母子家庭、父子家庭が利用できる助成金や支援制度って? 児童扶養手当などの手当や減免制度13種類!

母子家庭、父子家庭だけが利用できる手当や制度

母子家庭、父子家庭だけが利用できる手当や制度
母子家庭、父子家庭は金銭的な不安を抱えることが多いため、そういったひとり親家庭を支援するために国や自治体が助成金の給付や割引制度を設けています。国や自治体の母子家庭、父子家庭への支援制度は主に生活面・医療面・教育面の負担が少しでも減らせることを目的にしています。

こちらの記事では母子家庭、父子家庭向けの手当についての一般的な例をご紹介します。ただ、母子家庭、父子家庭向けの手当には所得制限が設けられているものがあったり、同じような支援制度でも自治体によって助成内容や適用条件が異なる場合もあります。多くの手当は自治体ごとに管理されているため、母子家庭、父子家庭の方は一度お住まいの自治体へどんな支援が受けられるのかを確認するのをおすすめします。

母子家庭、父子家庭がもらえる国や自治体からの助成金

母子家庭、父子家庭がもらえる国や自治体からの助成金
母子家庭や父子家庭は、国や自治体の支援で助成金がもらえる制度があります。制度によって、親族と同居している場合は一緒に住んでいる人の所得も助成金の審査対象になる場合があるので、手当が受け取れる条件についても事前に確認しておきましょう。

子供がいる世帯すべてが対象の児童手当

子供がいる世帯すべてが対象の児童手当
母子家庭、父子家庭に限らず、子供がいる世帯すべてが対象となる助成金が児童手当です。支給対象は日本国内に住む0歳から中学生までの児童とされており、所得制限はありますが月5,000円~15,000円が子供の年齢やパパママの年収に応じて支給されます。児童手当はパパママのうち所得の高い方に支払われます。そのため元々パパに児童手当が振り込まれている状態で離婚して子供はママが引き取ったという場合には、児童手当の振込先をパパからママへ変更するよう手続きを行わなくてはなりません

こういった手続きについては自治体では積極的にアナウンスしておらず、こちらから聞かないと教えてくれない場合もあります。忘れないように手続きを行いましょう。一般的な児童手当の詳細については別記事にて紹介していますので、具体的な対象条件や手続き方法などはこちらで確認してみてください。

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児童手当って何? いつ、いくら支給されて、何歳までもらえるの?所得制限は?

母子家庭、父子家庭向けの児童扶養手当

児童扶養手当
0歳~18歳の子供を育てている家庭で、離婚や死別などによって母子家庭、父子家庭になった場合や、婚姻せずに子供を産んだママ(いわゆるシングルマザー)が支給を受けられるのが「児童扶養手当」です。パパママのどちらかが重度の障害になった場合も児童扶養手当の支給対象となります。

支給期間は子供が18歳になった次の3月31日までです。母子家庭、父子家庭の所得によって「全額支給」、「一部支給」、「不支給」の3区分に分かれており、全額支給の場合は月額42,500円、一部支給の場合だと月額10,030円~42,490円まで10円単位で変動していきます。さらに、子供が1人増えると10,040円の加算、3人目以降は1人につき6,020円ずつ支給額が加算されていきます(所得によって金額に変動あり)

では、この「全額支給」、「一部支給」、「不支給」の区分が決まる「所得」とはいくらなのでしょうか?児童扶養手当は、親族と同居している場合、一緒に住んでいる人の所得も審査の対象になりますので、それも踏まえて見ていきましょう。

児童扶養手当の支給区分が決まる所得制限額について

扶養人数 受給資格者本人の年間所得 扶養義務者・配偶者・孤児等の養育者の年間所得
全部支給 一部支給
平成30年7月まで 平成30年8月以降
0人 19万 49万 192万 236万
1人 57万 87万 230万 274万
2人 95万 125万 268万 312万
3人 133万 163万 306万 350万

※児童扶養手当の審査対象になる所得は申請の前年度所得で計算されます
受給資格者とは、児童扶養手当を受け取る子供を養育している人、つまりパパママのことです。扶養義務者・配偶者・孤児等の養育者とは、同居している親族のことです。親族と同居している場合、一緒に住んでいる人の所得も児童扶養手当の審査対象になります。所得は、「収入から給与所得控除や必要経費を差し引いた額」で計算します。母子家庭や父子家庭の場合は、養育費の8割相当も所得に加算されます

