絵本専門士って?資格取得の流れや必要条件、活躍できる場所などを紹介
絵本専門士とは? 保育士に人気なの?
最近注目されている絵本専門士の資格は、どのような資格なのでしょうか。
2014年に創設された「絵本の専門家」の資格
絵本専門士とは、絵本に関して豊富な知識を持った絵本の専門家のことです。2014年に絵本専門士の民間資格が創設され、絵本を通して保育や教育活動を有効に行うことができる人にこの資格が与えられます。
絵本専門士として求められる資質には、次の3つの領域があります。
- 絵本や子供に関する知識
- 豊かで魅力のある人間性などの感性
- 手遊びや読み語り、創作活動などの技術
絵本専門士の講座を受講することでこれらの能力を培い、絵本専門士として認定されると教育機関など様々な場所で読書を支援する活動において役立てることができます。
転職や活躍の幅が広がると保育士に人気
近年読書の大切さが見直され、特に幼児期から絵本を読んだり聞いたりすることが重要視されています。それに伴って、絵本を通して保育や教育活動を行う人のニーズが高まっており、保育士や幼児教育に携わる人などに人気の資格です。保育士免許に加えて絵本の専門家である絵本専門士の資格があると、活躍の幅が大いに広がりそうですね。
絵本専門士の資格はどこで活かすことができる?
絵本専門士の資格を取得すると、どのような場で活かすことができるのでしょうか。
保育園や幼稚園、学校、病院など活躍の幅は広い
絵本専門士の役割は幅広く、読み聞かせやおはなし会、ワークショップといった本を実際に使って行う取り組みから、絵本の専門家としての知識を活かして行う指導やアドバイスなどが挙げられます。活躍の場も保育園や幼稚園から学校、図書館、地域活動の場や医療機関などと幅広いです。
絵本専門士名簿から依頼を受けることもある
絵本専門士の資格を取得すると、絵本専門士認定者名簿に名前と居住している都道府県が載ります。絵本に関する企画を実施したい個人や団体などから、絵本専門士の派遣を依頼される可能性もありますね。
絵本専門士はどんな人に向いている資格?
絵本専門士には絵本の知識が豊富なだけでなく、様々な能力が求められます。
まず絵本を通して接する機会が多い子供に対して、子供の年齢や発達段階に適切な絵本を選択する力が必要です。またワークショップや読み聞かせ、おはなし会などを企画、実施する力や、それに伴って必要な人材を結びつけるコーディネート力やコミュニケーション能力も必要となります。講師として招かれた場合には、表現力や指導力も必要となってくるでしょう。
ただ絵本や子供についての知識があるだけでなく、かなりの積極性が求められる資格です。絵本や子供が好きで、その可能性を広めたいという熱意のある方に向いている資格と言えるでしょう。
絵本専門士を取得するまでの流れは?
絵本専門士の資格を取得するまでの流れを紹介します。
エントリーシートでの選考
絵本専門士養成講座を受講するためには、エントリーシートによる選考を通過しなければなりません。エントリーシートは、国立青少年教育振興機構のホームページから記入して送信します。例年2月上旬から3月上旬にかけてエントリーを受け付けているので、受講を考えている方はチェックしておきましょう。エントリーシートの選考結果が出るまでには、3ヶ月程度かかると言われています。
受講資格
絵本専門士養成講座には誰でもエントリーできるわけではなく、以下のいずれかの受講資格に当てはまっている必要があります。
- 子供や絵本に関連する資格を有する者
(司書や保育士、幼稚園教諭、小学校教諭の資格所有者など) - 絵本に関わる実務について、原則として3年以上の経験を有する者
(絵本や児童文学の出版、販売の実務経験がある人など) - 絵本に関わる活動に携わり、原則として3年以上の経験を有する者
(絵本の読み語り活動の経験がある人など) - 絵本学や児童文学、美術について研究実績を有する者
(大学院で児童文学の研究実績がある人など)
保育士や幼稚園教諭などの資格がある人はほぼほぼ受講資格に当てはまりますが、絵本に関する実務経験が3年以上あればエントリーすることができます。詳しくは国立青少年教育振興機構の公式ホームページを確認してみてくださいね。過去の受講者の中には、絵本カフェのオーナーも含まれていましたよ。
倍率
絵本専門士養成講座の定員は70名となっており、国立青少年教育振興機構のホームページにて選考結果が発表されます。具体的な倍率は公表されていませんが、毎度非常に多くの応募があると言われています。
本養成講座を受講する
見事エントリーシートが通過したら、本養成講座を受講します。
講座内容
本養成講座では、絵本専門士に必要とされる「知識を深める」「技能を高める」「感性を磨く」3つの領域を身に着けます。講座では絵本や子供に関する知識や、おはなし会やワークショップの運営ノウハウ、絵本の創作や編集に必要な感性などを修得します。講師には各領域の専門家や作家が招かれるので、それを目的に受講する人もいるようです。
1コマあたり90〜120分の講座を30コマ受講し、最後に修了課題を提出することで絵本専門士の資格を認定してもらえるかどうかが決まります。認定されると認定証が交付され、「絵本専門士認定者名簿」に名前が登録されます。
受講期間
養成講座は6月頃から開始されます。例年、7〜8ヶ月のうち全10日間の日程で行われます。
受講場所・日時
受講場所は東京都内のみとなっており、地方開催や通信講座の予定は今のところありません。養成講座は土曜日、日曜日に開催されるので、仕事をしながらでも受講することは可能です。
受講料
受講料は50,000円です。会場までの交通費や宿泊費は自己負担になります。
まとめ
絵本専門士の資格は保育士や幼稚園教諭だけでなく、絵本に関する実務経験があれば受講できる可能性があります。読書の重要性や絵本の力が注目されている今、絵本の専門家である絵本専門士が活躍できる場所がどんどん広がっていきそうですね。