【医師監修】男の子・女の子の産み分けはできる? 妊娠する方法は? 確率は? 相談できる病院を知りたい!
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監修者紹介
男の子・女の子の産み分けはできる?
お腹の赤ちゃんが男の子か女の子かと考えるのは、妊娠中の楽しみになりますね。どちらの性別でも、妊娠経過が順調で母子ともに元気で出産となれば、それはとても幸せなことです。それでもなかには出来れば赤ちゃんの性別を産み分けたいと考える人もいるかもしれません。
「上の子たちが全員男の子だから、次は女の子がほしい」「跡継ぎのプレッシャーがあるから、どうしても男の子がいい」など、さまざまな事情がある人もいるでしょう。
現在、男女を確実に産み分ける方法には、受精卵の着床前スクリーニング(着床前遺伝子診断)があります。しかし日本産婦人科学会は、不妊治療に利用する場合や重篤な遺伝病がある場合などを除き、倫理的観点から着床前スクリーニングを男女の産み分けに利用することを禁止しています。
男女の産み分けについて自己流でいろいろな情報がインターネットにもあふれていますが、まずは病院に相談してみましょう。100%確実な方法ではありませんが、病院によってはある程度まで確率を高める産み分け方法を導入しているところもあります。
産み分けの前提1 子供の性別は受精卵の時点で決まる
赤ちゃんの性別は、卵子と精子が出会い受精卵ができた瞬間に決まります。しかし実際にパパママが赤ちゃんの性別を知ることができるのは、産婦人科のエコー検査で赤ちゃんの股間が映し出されたときで、早くても妊娠16週目以降になるでしょう。
エコー検査で性別の判断を何回か行い、性別がどちらかはっきり言えるようになるのは、妊娠24週目くらいになります。
赤ちゃんの身体の向きや手足の位置によって、エコー検査で性器が全く映らない、男の子でも男性器が足に隠れているなど、性別が判断しにくいこともあります。「女の子だと考えられていたけれど、毎回男性器が映らなかっただけで実際は男の子だった」といったケースもあります。
産み分けの前提2 赤ちゃんの性別を決めるのは精子
赤ちゃんの性別は、卵子と受精した精子が持つ性染色体の種類によって決まります。ヒトは通常23対46本の染色体があり、ヒトの性別を決めるのは23番目の対である性染色体です。性染色体には「X染色体」「Y染色体」の2種類あり、「X染色体」が2本なら女性(XX)、「X染色体」と「Y染色体」が1本ずつあれば男性(XY)となります。卵子は「X染色体」を1本、精子は「X染色体」か「Y染色体」のどちらか1本をもっているので、産まれてくる赤ちゃんの性別は精子の染色体が「X染色体を持つ精子(X精子)」と受精するのか「Y染色体を持つ精子(Y精子)」と受精するのかで決まります。卵子とX精子が受精すると、受精卵の性染色体は「XX」となり、赤ちゃんは女の子になります。卵子と受精したのがY精子なら、受精卵の性染色体は「XY」となり、赤ちゃんは男の子になります。
※染色体:タンパク質に遺伝情報を含むDNAが巻きついた、繊維状のかたまり
産み分けは精子のX精子とY精子の違いを使う
X精子とY精子は、酸性・アルカリ性に対する強さや寿命の長さ、比重など、それぞれ異なる性質を持っています。
男女の産み分けもこの性質の違いを利用して行います。X精子とY精子の違いについて詳しくみていきましょう。
精子は酸性・アルカリ性に影響される
X精子は酸性に強く、Y精子はアルカリ性に強い性質があります。
女性の腟内は外から雑菌が入ることを防ぐため普段は酸性になっていますが、排卵日になると腟内はアルカリ性に変化します。
そのため排卵日に性行為をするとアルカリ性に強いY精子が腟内で生き残りやすく、それ以外の日には酸性に強いX精子が腟内で生き残りやすくなるのです。
染色体の違いによる精子の寿命の違い
X精子の寿命は2~3日と長く、Y精子の寿命は1日限りです。そのため排卵日の2~3日前に性行為をしたとしても、X精子は排卵日まで女性の体内で生き残ることができます。
染色体の違いで精子の重さが異なる?
X精子とY精子では重さが異なり、X精子の方がY精子よりもわずか重いことが知られています。この重さの違いを利用してX精子を多く含む精液を取り分け、産み分けに使う方法があります。
次のページでは男の子、女の子の産み分け方法や着床前診断についてご紹介します。