パパママが所得制限をクリアしていても、一緒に住んでいる人が所得限度額を超えた場合、児童扶養手当を受け取ることはできません。受給資格者または扶養義務者・配偶者・孤児等の養育者がそれぞれ扶養している子供の数から見た所得限度額は上の表の通りです。

所得は源泉徴収票の給与所得控除後の金額でわかる

所得は源泉徴収票の給与所得控除後の金額でわかる
児童扶養手当の審査対象になる所得は単純な給与ではありません。給与から給与所得控除を差し引いた金額になります。給与所得控除後とは簡単に言うと、会社勤めをしていてかかる経費のことです。自営業者のように細かく経費計算ができないため、給与の一定の割合が経費として認められ、給与の支給額から引かれて税金が計算されるわけです。勤めている会社から給与を受け取っている場合は毎年源泉徴収票をもらっているはずです。上の写真の赤丸部分に記載されている金額が所得だと考えてください。

ただし、前述したとおり、養育費をもらっている場合は「給与所得控除後の金額」に養育費の8割の金額も加算して所得を計算するようにしてください。また、児童扶養手当の支給に際して計算する所得は申請する前年度の所得になります

児童扶養手当の所得計算は自治体の窓口に相談しよう

児童扶養手当の申請のための所得の計算方法は非常に複雑です。お住まいの自治体窓口で自身がどのくらい受給できるのかを確認することをおすすめします。尚、所得制限額は物価の変動などにより毎年金額が改定されるため、こちらも申請のタイミングで自治体に確認を取るようにしましょう。

児童扶養手当の支給月で扶養人数と所得限度額を計算する

支給月 審査対象となる情報
平成30年8月~平成31年7月分 平成30年1月1日時点
平成31年8月~平成32年7月分 平成31年1月1日時点

児童扶養手当は、1月1日時点で扶養している子供の数で所得限度額が決まります。児童扶養手当が支給される月によって、いつの年の1月1日が基準となるのかは上の表をご覧ください

平成30年8月~平成31年7月に支給される児童扶養手当を受け取りたい場合は、平成30年1月1日時点での扶養人数から所得額を計算します。例えば母子家庭で平成30年8月~平成31年7月までの月で児童扶養手当の支給を希望するとします。もし平成30年の1月1日時点で、子供が旦那さんの扶養に入っていた場合、扶養人数が0人の所得限度額で計算します。

児童扶養手当は毎年8月に更新される

児童扶養手当は、毎年8月に更新が行われます。手当を受け取っている人で、引き続き児童扶養手当を受給する場合は、更新の手続きをする必要があります。所得制限により児童扶養手当を受給できていなかった人は、8月の更新のタイミングで受給対象者となる条件が揃っていれば児童扶養手当がもらえるようになります

児童扶養手当は、申請した月の翌月分から支給されるため、7月に手続きをしておかないと8月分の児童扶養手当を受け取ることができません。損をしてしまうことになるので、8月分の児童扶養手当を受け取りたい場合は、7月中に児童扶養手当の更新手続きを済ませておきましょう。童扶養手当の更新手続きが遅れた場合は遡っての支払いはしてもらえません。童扶養手当の更新手続きが遅れるとどんどん損をしてしまいますので、更新ミスのないよう注意してください

児童扶養手当は2019年の11月から6回に分けて支給される

以前の児童扶養手当の支給月は4月・8月・12月の年3回でしたが、月々で収入のばらつきが大きく、支給日前までに使い切ってしまうなどの問題も多かったため、2019年11月からは児童扶養手当は年6回の支給に変更されることとなりました

児童育成手当(母子手当)

児童育成手当(母子手当)
こちらも0歳~18歳の子供を育てる母子家庭、父子家庭に対して、子供が18歳になって最初の3月31日までの期間支給される手当です。児童扶養手当と混同されがちですが、児童扶養手当が『国の制度』であることに対し児童育成手当は『自治体の制度』となっています。そのため、児童扶養手当はどの都道府県でも同じ条件で利用ができますが、児童育成手当は自治体が内容を決めるため、自治体によっては制度自体がない場合もあります。異なる名称で同様の手当を支給している自治体もあれば、同じ名称でも支給金額や該当条件が異なる場合もあるため、ぜひ一度お住まいの自治体へ確認してください

