新生児から使えるスリングの正しい使い方。抱き方や注意点を徹底解説
目次
スリングに必要な3つのパーツ
スリングは大きく分けると2つに分けられます。リングがついているタイプのリングスリング、リング無しのスリングです。こちらで紹介するのはリングスリングになります。スリングの使い方を説明しているサイトはたくさんありますが、パーツの名前を知っていると理解がしやすいので、ご紹介しますね。
リング
リングが2つついている部分です。布をひとつにまとめている場所ですね。布をささえている大事な部分になるので信頼できる強度が大切になります。メーカーが販売しているスリングはリングの強度も考えられているので安心して使うことができます。リング部分を調整することで体型が違うパパママでも使いやすいかたちにすることができますよ。
テール
リングから垂れ下がっている布部分のことをいいます。この垂れ下がっているテール部分がおしゃれだと思われる方も多いようです。見た目がおしゃれなテールですが、日よけをしたり授乳時に目隠しに使うなど実用的に使える部分です。
ポーチ
赤ちゃんをいれる布のたるみ部分のことをいいます。ポーチに両手を入れ底を広げたときに、パパママのおへその高さくらいになるように調整しておきます。
スリングの抱き方
スリングひとつでいろいろな抱き方ができるのでとても便利ですよね。上の動画でも紹介されているいろいろな抱き方をご紹介します。
スリングの抱き方1:縦抱き
縦抱きは、スリングを使用した抱き方の中で「新生児の基本抱き」と言われており推奨されている抱き方です。小児股関節学会がすすめる新生児期の股関節脱臼の予防の考え方に基づいた抱き方です。赤ちゃんと大人は向かい合うようになり、必ず足を開脚させます。
スリングの抱き方2:横抱き
首がすわらない赤ちゃんの横抱きは勧められていません。横抱きにした場合、赤ちゃんが小さく丸くなりすぎることから窒息事故が起こった事例があるためです。横抱きで利用したい場合は、トレーニングを受けた専門の方の指導を受けることをお勧めします。
スリングの抱き方3:ゆりかご抱き
半分縦抱きになっていて、リング側に頭がくる状態になる抱き方のことをいいます。横からの景色が見えやすいため赤ちゃんも外をみることができるのがいいですね。
スリングの抱き方4:カンガルー抱き
首が座ってからの抱き方になります。赤ちゃんが正面に向いている抱き方でパパママと同じ方向を向いているかたちですね。赤ちゃんは正面に向いてスリングの中であぐらをかくようにして入っている状態です。パパママと同じ景色を見ることができるので、周りに興味が出てきた赤ちゃんにおすすめです。
スリングの注意点
スリングは正しい使い方をすることが大切です。間違えた使い方をしていると思わぬ事故につながってしまうこともあるため、購入したメーカーの説明書をよく読んで正しく使用してください。過去には、スリングの誤った使用による死亡事故も起きています。
特に、両足を揃えた状態でスリングの中に赤ちゃんを入れて抱っこすると先天性股関節脱臼してしまう危険性があるので、赤ちゃんの足はカエル足のM字にしっかりと開いて使用しましょう。先天性股関節脱臼とは、大腿骨と呼ばれている足の付け根の骨と、骨盤の位置が悪くて股関節が脱臼してしまった状態のことをいいます。スリングを使用する前は、リングに破損箇所がないか、布は破れていないかなどを常に確認するようにしてください。また、股関節に問題がある子供への使用は勧められませんので、かかりつけ医に相談してください。
国民生活センターの注意喚起(2010年3月)
日本では、1995年からの10年間でスリングに関する事故が国民生活センターの危害情報システムに64件寄せられており、2009年にスリングによる窒息死亡事故も起きたことから国民生活センターから注意喚起が行われています。
消費者に対するアドバイスは以下の5点です。
- 赤ちゃんの体の向きなどに配慮しながら使用する。特に、顔が保護者の体に密着する、顎が胸につくほど首が強く曲がるなど、気道をふさぐ状態にならないよう注意する。赤ちゃんの顔色が見えるようにする
- 子守帯に赤ちゃんの落下を防止するための調節具がある場合は、正しく調節し、固定箇所を確実に締める
- 赤ちゃんの股関節脱臼を防ぐために、歩き出す前までは両足をそろえずに、股を開いた状態で抱っこする。オムツを交換する時に、股の開き具合に注意を払う
- 首が据わるまでは背当て、頭当てがあるものを選ぶ
- (財)製品安全協会(SG)により認定された商品(SGマーク)もあるので、購入時の参考にするとよい
スリングで抱っこする時の注意点
とても便利なスリングですが、使い方によっては窒息事故も起こっているため使用する際には注意が必要です。また、スリングは股関節脱臼を招きやすいと言われますが、安全に抱っこができる新生児の基本抱きが推奨されています。スリングを使用する時は、赤ちゃんのおでこか頭のてっぺんにキスできるくらいの高い位置で、体を密着させ、顔が見えるように正しく使うようにしましょう。
スリングの注意点1:前かがみにならない
スリングを使用している時、パパママの体の前で抱っこして使いますが、なにかの拍子に両手を離して前かがみになると赤ちゃんが落ちてしまう危険性があります。なるべく前かがみにならないように注意しましょう。
スリングの注意点2:気管支の圧迫に注意
スリングを使用して抱っこをすると密着した抱っこができますが、密着しすぎることが逆に赤ちゃんを圧迫してしまうこともあります。赤ちゃんが苦しがっていないか顔を見て様子を確認しながら使うようにしましょう。
スリングの注意点3:足から下をスリングから出す
股関節脱臼を防ぐためにも、足の開脚は絶対条件です。ひざがしっかりまがってお尻より上に足が上がっているように注意してください。ひざが伸びている状態だと赤ちゃんの背骨や骨盤の成長や発達によくありません。また、ひざがお尻より下がっていると抜け落ちてしまい危険なことがあるのでしっかりと確認してください。
スリングの正しい使い方をマスターしよう
とても便利な子育てグッズになので正しく使いましょう。基本的な使い方は、メーカーで購入の場合は同封で説明書が入っていますので、必ず読んでから使用してください。動画のQRコードがついていたりもするのでよりわかりやすいかと思います。また、お店で購入の場合も使い方をレクチャーしてくれる店舗もあるので聞いてみてくださいね。
まとめ
基本的な使い方を守ればスリングは子育ての強い味方になってくれます。筆者もスリングにとても助けら子供が4歳頃まで頻繁に利用していました。子供の体重など個人差はありますが、使い方によっては3~4歳くらいまで利用することもできる便利なグッズですので、パパママと子供に合った抱っこを楽しむアイテムとしてご利用くださいね。