赤ちゃんがいる家庭で猫を飼っても大丈夫? 猫と赤ちゃんが一緒に暮らす時の注意点
赤ちゃんと猫が同居するメリット
赤ちゃんにとって、猫や犬など動物との同居は心の成長に良い効果があります。もちろん、生まれてすぐの新生児の頃は、猫を認識することができません。しかし、大きくなって猫と触れ合えるようになると、身近な家族として友人として、赤ちゃんにとって猫の存在は大きなものになるでしょう。
赤ちゃんが小さな動物に接することで、力加減や嫌がることをしてはいけないということを学んでいきます。そして、元気だった猫が老いていく姿を見ることで、命の大切さを学べます。また、赤ちゃんの頃から動物と接することは、免疫力を高める効果もあります。心と身体の成長両方にメリットがあるほか、赤ちゃんと猫の2ショットが可愛くてほほえましいなど、パパママも癒されること間違いなしですよ。
赤ちゃんと猫が同居するデメリット
赤ちゃんと猫の同居で気に掛かるのは、赤ちゃんのアレルギーや病気、怪我ではないでしょうか。猫と日々接することで猫アレルギーになってしまうのではないかという不安は、どの家庭でも最初に気にかかる点です。他にも猫から赤ちゃんに感染する病気、猫が原因の怪我についてもしっかり対策しましょう。
赤ちゃんが猫アレルギーになることはないの?
赤ちゃんが猫アレルギーになると、くしゃみや鼻水といったアレルギー症状が現れ、喘息につながる恐れもあります。ただ、猫と同居したからといって、必ずしも猫アレルギーになるわけではありません。猫アレルギーの原因になる可能性があるのは猫の唾液とフケです。そのため、猫に赤ちゃんの顔や手を舐めさせない、掃除を徹底するなど、できる限り赤ちゃんがアレルゲン(アレルギーの原因になるもの)に触れないように対策しましょう。もちろん、アレルギーの原因となるのは猫だけではありません。ハウスダストも赤ちゃんのアレルゲンとなりやすいので、部屋をマメに掃除する、空気清浄機を使うといった対策を行い、猫アレルギー以外にもしっかり備えましょう。
お腹の赤ちゃんに感染の可能性があるトキソプラズマに注意
猫から赤ちゃんに感染する病気で注意したいのは、寄生虫が原因のトキソプラズマ感染症です。トキソプラズマ感染症は、免疫で抑えられるため多くの場合はそこまで重症化することはありません。しかし、妊娠中に感染すると、胎盤を通してお腹の赤ちゃんも感染してしまう可能性があります。感染すると流産や先天性障害の原因となることがあるので、妊娠中はしっかり対策しておきましょう。
トキソプラズマ原虫は感染した猫のフンに含まれるので、猫のトイレの処理をした後や食事の支度をする前には必ず手を洗うようにしましょう。その他、サルモネラ菌や回虫なども、猫から人に感染する可能性があります。トキソプラズマと同じく、フンに菌や寄生虫が含まれるので、同様に注意しましょう。
猫が噛んだり引っかいたりしないよう注意する
猫から人にうつる感染症に、猫ひっかき病というものがあります。その名の通り、猫に噛まれたり、引っかかれたりすることで感染します。猫ひっかき病は猫自体には何の症状も現れませんが、人が感染すると傷口が腫れ、発疹や発熱といった症状が出てきます。猫ひっかき病でなくとも、ほんの少しの接触で赤ちゃんが大けがをする可能性も忘れてはなりません。びっくりした弾みで猫が攻撃を仕掛けることも、たまたま当たった爪でけがをすることも十分あり得ます。そうならないように気をつけ、もし赤ちゃんが怪我をした場合は傷口をよく洗い、すぐに消毒しましょう。
赤ちゃんと猫が一緒に暮らすための注意点
赤ちゃんと猫が同居するデメリットですが、どれも注意すれば防ぐことができます。赤ちゃんをお迎えする前に、先のことを考えてしっかり対策しておきましょう。赤ちゃんと猫が仲良く暮らすためには、事前の環境作りが重要です。
猫のトイレに赤ちゃんを近付けさせない
猫から人に感染するような病気はフンが原因となることが多いため、トイレはすぐに片付けることが重要です。気をつけたいトキソプラズマは、空気に触れて24時間以上経つことで感染能力を持ちます。猫のフンは遅くとも24時間以内には片付けるようにしましょう。
産まれたばかりの頃は自分から動けない赤ちゃんですが、生後7~8ヶ月頃にハイハイできるようになるとその活動範囲は一気に広がります。猫のトイレに近付くことがないように、ベビーサークルやベビーベッドを取り入れて対策しましょう。猫は縄張り意識が強い動物なので、赤ちゃんと猫の活動範囲はきちんと分ける方が安心です。
赤ちゃんが会う前に、猫の寄生虫やダニを駆除しておく
赤ちゃんへの病気の感染を防ぐためには、前もって猫の寄生虫やダニ、ノミを駆除しておきましょう。猫は外に出掛けたときにダニやノミを拾ってきます。完全室内飼育にすることで、ダニヤノミが付きにくくなるので検討してみましょう。猫を完全室内飼育したなら、ダニやノミの他、寄生虫やウイルスが原因の病気感染の可能性を下げることができますよ。
また、外に出したことのない猫であっても、ブリーダーのところで生まれた時点で感染していることがあります。一度、病院で寄生虫がいないかを見てもらうと安心ですよ。赤ちゃんをお迎えする前に、猫の健康状態をしっかりチェックしておきましょう。怪我の原因となる爪も、日頃からケアする習慣をつけておくと良いですね。
赤ちゃんと猫の距離感に注意
赤ちゃんと猫が寄り添って眠る動画や画像は見ているだけで幸せな気分になれますよね。ただし、自宅で同じような環境を整えるためには注意が必要です。赤ちゃんと猫が一緒にいるときには必ずパパママが付いておくようにしましょう。赤ちゃんの予想外の動きにびっくりして猫が反射的に攻撃してしまったり、じゃれあいが怪我につながったり、予想外の事故が起こる可能性があります。
赤ちゃんは力の加減が分からないので、思いっきり猫のしっぽを引っ張ったり毛を掴んだり、猫が嫌がるような行動に出るかもしれません。決して、赤ちゃんと猫だけで遊ばせないようにしましょう。また、猫の舌はザラザラしていて、舐められると痛みを感じることがあります。猫の唾液はアレルギーのきっかけにもなることもあるので、特に赤ちゃんの顔を猫が舐めないように注意しましょう。
赤ちゃんと猫が初めて顔を合わせるとき
この先、家族として友人として仲良くなる赤ちゃんと猫の最初の出会いは、できれば動画で撮っておくことをおすすめします。赤ちゃんが成長したときに、初対面のシーンを見せてあげましょう。しかし、いきなりカメラを向けてもうまく撮影できません。赤ちゃんとの対面は、猫が落ち着いてから。初めての赤ちゃんを家族として猫にしっかり紹介してあげましょう。
まとめ:赤ちゃんと猫が仲良く暮らすために
赤ちゃんと猫の同居については、トイレの片付けや部屋の掃除といった衛生状態に気をつけて清潔に保っていれば、猫から病気が感染する可能性はそこまで心配しなくても良いでしょう。特別なことをする必要もなく、猫を飼う上での一般的なルールに気をつけていれば十分です。猫の健康管理をしっかり行い、信頼関係があり、基本的なしつけができていれば、赤ちゃんと猫の同居は難しくありません。大切なのは、悪気のない猫が赤ちゃんを傷つけてしまわないように対策することです。