今回は東京都の例をあげてご説明しましょう。東京都では「児童育成手当」という名称で運営されており、子供1人につき月額13,500円が支給され、1人増えるごとに13,500円ずつ加算されて支給されます。こちらも所得制限があり自治体によって制限額が異なりますのでお住まいの自治体で確認してください。手続き方法も自治体により異なりますが、多くの場合戸籍謄本や口座情報、印鑑などが必要となり自治体の窓口に書類を提出するという形になります。支給日は自治体により多少ずれはあるものの、基本的には1年間に3回(6月・10月・2月、各12日まで)が支給日とされています。

配偶者と死別した場合にもらえる手当

配偶者と死別した場合にもらえる手当

母子家庭、父子家庭の遺族年金

パパママのどちらかが死亡した際に遺族が受け取れる年金のことを遺族年金といいます。遺族年金には「遺族基礎年金」、「遺族厚生年金」、「遺族共済年金」の3種類があり、加入している年金の種類(国民年金、厚生年金、共済年金)によってどの遺族年金が支給されるかが変わります。そして保険料を払ってきた期間や遺族の構成、年齢などによって受け取れる金額が異なってきます。場合によっては所得制限もありますので、ご自身がどの遺族年金に該当して、どのくらい受給できるのかはお近くの自治体に問い合わせてみましょう。

母子家庭、父子家庭が減免されたり割引されたりする制度

減免されたり割引される手当
こちらも自治体によりますが、母子家庭、父子家庭は医療費や税金などの支払いが免除されたり、減額されたりする制度が設けられている場合があります。代表的な制度をご紹介しますので、参考にしてください。

母子家庭、父子家庭向けの医療費助成制度


母子家庭、父子家庭に対しては一般的な子供の医療費を助成する「乳幼児医療費制度」とは別の助成制度が各自治体で設けられています。簡単にいうと子供の医療費助成制度を親子で受けられるといったイメージです。こちらは子供が18歳になって最初の3月31日までの間が対象期間となっています。この制度は自治体ごとに所得制限や該当条件、助成内容が設定されていますので、詳細はお住まいの自治体に確認してみましょう。

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乳幼児医療費制度はどんな制度? 何歳まで、いくら医療費が助成されるの?

母子家庭、父子家庭向けの所得税・住民税の減免

所得税・住民税の減免
これは寡婦控除と呼ばれる「国の制度」で、配偶者と離婚または死別した場合に所得制限内であれば所得税や住民税が減免される制度です。子供の有無に関わらず該当する減免制度ですが、母子家庭の場合だと「夫と死別(生死が明らかでない場合も含む)もしくは離婚した後に婚姻していない人で、生計を同じくする子供(他の人に扶養されていないこと)がおり、子供の総所得金額等が38万円以下の場合」が条件とされています。該当する場合には住民税から26万円、所得税から27万円が控除してもらえます

尚、この制度は「離婚」か「未婚」かで控除内容に差があります。最近は未婚のシングルマザーは増えてきており、国も制度を整えているようですが、離婚と未婚の不公平感の解消にはもう少しかかりそうです。

母子家庭、父子家庭向けの国民健康保険の免除

国民健康保険の免除
こちらは母子家庭、父子家庭には限りませんが、収入が大幅に減少したり病気や怪我などにより生活が困難になってしまった際、保険料の支払いが免除される場合があります。こちらの該当条件は自治体によって異なるため詳しくはお住まいの自治体に問い合わせてみてください。

母子家庭、父子家庭向けの国民年金の免除

国民年金の免除
所得が少なく国民年金の支払いが困難な場合には、条件により国民年金を免除してもらうことができます。「全額」、「3/4」、「半額」、「1/4」の4つの免除区分があり、所得に応じた区分に振り分けられます。なお、この免除期間は受給資格期間(年金を受け取るために必要な支払い期間)としてはカウントされるものの納税額は免除された分だけ減ってしまうため、将来受け取ることができる年金が減額されてしまいますのでご注意ください。

母子家庭、父子家庭向けの保育料の免除、減額

保育料の免除と減額
認可保育園の保育料は世帯所得で決定されるため、母子家庭、父子家庭になって世帯収入が減るとそれに準じて保育料は安くなっていきます。そのうえで世帯収入が360万円未満のひとり親家庭であれば、保育料は「1人目は半額」「2人目からは無料」となります。保育料はどの家庭でも大きな負担となるため減額になるとありがたいですね。

