子供の写真を撮影するときに役立つテクニック4選【プロカメラマン直伝、スマホ撮影にも応用できるコツ】
目次
将来写真を見返したときに思い出がよみがえってくる写真を撮る方法は?
どんな写真もある瞬間の思い出を切り取り、後から見返すために撮影していますよね。子供の写真は特にそうではないでしょうか。しかし、時間が経ってから見返すと「これ、何の写真だっけ?」、「どこで撮ったっけ?」…となることはありませんか?
例えば、ピースしている子供を上から撮影したけれど、地面しか写っておらず撮影場所が分からなかったり、背景のフォトスポットが見切れてしまっていたり…。どの家庭でもこんな経験はあるはず。
そこで役立つ子供の写真を撮影するときに役立つテクニックを5つご紹介します。皆さんは5W1Hという言葉をご存知でしょうか? Who(誰が)、When(いつ) 、 Why(なぜ)、Where(どこで)、 What(なにを)、 How(どのように)。英文法の授業などで良く耳にした言葉だと思います。筆者が子供の写真を撮るにあたって特に意識して大切にしていることはこの5Wです。
思い出が鮮明に残る写真を撮影するために、これからお伝えする5Wのポイントを意識した撮影方法を実践し、未来に残る大切な思い出をアルバムに残していきませんか?
人物写真撮影のポイント1:Who(誰が) がわかる写真を撮る
人物写真の撮影ポイントとして、その時の感情が伝わる写真であることが大切です。アルバムを見返した時に、顔の表情がしっかりとおさえられている方が当時の感情や思い出が鮮明に思い返されますよね。 後ろ姿などのあえて表情を映さない写真にも勿論魅力はありますが、その比率は8:2くらいにしておいた方がバランスのとれたアルバムに仕上がると思います。
しかし、子供は集中すると見ている物に意識を向けるので、うつむいて表情が読み取りにくいことが多くあります。つい「こっち向いて」と声をかけてしまいがちですが、それではその瞬間の表情ではなくなってしまいます。カメラに向かってピースサインの写真は可愛らしくて残しておきたい表情だと思いますが、それだけではバリエーションが少なく平坦なアルバムになってしまいます。
例えば、筆者は実際の撮影現場で、子供たちが砂場で遊んでいる場面を撮影する時は、なるべくかがんで子供の視線、またはそれよりも下から見上げるように撮影することを意識しています。そうすることでその時の真剣な顔を写真に収めることができます。声をかけて集中している物事を中断させてしまうことは、その時にしかない表情を撮り逃してしまうことと同義です。貴重な表情を撮り逃してしまうのはもったいないですよね。
表情をおさえることを意識するだけで「なんで撮ったんだっけ」が少なくなります。この表情を残すために撮った写真である事が明らかだからです。しかし、これだけでは「どこで撮ったんだっけ」や「なにしてた時の写真だっけ」は解消されていません。まずこの表情をおさえることを前提に、残り4Wを意識していただければと思います。
人物写真撮影のポイント2: When(いつ) 、 Why(なぜ)がわかる写真を撮る
「いつ」と「なぜ」はセットで考えると良いです。例をあげると、撮影時に子供が泣いていたとしましょう。なぜ泣いているのでしょうか? その理由はイベントに関係している事がしばしばあります。
学校行事を例にあげると節分やお祭り、クリスマス会やお別れ会など…気持ちが現れやすいイベントが開催された時に(いつ)、笑顔になったり泣いてしまったり(なぜ)が成立するからです。「いつ」は行事に絡まないと特定できない部分なので、深く考える必要性はありません。
例えば、子供が泣いている写真があったとします。その泣いている写真だけではなぜ泣いているのかは分かりません。せっかくの思い出も、このままでは思い出されないままアルバムに残ってしまいます。この写真が節分の鬼に怯えて泣いている写真だとします。それならば、鬼の背面から撮影をすると、子供が鬼を見て怯えている・泣いているという場面が一目で分かる写真が撮影できます。
このように、1枚の写真の中に表情から伝わる「なぜ」の理由が分かる対象を入れる事で表情の理由が浮き出てくる写真になります。この手法は、普段の撮影でも使いやすいです。初めて親戚に会った子供が人見知りをして泣いてしまったという経験は、一般のご家庭でもあるでしょう。そんな思い出を残したいと思った時は、親戚の方の背後から、後ろ姿と共に子供を撮影してみてください。きっとアルバムの思い出を彩ってくれる1枚になるはずです。
人物写真撮影のポイント3: Where(どこで)がわかる写真を撮る
お出かけで動物園や水族館、博物館…など様々な場所で「〇〇へ来た」ということが分かる写真は思い出に残りやすいですし、そのイベントのメイン写真になります。メイン写真を撮影する際は、その場所が一目で分かる看板前やイメージキャラクターと一緒に撮影するのが一般的です。
例えば、建築物が有名で建物を背景に入れた写真が撮影したい時に、建物が大きすぎて写真の中に入りきらなかった経験はありませんか? そんな時は被写体とカメラマンが背景に入れたい対象から離れて撮影することで、遠近法により建物が小さく写り、建物の全景を1枚の写真に入れる事が可能です。被写体とカメラマンの距離は変わらないため、被写体の表情も大きく写ります。建物以外でもフォトスポットや看板前など様々な場所で使える方法なので、是非お試しください。
また、背景の状況をあえて写真の中に入れこむことも、「どこで」を解決するために効果的です。例えば、動物園で動物を見ている様子を撮影する際に被写体のみを写すのではなく、少しひいて余白を多くすることで他のお客さんも背景の中に写りこみます。写りこみは、1枚の写真の情報を増やしてくれるため「どこで」を解決するために効果的です。普段の撮影では被写体のみに意識がいきがちですが、是非この機会に背景にも目を向けてみてください。
人物写真撮影のポイント4:What(なにを)がわかる写真を撮る
「なにを」を解決する鍵は、食器や文具、おもちゃなどの生活用品になります。なにげない日常の写真を撮影しようと思った時は、必ず被写体に何かしらの行動があったからだと思います。何かを作っているときなら、子供がはさみを持っているかもしれません。
ごはんを食べていたらお箸を持っていることでしょう。普段の生活で使用しているものを写真の中に入れ込んであげることで、1枚の写真に多くの情報が詰め込まれます。当時お気に入りだったおもちゃや大好物だったお菓子などが写っていることで、成長してアルバムを見返したときに「なにを」して楽しんでいたのか、「なにが」お気に入りだったのかが分かる大切な1枚になります。
筆者は先日、アルバムの整理を行いました。自分が幼稚園の頃の写真にはサンタさんにラジコンをお願いして満面の笑みで遊んでいる写真が残っていました。その当時はかっこいいものに魅力を感じていたようです。1枚の写真の中に「ラジコン(お気に入りの物)」と「被写体」を写すことで当時の様子が鮮明に思い返される写真となっていました。
このように、当時のなにげない思い出は、成長して見返したときに意外だったりすることが多いです。是非、何気ない日常を写真におさめる時には食器や文具、おもちゃなどの生活用品も写真の中にいれることを意識してみてください。ここまで写真撮影における5Wのお話をさせていただきました。頭の片隅に置いてこれからの写真にどれか1つでも思い出して撮影に反映させていただけたら幸いです。