京都で人気の子宝神社、子授け寺はどこ? どうしてうさぎを祀る神社が子宝神社として人気なの?
京都は他の地域に比べて子宝神社が多い
千年の都といわれる京都だけあって、さまざまな神様が祀られた神社が1,700社以上あります。京都府内のコンビニはおよそ1,000店舗ですから、驚きの数ですね。当然縁結びや子宝のご利益があるという神社も数多く、そのなかにはうさぎが祀られていることが少なくありません。京都にはもともと野うさぎが多く生息し、身近な多産の動物にあやかりたいという思いがその理由のひとつと考えられます。まずはうさぎが祀られるにいたった伝説からご紹介しましょう。
うさぎを祀る子宝神社とは?
日本神話に登場するうさぎといえば「因幡の白うさぎ」が有名ですね。うさぎが神の使いとなったお話です。そして、そのうさぎによって引き合わされた夫婦神がいたことをご存じですか。
因幡の白うさぎ伝説
沖の島から因幡の浜へ渡ろうと考えた白うさぎはワニザメをだましてその背中を跳んでいき、渡りきる直前に彼らをあざ笑います。怒ったワニザメは白うさぎの皮をはいでしまいますが、そこへ兄弟とともに八神姫(ヤガミヒメ)に求婚するための旅をしていたオオナムチ(のちの大国主命(オオクニヌシノミコト))が通りかかり、介抱してくれました。白うさぎは「心やさしいあなたこそが姫と結ばれるでしょう」と予言し、その後は嘘をつくことをやめ、神の使いとして人々に尽くしたということです。
大国主命(オオクニヌシノミコト)と八神姫(ヤガミヒメ)
はたして八神姫は、白うさぎの予言の通りオオナムチ(大国主命)を選びますが、これに怒ったのがオオナムチ(大国主命)の兄弟達。さまざまな罠をしかけてオオナムチ(大国主命)を殺してしまいますが、オオナムチ(大国主命)はその度に蘇り、やがて八神姫との間に木俣神(キノマタノカミ)をもうけます。その後スサノオから太刀と弓を譲り受けたオオナムチ(大国主命)は兄弟達を退け、国造りの神・大国主命となりました。
大国主命(オオクニヌシノミコト)は三代目
「日本書紀」によると大国主命は素戔嗚命(スサノオノミコト)と奇稲田姫命(クシナダヒメノミコト)の間に産まれた神様です。大国主命だけでも五穀豊穣と医薬、夫婦和合・縁結び・子授の神であり、そのご利益が得られますが、さらに奇稲田姫命の父母神を合わせて、三代続く夫婦神を祀ることで縁結びと子宝のご利益が強く得られるとしている神社もあります。日本神話は神様が脈々と続き人の世に続く物語なので、このように幾世代もの夫婦神を祀っている神社も多いのです。
京都の子宝神社でうさぎといえば岡崎神社
近年、境内に点在するうさぎモチーフがかわいい! と注目されているのが素戔嗚命(すさのをのみこと)と奇稲田姫命(くしいなだひめのみこと)、さらにその御子神を祀る岡崎神社です。この辺りには野うさぎが多く生息したことや、平安遷都の際に都の東(卯の方角)を守るために建立されたという由来から、狛犬ならぬ「狛うさぎ」や「子授けうさぎ」「うさぎおみくじ」などご利益の得られるフォトスポットが多数あり、若い女性の人気を集めています。
住所 | 〒606-8332 京都府京都市左京区岡崎東天王町51 |
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アクセス | 市バスで「岡崎神社前」または「東天王町」より徒歩3分 |
公式HP | こちら |
地図 | こちら |
備考 | お守り:ピンクと水色の子授け守りやうさぎをかたどった子授けうさぎがあります。 ご祈祷など:希望される方は社務所へお問い合わせください。 |
京都で人気の子宝神社
京都府内に数多くある子宝のご利益を得られる寺社のなかから、とりわけ人気の高いところを8ヶ所ご紹介します。
京都の子宝神社1:梅宮大社