母子家庭、父子家庭向けの住宅手当

住宅手当
制度の有無や支給条件は各自治体で異なるためお住まいの自治体への確認が必要ですが、母子家庭、父子家庭の住宅費を助成してくれる場合もあります。東京都千代田区の場合だと、千代田区内の住宅に住み替える際に条件を満たした家庭(ひとり親家庭には限りません)であれば6,000円~8万円の助成が受けられます。こちらは引っ越し先との契約前に自治体に助成申請手続きを行う必要がありますが、最大8年間助成が受けられます。ママにとっては嬉しいサポートですね。

東京23区は家賃水準が高く、ひとり親家庭への大きな負担となるため、千代田区以外でも月々の住宅費が助成されたり引っ越しの際に一時金を貰えたりする制度が設けられています。自治体によってサポート内容はさまざまなので、引っ越し先の契約前に一度調べてみてください

母子家庭、父子家庭向けの交通機関の割引制度

交通機関の割引制度
児童扶養手当を受給している母子家庭、父子家庭の方(所得制限あり)にはJRの通勤定期代が3割引で購入できるなどの割引制度があります。また、公営バスが無料や割引になるといった制度もあります。このような交通機関への割引制度は各自治体やバス会社などが独自に設定しているため、制度の有無や該当条件などはお住まいの自治体で確認してみましょう。

母子家庭、父子家庭向けの粗大ごみの手数料免除

粗大ごみの手数料免除
こちらも自治体によって有無はありますが、児童扶養手当を受給している母子家庭、父子家庭の方(所得制限あり)は粗大ごみの処理手数料が免除されます。該当する場合は自治体のホームページなどに詳細が載っているため確認してみてください。

母子家庭、父子家庭向けの上下水道料金の割引

上下水道料金の割引
児童扶養手当をもらっている世帯(所得制限あり)には水道料金の割引といった制度もあります。こちらも自治体により異なりますので確認が必要です。

特定の自治体にしかない母子家庭、父子家庭向けのサービス

特定の自治体にしかない母子家庭、父子家庭向けの手当

日帰りレジャー施設や宿泊施設の割引

ひとり親の支援では、自治体によってレジャー施設や宿泊に使える割引券を支給されるところもあります。1年ごとに支給される割引券を利用して、1年に1〜3回低額で東京ディズニーランドや横浜・八景島シーパラダイスなどの日帰りレジャー施設を利用することができます。対象条件として、所得制限や子供が18歳〜20歳未満などを設けている自治体もあります。調べたところ、レジャー施設1回の利用により、一人1500円〜2500円が割引される自治体がありました。ひとり親支援の割引で宿泊施設を利用できる自治体は、新宿区、杉並区、渋谷区などがあります。対象の宿泊施設を、利用できる回数やレジャー施設、割引額は自治体によって異なるので、東京都の例を以下に記載しました。

割引利用ができる日帰りレジャー施設と自治体

施設名
(利用回数)
新宿区
(年3回)
板橋区
(年1回)
北区
(年1回)
渋谷区
(年1回)
東京ディズニーランド・東京ディズニーシー
東京ドームシティ × ×
サンリオピューロランド × ×
よみうりランド × × ×
横浜・八景島シーパラダイス ×
東京サマーランド × × ×
としまえん × ×
キッザニア東京 × × ×
東京お台場大江戸温泉物語 × × ×
国営昭和記念公園「レインボープール」 × × ×
マクセル アクアパーク品川(水族館) × × ×
北区立元気ぷらざ(プール) × × ×

ひとり親支援のレジャー施設の割引利用について、手続き方法や詳細は自治体によって異なるのでお住いの自治体に確認してくださいね。

まとめ:母子家庭、父子家庭向けのどんな制度があるのか、自治体に必ず確認してください

まとめ
母子家庭、父子家庭を支える手当は国や自治体でたくさん設けられているものの、今ひとつよくわからないのが実態です。ホームページや資料を見ても「自分は該当するのか? 」と迷う場合にはぜひ一度窓口で聞いてみてください。今回は13種類の手当を紹介しましたが、自治体独自で行っているサポートもたくさんあります。知らずに損をすることがないよう、お住まいの自治体制度を細かく調べてみてくださいね!