保育士になる2種類の方法! 資格の取り方は? 試験の内容や進路別費用を徹底解説

保育士になるにはどうすればいいの?

保育士になるにはどうすればいいの?
保育士として働くには国家資格である保育士資格が必要です。保育士資格を取得するには2つの方法があります。保育士資格をどのように取得するのかや難易度、その先の就職などについて紹介します。

保育士になる2つの方法

保育士になる2つの方法
保育士として働くために必要な保育士資格を取得するには2つの方法があります。

  • 資格を取得できる学校へ通う
  • 保育士試験を受験する

学校に通って資格取得する場合、指定の養成学校を卒業する必要があります。保育士の国家試験の受験資格にも規定があるので、それぞれの取得方法について詳しくご説明します。

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資格を取ってキャリアップを図りたいと考えている女性は多いですよね。でも、何を選んだらいいのか分からないものです。そこで、女性におすすめの資格と、気になる費用や資格取得までの流れ、そして資格を活かして働ける場所をご紹介したいと思います。

保育士になる方法①養成学校に通う

保育士になる方法①養成学校に通う
養成学校は、高等学校卒業後の進路として選ばれるだけではなく、主婦や社会人などでも通うことができます。年齢制限はなくスタイルも選べるので、自分に合った方法を探しましょう。

対象となる養成学校とは?

保育士資格は、厚生労働省が指定している大学、短大、専門学校などで取得できます。また、夜間制や通信制の学校でも取得可能な学校が増えてきています。働きながらでも取得できるので、社会人にも人気です。

指定の課程を修了すれば自動的に資格を取得できる

養成学校指定の学部、学科を卒業すると、卒業と同時に資格取得ができます。学校によっては幼稚園教諭の免許も取得が可能なところが多いのも、養成学校ならではの特徴です。また、養成学校でも通学制と通信制があります。それぞれの卒業までの年数や資格取得までの流れがご説明します。

通学制の養成学校の場合

最低でも2~3年学校に通う必要があり、授業の他にも定期試験があります。また、学校での学習だけではなく保育園や幼稚園、児童養護施設や乳児院などの施設で実習も行います。

通信制の養成学校の場合

通信制の場合は、学歴にもよりますが最低2年以上在学が必要です。自宅で学習しながら通学制同様、実習や定期試験があり、学校によってはスクーリングに参加することで単位を取得できる授業も複数あります。スクーリングは夏休み中や土日に行われることが多く、社会人でも参加しやすいです。

保育士になる方法②保育士試験を受験する

保育士になる方法②保育士試験を受験する
保育士試験に合格し、保育士登録をすることで保育士資格を取得する方法もあります。保育士試験は誰でも受験できるわけではなく、受験資格を満たしている方のみ受験可能です。受験資格はどのようなものか、また試験内容はどのようなものかをご説明します。

保育士試験の受験資格

保育士試験の受験資格は以下の通りです。

  • 大学、短大、高等専門学校を卒業している
  • 平成3年3月31日以前に高校を卒業または平成8年3月31日以前に学校教育法によるこう高校の保育科を卒業している
  • 高校または中等教育学校を卒業し、児童福祉施設にて2年以上且つ2,880時間の実務経験がある
  • 児童福祉施設にて5年以上且つ7,200時間の実務経験がある

上記のいずれか1つ満たしていれば受験可能となります。また、3と4に該当する場合は受験する都道府県知事の認定を受ける必要があるので忘れないようにしましょう。

保育士試験の受験資格は変わることもあります。最新の情報は全国保育士養成協議会のホームページにて記載されているので受験をする前に確認しましょう。

保育士試験概要と受験科目

試験は筆記試験と筆記試験合格者のみが受験できる実技試験の2種類があり、現在筆記試験は4月と10月、実技試験は6月と2月の年2回行われています。元々は各試験年1回ずつのみでしたが、2016年より年2回に変更されたので合格しやすくなりました。筆記試験、実技試験の試験内容や合格ラインをご説明します。