梅宮大社は京都の西側、桂川の近くにあり、梅の名所として知られています。祭神の木花咲耶姫命(コノハナサクヤヒメノミコト)は瓊々杵尊(ニニギノミコト)との間の御子神を炎の中で無事に出産したことから、子授けと安産の神として信仰を集めています。嵯峨天皇の皇后もこちらの「またげ石」にお参りすることでご懐妊され、いまではご祭神の一柱となりました。
住所 | 〒615-0921 京都府京都市右京区梅津フケノ川町30 |
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アクセス | 市バスで「梅宮大社前」より徒歩3分 |
公式HP | こちら |
地図 | こちら |
備考 | お守り:授子(子宝)守セットがあります。 ご祈祷など:夫婦一緒に子授けの祈祷を受けると、またげ石に案内してもらえます。 |
京都の子宝神社2:市比賣(いちひめ)神社
市比賣(いちひめ)神社は平安遷都の折、市場の守護神として建立されましたが、ご祭神の五柱がすべて女神ということで全国でも珍しい「女人厄除け」の神社として有名になりました。歴代天皇の産湯に用いられたという「天之真名井(あめのまない)」があり、絵馬をかけてこの井戸水を飲み手を合わせれば、願い事がひとつ叶うとされています。
住所 | 〒600-8119 京都府京都市下京区河原町五条下ル一筋目西入ル |
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アクセス | 市バスで「河原町正面」より徒歩1分 |
公式HP | こちら |
地図 | こちら |
備考 | 御守り:すべての女性が幸せになるように、と祈りを込めた「女人お守り」があります。 ご祈祷など:遠方の方は郵送でのご祈祷も受け付けています。 |
京都の子宝神社3:三嶋神社
全国的にも珍しいうなぎの神様が祀られているのが、東山区のマンションの一角にひっそりと鎮座する三嶋神社です。大山祇大神(オオヤマヅミノオオカミ)の使いであるうなぎには安産・子宝・子授けのご利益があるとされ、絵馬にもうなぎの絵がかかれています。源義経ゆかりの揺向石もあり、これを撫でた手でお腹をさすれば牛若丸のように元気な男児が授かるといわれています。
住所 | 〒605-0927 京都府京都市東山区東大路通東入上馬町3 |
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アクセス | 市バスで「東山七条」より徒歩9分 |
公式HP | – |
地図 | こちら |
備考 | お守り:「開運鰻登守」があります。 ご祈祷など:祈願所(瀧尾神社)で受けられます。 |
京都の子宝神社4:貴船神社
京都の東北を守護し、夏の風物詩・川床が有名な貴船神社は、すべての命の源である水の神様を祀っています。本宮・結社・奥宮それぞれに水の神様がおわし、境内の末社にも子宝のご利益が高い神様が多数祀られているので、ぜひ貴船川沿いの清涼な気に満ちた参道を散策しながら、奥宮まで足を伸ばしましょう。
住所 | 〒601-1112 京都府京都市左京区鞍馬貴船町180 |
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アクセス | 市バスで「国際会館駅」から「国際会館駅前」に乗り継ぎ、「貴船口」から「貴船口駅前」に乗り継ぎ、「貴船」より徒歩1分 |
公式HP | こちら |
地図 | こちら |
備考 | 御守り:玉依比賣(タマヨリヒメ)が川で拾った矢によって子宝に恵まれたという逸話にちなんだ「子宝守」があります。 ご祈祷など:えんむすび祈願があります。また、遠方の方は郵送でのご祈祷も受け付けてるので、電話でお問い合わせください。 |
京都の子宝神社5:敷地神社(わら天神宮)
敷地神社は安産と子授けの神・木花咲耶姫命(コノハナサクヤヒメノミコト)を祭神とし、お供え物を運ぶかごから抜け落ちたワラを妊婦が安産を願って持ち帰ったことから「わら天神宮」と呼ばれ親しまれるようになりました。今では安産御守の中にワラが入っており、そのワラに節があれば男の子、なければ女の子が産まれるといわれています。子授け祈願が叶ったら、再びお礼詣りに訪れるのが楽しみになる神社ですね。
