リトミックを自宅でやってみたい。音楽を使った幼児教育が家で簡単にできる、おすすめ教材9選
リトミックとは?
子育てにリトミックは良いということは聞いたことはあるけれど、リトミックがどんなものなのか分からないという人も多いのではないでしょうか。リトミックは、スイスで作曲家として活動していたエミール・ジャック・ダルクローズが音楽教育法のひとつとして19世紀末に開発しました。今では幼児教育などでリトミックが取り入れられることも増えてきましたが、当時の音楽教育と言えば楽譜を読むことや、楽譜に沿って楽器を弾くという実践的な音楽教育が主流でした。
エミール・ジャック・ダルクローズは楽譜優先ではなく、音を聞いて楽器に触れる。そして音を組み合わせながら興味を高めることを優先し、音感を育んでいく音楽教育を開発したのです。自由に弾き、奏で、楽しむというリトミックの原点はダルクローズによって生み出されました。
リトミックの教育効果は?
リトミックはスイスで生まれ、19世から20世紀初頭にかけて開発されました。そんな歴史があるリトミックはどのような教育効果が得られるのでしょうか。広島文教大学の善本桂子先生はリトミックの現状について研究論文を発表しました。その論文では、「子どもたちがリトミックから獲得していると指導者が考えている能力」として、以下のような調査結果が報告されたのです。
その内容について細かく見ていくとリトミックから獲得していると思われる能力が多い順に下記のような結果になりました。
- 集中力:24.2%
- 反応力:14.3%
- 表現力:13.0%
- 反射神経:9.9%
- 協調性:9.3%
- コミュニケーション能力:8.7%
- 想像力:6.2%
- 注意力:3.7%
- 思いやり:3.1%
- 記憶力:2.5%
- 優しさ:1.9%
- 創造力:1.2%
- 敏捷性:1.2%
リトミック教育からいろいろな能力が獲得できていることが分かりますが、具体的にこれらの力は日々の生活にどのように生かされるのでしょうか。
親子のコミュニケーションが増える
リトミックは音楽を聴いて自由に体を動かし、表現します。集中して音に触れ合うことで、反応も良くなり、子供の表現力も豊かになるため、親子のコミュニケーションアップにつながります。楽しいことは身近な誰かと共有すると幸せな気持ちなるものです。親子のコミュニケーションが増えることが、リトミックで得られる最大のメリットと言えるのではないでしょうか。
子供のリズム感が培われる
音を聞いて音に合わせて反応を繰り返すことで、子供のリズム感が良くなり音の種類を聞き分ける力も養われます。そして注意力や反射神経の向上にもつながるのです。音に合わせて子供が一生懸命に、かつ楽しく遊んでいる姿は見ていてほっこりするものですよね。
子供の表現力が培われる
集中して音を聞き分け音を楽しめるようになると、音に合わせて体を動かし、表現力が養われるというメリットもあります。音の世界の中で子供は想像を広げ、楽しむことで心身共にリラックスでき、心と身体のバランスを保つことにもつながるのです。
ママはストレス発散効果も
子どもが楽しそうな姿を見るのは親として嬉しいものです。そして、何より親子でコミュニケーションを取りながら、リトミックを楽しむ時間を共有できるのは、ママにとってストレス発散効果が高いのではないでしょうか。
リトミックの教育内容
リトミックにはさまざまな効果が期待できることが分かりましたた。次はリトミックで行う教育内容について見ていきたいと思います。
曲に合わせて手遊び
リトミックは場所を問わずどこでも取り入れることが可能です。音楽を聴きながら曲に合わせて自由に表現する教育法なので、お気に入りの曲に合わせて手遊びからはじめてみましょう。上半身を使って遊ぶ、「大きな栗のくりの木の下」は、誰もが一度は遊んだ手遊びなのではないでしょうか。小さい頃に遊んだ手遊びを取り入れるのも、簡単にできる方法のひとつです。
曲に合わせて体操
次は全身を使った体操についてです。曲に合わせて振付が決まっているものでもいいですし、お気に入りの曲に合わせて自由に体を動かすという方法もあります。
アンパンマン体操をイメージすると、分かりやすいのではないでしょうか。
楽器を自由に演奏する
最後は、楽器を手に取り自由に演奏します。音が出るものなら楽器という枠にとらわれず自由に鳴らして楽しんでみましょう。親子で実践すると、新しい音を発見することができるかもしれません。
リトミックで使う教材
リトミックは、自由な発想で曲に合わせて表現していくので、無限の可能性を秘めています。自宅にあるものでも十分にリトミック遊びができるので、実際に使う教材についてご紹介したいと思います。
リトミックで使う教材1:楽器
リトミックの楽しさを子供に伝える最初の一歩として、楽器を使って音がでる不思議さや楽しさを伝えてあげましょう。タンバリンや鈴、カスタネットなど100均で購入できる楽器もたくさんあります。子供と一緒にお店に行き、手に取って鳴らしてみて、気に入ったものからスタートしてみてはいかがでしょうか。市販のもの以外にも、自宅にあるもので音がでるものはたくさんあります。お菓子の空き箱や空き缶、フライパンや調理用のボールもドラム代わりになるでしょう。お子さんと一緒に楽器を探すところからはじめるとさらに楽しめるかもしれません。
リトミックで使う教材2:CD(音楽)
楽器は自分で奏でるのに対して、CDに入っている楽曲はスイッチを押せば音楽を流すことができます。両手があくので、全身を使って表現することができます。さらに音楽は、CDに限らずスマートフォンでも再生できるので、場所を選ばず楽しむことも可能! お風呂に入りながらなど、いつもと違った場所でもリトミックが楽しめるなど、可能性が広がるのも魅力です。
リトミックで使う教材3:DVD
楽器やCDは音に合わせて自由に表現するのに対して、DVDは真似をしながら体を動かせるので、いろいろな表現方法を学び、臨機応変に音楽に合わせて対応することができます。動画を見れば見るほど、発想の引き出しが増えていくのもDVDの魅力なのではないでしょうか。リトミックの効果のひとつ、表現力・想像力の拡大も期待できます。リトミックを楽しめるDVDは、雑誌の付録や子供向けの通信教育プログラムなどでも簡単に手に入りますよ。
リトミックで使う教材4:スマホアプリ
スマートフォンの普及により、さまざまなアプリもリリースされています。無料で使える音楽系のアプリもたくさんあるので、自宅でのリトミック遊びに使わない手はありません。外出先や、ぐずってしまった時など、気分転換にリトミックで遊ぶの良いのではないでしょううか。
リトミックで使う教材5:YouTube(動画)
最後は、大人から子供まで楽しめるYouTubeを使ったリトミックです。音楽はもちろん、リトミック用に編集された動画も多数投稿されているので、動画をチェックしながら、お気に入りのものを見つけてみてはいかがでしょうか。
次のページでは自宅でリトミックを楽しむ際におすすめな楽器などの教材についてご紹介します。