコントロールすることでリラックスできます。さらに「オキシトシン」や「エンドルフィン」といった鎮痛剤の代わりになるホルモンをたくさん分泌することで痛みを和らげ、スムーズな分娩に繋がります。
分娩中はあぐらなど楽な姿勢になり、各段階に合った呼吸法を取り入れます。可能ならこれまでイメージトレーニング中に聴いていた音楽を分娩時にいつも聴いていたCDを聴いてリラックスをしましょう。
【1.陣痛が始まったら】
気持ちを落ち着ける「完全呼吸法」を行います。「本格的な陣痛? それとも前駆陣痛?」と気持ちがソワソワと落ち着かない時にも完全呼吸法は効果的です。完全呼吸法では1分間に5~6回を目安に大きく息を吸ってお腹を膨らませます。さらに空気が肺のすみずみまで行き渡るイメージをしながら胸にも息を入れます。次にゆっくり息を吐き、膨らんだお腹や胸をしぼませます。
【2.陣痛の波が強くなり始めたら】
しっかりと息を吸い、ロウソクの火を消すイメージで「フーー」とゆっくり息を吐きます。痛みが気になるでしょうが、なるべく痛みのことは考えずお腹の中の赤ちゃんは今どの辺りにいるのか、赤ちゃんに酸素がしっかり届いているのかなど赤ちゃんのことを考えたり、子宮口の変化など自分の体の変化に注意を向けたりしましょう。陣痛の波が治まったら楽な姿勢になり自然に呼吸します。
【3.子宮口が開いてきたら】
自分の鼻の先や床など目線を斜め下にして1点を集中して見つめます。お臍の下に手を当てて1回10秒ほどの呼吸を1分間に5~6回行います。陣痛がますます強くなりますが、落ち着いてゆっくりと鼻から息を吸い口から息を限界まで吐ききりましょう。息を吐き切る直前に下腹部に「ウン」と力を入れると、痛みが楽になることもあるようです。
【4.子宮口が全開になったら】
ここまで進んだらいよいよ分娩台に上がります。目は開けたまま一点を見つめ、陣痛の波に合わせるように「フーー」とゆっくり息を吐いていきみます。いきむ時はただ力を入れるのではなく、「息を吐いた時の腹圧で赤ちゃんを押し出すイメージ」です。息を止めていきまないように注意してください。息を吐き切ったら鼻から大きく息を吸い、次の陣痛の波に備えます。陣痛の強い波が落ち着いたら全身の力を抜いてリラックスしましょう。力を抜くことにより、赤ちゃんに酸素が届きやすくなります。
【5.赤ちゃんの頭が見えてきたら】
いきみたくなるのを我慢し、ロウソクの火を消すイメージで「フー」と優しくゆっくり息を吐きます。赤ちゃんのことを考えてリラックスすると、産道が緩くなり自然と赤ちゃんが出てきます。
ソフロロジーの呼吸法によりリラックスした状態で分娩を行えば、筋肉が柔らかくなって会陰の伸びもよくなり、分娩による疲労も軽減できるとされます。会陰の裂傷が少ないため産後も早く回復でき、余裕を持って育児に移れるでしょう。
ラマーズ法・新ラマーズ法・ソフロロジー法どれがいい?
さまざまな呼吸法があるとどれが一番自分に合っているのか迷ってしまうでしょう。ラマーズ法や新ラマーズ法、ソフロロジー法をそれぞれ取り入れた場合について解説します。
ラマーズ法・新ラマーズ法を取り入れた場合
- 痛くてどうしようもない状況になっても「ヒッヒッフー」ならできる人もいます。赤ちゃんに酸素を届けるためと思えば息を止めずに頑張れそうですね
- どんなに呼吸法を練習していても、実際の分娩では呼吸のリズムなど考えていられなくなるようです。しかし、呼吸を整えることをしっかり意識すれば効果が出るでしょう
- 助産師や家族と一緒に呼吸法を行うと、落ち着きながら呼吸できて痛みも和らぐようです。自分1人で呼吸法をやると、なかなか落ち着いて適切に呼吸できないかもしれませんね
ソフロロジー法を取り入れた場合
- 初めての出産で不安があるでしょうが、マタニティヨガ教室でソフロロジーを学べば痛みへの恐怖を少しずつ減らせそうです
- いざ分娩となると痛みと苦しさでソフロロジーどころではないかもしれません。しかし、分娩前に不安になっても「ソフロロジーを練習したから大丈夫」と安心材料になるでしょう
- 赤ちゃんの頭が出る感覚や、お腹を蹴って出てくるのを感じながら冷静に分娩できたとの意見もあります
ラマーズ法・新ラマーズ法・ソフロロジーそれぞれ違いはありますが、ママの安心材料になることは確かです。効果には個人差がありますので「どんなお産にしたいのか」「自分にはどんな分娩方法が合うのか」を考えて希望に沿える方法を選ぶといいでしょう。
まとめ
初めて出産する人も経験のある人も出産はドキドキしますね。出産時にはさまざまな分娩方法がありますが、自分に合う分娩方法を決めて事前にしっかり準備をすれば不安も軽減するでしょう。自分にぴったりの方法で元気な赤ちゃんを産んでください。