小規模保育って何? 一般の認可保育園との違いやメリット、デメリットは?

小規模保育に子供を預けるデメリット

小規模保育に子供を預けるデメリット
小規模保育の特性は、人によってはデメリットに感じる場合もあります。

保育園に園庭がない

小規模保育の施設はマンションの一室やビルの一部で運営しているため、園庭はありません。では、ずっと部屋の中で過ごしているのか? というとそうではなく、小規模保育では周辺の公園を園庭代わりに利用しているので、外でもしっかりと遊ばせてくれます。ただし、公共の公園は誰でも利用が可能なので、万全のセキュリティでは無い点と、公園までの道のりは一般道をお散歩していくことになります。道中の安全面は保育士に委ねられているという点は、パパママが少し心配になるポイントでもありますね。

運動会などのイベントは規模が小さい

運動会などのイベントは規模が小さい
保育園では定期的にイベントが開催されており、園によって内容はさまざまですが、運動会・ハロウィーン・クリスマスなど子供を主体としたイベントが多くあります。こういった園でのイベントは基本的には在園児のみで行われるため、小規模保育の場合だと、人数が少なくて盛り上がりに欠ける場合もあります。

ただ、一般の保育園では園児の年齢幅が大きく、それぞれに合わせた内容を少しずつ取り入れる必要があります。そのため、一般の保育園でのイベントでは、0~2歳児の出番はどうしても少なくなりがちに。

その点、小規模保育には派手なイベントはないものの、子供の成長をしっかり見守れるアットホームな雰囲気のイベントが多く、それが良かった、という声もあります。園によっては近隣の一般保育園と合同で運動会を開催しているという小規模保育もありますので、気になる場合は直接各園に問い合わせてみましょう。

3歳から転園が必要

小規模保育には2歳児クラスまでしかないため、3歳児クラスからは別の保育園か幼稚園に転園しなければいけません。そのため、小規模保育は卒園後の優先受け入れ先となる保育園を「連携施設」として設定するよう国から促されてきました。しかし、連携施設に声をかけているものの、転園先の児童枠数が確保できず、連携施設の設定自体が困難という話も聞こえてきます。

こうした現状を受けて、厚生労働省によって2014年に制定された「家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準」が改正され、2020年4月1日より、小規模保育卒園後に保育園などを優先的に利用できるよう自治体が何らかの措置を講じている場合は、卒園後の連携施設の確保は不要になりました。自治体にもよりますが、小規模保育に子供を通わせた世帯には保活の際に加点され、優先して保育園に受け入れてもらえる場合がほとんどのようです。

ただし、加点があったとしても保育園への入園が約束されるわけではないため、3歳になる前にもう一度保活をする必要はあります。また、通う先が変わることによる環境の変化は子供にとって負担になる場合があり、子供が感じるストレスへのケアや日々の変化への注視が大切になるので、パパママは心の準備をしておきましょう。

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3歳からの連携施設問題に幼稚園の預かり保育を利用する動きも

千葉県松戸市では、幼稚園の預かり保育を保育園から派遣された保育士がサポートする試みが始まっています。待機児童問題を解決するために、これまで保育園を増やす施策が取られてきました。しかし、保育園を増やすのは費用面や開所までの時間もかかります。そのため、幼稚園の預かり保育時間を延ばしたり、受け入れ人数を増やすことで待機児童問題を改善させようという試みを、松戸市は他の自治体に先駆けて取り組んできました。

幼稚園の開所時間を早めたり、預かり保育の時間を延長させるには幼稚園の人員を増やす必要がありますが、どの幼稚園も人手不足です。仮に人が採用できたとしても給与負担も園に重くのしかかります。そのため、松戸市は保育園から保育士を幼稚園に派遣する制度をスタートさせました。この施策のメリットをまとめてみると…

  1. 人材不足問題は保育園から保育士を派遣してもらい解決
  2. 保育士を派遣してもらう費用の一部を松戸市が負担
  3. 定員割れしている幼稚園は預かり保育時間を長くすることで新たな園児が獲得できる
  4. 保育園は新たな収益を獲得できる
  5. 松戸市は新たな保育園を新設してもらうための費用負担がない
  6. 共働きのパパママは幼稚園に子供を預ける選択肢が増える

というわけです。
積極的な待機児童対策をおこなったことにより、松戸市は2016年度から5年連続で国基準の待機児童をゼロにすることに成功しています。

こういった施策が全国的に徐々に広がっていき、幼稚園での預かり保育時間の拡充や、夏休みなどの長期休暇でも預かり保育を利用できる自治体が増えてきています。
小規模保育を卒園後に幼稚園を転園先として選べるようになり選択肢が増えるのは、共働き家庭にとっては朗報ですね。

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まとめ:保育内容をしっかり確認して、選択肢のひとつに!

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小規模保育も、一般の保育園と同様にそれぞれの園によって保育方針が異なります。パパママがどんな保育をお願いしたいかによっては、保活の際に小規模保育も選択肢に入れて検討してもいいでしょう。

保活が厳しい地域のパパママにとって、小規模保育がありがたい施設であることは間違いありません。また一般の保育園同様、通園に必要なものや実費で掛かるものもさまざまなため、保活中のパパママは一度見学してみることをおすすめします。子供の成長を担う保育園、ひとつでも多くの知識と選択肢を持って、納得できる保育園選びを行いましょう!

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はいチーズ!クリップ編集部

はいチーズ!クリップ編集部員は子育て中のパパママばかり。子育て当事者として、不安なこと、知りたいことを当事者目線で記事にします。Instagram・LINEなどでも情報発信中ですので、ぜひフォローください!