住所 | 〒603-8375 京都府京都市北区衣笠天神森町10 |
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アクセス | 山陰本線で「円町駅」から市バス「西ノ京円町[JR円町駅]」」に乗り継ぎ、「わら天神前」より徒歩2分 |
公式HP | – |
地図 | こちら |
備考 | 御守り:紙製の子授け御守があります。 |
京都の子宝神社6:鈴虫寺
松尾山麓の美しい自然に囲まれた華厳寺は鈴虫の音が絶えないことから「鈴虫寺」と呼ばれ有名になりました。願い事をした人、一人ひとりのところへ歩いていくために草鞋をはいている「幸福地蔵菩薩」が良縁や子宝の願いも叶えてくれるとして女性の信仰を集めています。
住所 | 〒615-8294 京都府京都市西京区松室地家町31 |
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アクセス | 市バスで「松尾大社前」より徒歩12分 |
公式HP | こちら |
地図 | こちら |
備考 | 御守り:幸福地蔵菩薩の化身が包まれているという幸福御守があります。 ご祈祷など:拝観料だけで誰でも受けられる「鈴虫説法」は、ご住職が禅宗の教えに基づいて日々の心の持ち方などを楽しくお話してくださいます。休日などは大変な人気ですので、なるべく早い時間や平日にお詣りすることをおすすめします。 |
京都の子宝神社7:野宮神社
嵯峨野にある野宮神社は源氏物語の舞台として有名で、日本最古の形式である黒木鳥居と小柴垣が平安の風情を今に伝えています。子宝は境内右奥のお社におわす白福稲荷大明神にお願いしましょう。参拝の締めくくりに亀の形をした「神石(亀石)」を撫でれば、1年以内に願いが叶うといわれています。
住所 | 〒616-8393 京都府京都市右京区嵯峨野宮ノ元町1 |
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アクセス | 山陰本線「嵯峨嵐山駅」より徒歩10分 |
公式HP | こちら |
地図 | こちら |
備考 | 子宝/安産お守りがあり、郵送も受け付けています。 ご祈祷など:諸祈祷が受けられます。事前予約をおすすめします。 |
京都の子宝神社8:由岐神社
日本有数のパワースポット・鞍馬山に位置する由岐神社では、仔犬を抱いている狛犬が迎えてくれます。国の重要文化財に指定されていて、子孫繁栄・子授・安産をつかさどるとして信仰されています。樹齢800年と伝えられる御神木の大杉も願いを叶えてくれるとされ、その樹皮で造られた御守も人気です。
住所 | 〒601-1111 京都府京都市左京区鞍馬本町1073 |
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アクセス | 市バスで「出町柳駅前」から叡山電鉄本線「出町柳駅」に乗り換え「貴船口駅」より徒歩35分 |
公式HP | こちら |
地図 | こちら |
備考 | 御守り:夫婦がひとつずつ持つとよいとされる「子授御守」があります。 ご祈祷など:子授祈願が受けられます。事前に電話かメールで予約できます。 |
まとめ
京都のみどころとしては、国宝やユネスコの世界遺産に指定されている文化財が広く知られていますが、子宝にご利益のある寺社も多く鎮座されています。参拝前にはどんな神様が祀られていて、神様それぞれのストーリーによってどのようなお力があるのかを知ってから行くと、お参りがより充実したものとなるでしょう。何の神様か知らないけれど子宝のご利益があるからお参りしておこう、といった曖昧な動機ではお願いが届きにくいかもしれません。せっかく行くならご利益をしっかり受けられるように準備しておきたいですね。