筆記試験の科目と合格ライン

試験科目 合格ライン
保育原理 6割以上の点数で合格
教育原理および社会的養護 同じ試験で教育原理と社会的養護それぞれ6割以上の点数で合格
児童家庭福祉 6割以上の点数で合格
社会福祉 6割以上の点数で合格
保育の心理学 6割以上の点数で合格
子どもの保健 6割以上の点数で合格
子どもの食と栄養 6割以上の点数で合格
保育実習理論 6割以上の点数で合格

筆記試験の科目と合格ラインは上記の通りです。教育原理および社会的養護は、「教育原理」と「社会的養護」の2つで1科目の試験としてカウントされるので、1科目50点満点の配点になっています。1回の試験で2科目それぞれ両方が6割以上の点数でなければ再受験となります。例えば片方が合格していても、もう片方が不合格の場合は両方再受験という仕組みなのです。

また、1回合格した科目は最低2年間は免除される制度があるので、1度の試験で全て合格しなければまた全ての科目を受験しなければいけない、というわけではないので、少しずつ筆記試験を合格していく人もいます。

実技試験の内容と合格ライン

実技試験は3科目あり科目と内容は以下の通りです。

科目 内容 求められる能力
音楽表現に関する技術 幼児に歌い聴かせる想定で課題曲2曲を弾き歌い 保育士としての歌、伴奏の技術リズム感や表現力
造形表現に関する技術 保育での場面を絵画で表現 保育の状況をイメージして造形表現ができるか
言語表現に関する技術 クラスでの3分間のお話を想定し課題の中から1話選び素話する 保育士としての声の出し方や表現力、幼児への話し方

上記の3科目から2つ選び試験を受けるという仕組みです。実技試験の場合、配点や詳しいポイントなどは公表されておらず、内容と求められる能力のみの情報となっています。しかし実技試験は筆記試験よりも合格率は低くないため、求められる能力をしっかり理解し対策をすれば比較的合格しやすい試験です。

保育士試験の合格率と難易度

試験の実施年 受験者数 合格率(合格者数)
平成26年 51,257名 19.30%(9,894名)
平成27年 57,301名 22.62%(12,962名)
平成28年 70,710名 25.78%(18,229名)
平成29年 62,555名 21.60%(13,511名)
平成30年 68,388名 19.74%(13,500名)

平成27年より地域限定保育士試験が始まったことや、平成28年より年2回の試験が始まったことで合格率が20%を超えるようになってきました。しかし、合格率20%ほどになっても合格率が高いというわけではありません。なぜここまで難易度が高いのか解説します。

保育士試験の実施状況(平成29年度)
保育士試験の実施状況(平成30年度)

教育原理および社会的養護で両方合格が必須

筆記試験では、同じ試験で教育原理および社会的養護でそれぞれ両方で合格点を取らなければ「再試験」という仕組みです。この仕組みがあるので、片方は合格していても再受験しなければならないことも。また、他の科目は全て合格しているのに、特定の科目だけ不合格ということもよくあります。

科目数が多く、範囲も広い

保育士の国家試験は、9科目と科目数が多く、範囲がとても広いです。出題範囲の指定がされていないため、試験に出る箇所を予想して勉強をすると、全く違う範囲が出ることもよくあります。また、年によっては難易度が非常に高い科目があるので、幅広く細かいところまでしっかりと勉強することが必要です。しかし勉強していくにつれて、科目ごとの繋がりが見えてくるので、つながりを意識しながら勉強すると理解しやすいです

実技試験の対策が難しい

実際に保育園での勤務経験がある場合は、仕事でお話をしたり絵をかいたり、弾き歌いをしたりと保育活動のイメージできるため実技試験での対策もしやすいです。一方、保育園の勤務経験がない場合は実務対策が難しいと感じることもあります。最近は実技試験の対策を行っている講座や、ピアノ教室でも実技試験の対策レッスンを行っている民間のサービスを使って対策をすると合格に繋がりやすいです

次のページでは保育士を目指す際の進路別の費用についてご紹介します。

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はいチーズ!クリップ編集部

はいチーズ!クリップ編集部員は子育て中のパパママばかり。子育て当事者として、不安なこと、知りたいことを当事者目線で記事にします。Instagram・LINEなどでも情報発信中ですので、ぜひフォローください!