添い乳は危険? 安全なやり方やメリット・デメリット、注意点を紹介!
目次
添い乳とは?
添い乳とは、赤ちゃんとママがどちらも寝た状態で授乳をすることです。出産後のママは赤ちゃんのお世話に忙しく、なかなか休む時間が取れません。添い乳はママも寝た状態で授乳ができるためママも体を休められます。
添い乳はいつからできる?
添い乳に「いつからいつまで」という期限はありません。産院によっては新生児のころからすぐに添い乳を推奨している産院もあれば、添い乳を推奨していない産院もあります。筆者も2人の子供を別々の産院で出産したのですが、上の子の産院では初めて授乳する時に添い乳を勧められ、下の子の産院では「できれば座って授乳したほうがいい」と指導されました。
新生児はまだ口も小さく上手に母乳を飲めません。ママ自身もまだ授乳に慣れていないので、まずは赤ちゃんとママの授乳が軌道に乗るのを待ちましょう。一般的には赤ちゃんの生後3ヶ月ごろには授乳が軌道に乗るケースが多いようです。
添い乳のメリットは?
出産が終わってほっと一息つくのもつかの間、産後は1日10回以上の頻回授乳に突入することが多くあります。低月齢のころの授乳は2~3時間おき、ちょこちょこ飲みタイプの赤ちゃんでは1時間おきになることもあります。ママにとっては慣れない授乳や寝不足で、負担が非常に大きくなります。そんな時に添い乳はママの負担をぐっと減らしてくれます。帝王切開で出産したママも、授乳で起き上がるのが特につらい時に楽に授乳できるでしょう。
添い乳のメリット1:夜中の授乳が楽になる
頻回授乳で特につらいのは夜中の授乳です。低月齢の赤ちゃんは夜間も数時間おき、時には1時間ほどで泣き出して授乳することも頻繁にあります。ママがその都度体を起こして授乳するのは大変ですよね。寒い冬の時期などはママも赤ちゃんも体が冷えてしまいます。添い乳なら布団の中で体を横にしながら授乳できるため、ママの体の負担を減らし寒さから守ってくれます。
添い乳のメリット2:赤ちゃんを起こさず寝かしつけできる
夜間の授乳で赤ちゃんを起こして授乳をすると、赤ちゃんの目がしっかり覚めてしまうことがあります。すると授乳後に赤ちゃんを再び寝かしつけなければならず、ママは立ち上がって赤ちゃんを抱っこすることも。添い乳は横になりながら授乳できるため、赤ちゃんがおっぱいを飲み終わったあとにそのまま寝てくれることがあります。
添い乳のメリット3:親子のスキンシップになる
授乳は赤ちゃんとママのスキンシップになります。添い乳は特に赤ちゃんとママがぴったり密着するため、赤ちゃんはママのにおいや温もりを感じて安心できる効果もあります。赤ちゃんの年齢が上がってきて授乳回数は減っても、スキンシップのために添い乳を続けているママもいるようです。
添い乳のデメリットは?
添い乳は正しく行わないと赤ちゃんが窒息する危険があり、添い乳を続けることによるデメリットも指摘されます。ママの体に負担が少なくつい添い乳をしてしまいがちですが、赤ちゃんが成長したときに困らないよう、添い乳のデメリットも知っておきましょう。
添い乳のデメリット1:添い乳が癖になる可能性がある
夜間の授乳では添い乳をすると、赤ちゃんはそのまま寝つくことが多いでしょう。「夜間に泣く→添い乳→寝付く」リズムを繰り返していると、添い乳が入眠儀式のようになり添い乳をしないと赤ちゃんが寝つけなくなる可能性があります。頻回授乳の低月齢のうちは添い乳での寝かしつけも楽と感じるかもしれません。しかし添い乳を長く続けると赤ちゃんが添い乳の心地よさを覚えてしまい、「そろそろ夜通しぐっすり寝てほしい」とママが思っても赤ちゃんの寝ぐずりが増える場合があります。
添い乳のデメリット2:離乳食後は赤ちゃんの虫歯に注意
生後5~6ヶ月にもなると歯が生え始める子もいます。母乳自体の成分で虫歯にはならないとされますが、離乳食が進んで甘い物も食べるようになったら要注意です。添い乳をしてそのまま寝せるすと、歯のケアが不十分なところに赤ちゃんの口内環境が悪くなり、虫歯の原因になります。離乳食が始まったら寝る前にしっかり歯磨きしてあげましょう。
添い乳のデメリット:ゲップができず吐き戻してしまう
腰がすわる7ヶ月ごろまでは、授乳後に赤ちゃんにゲップをさせる必要があります。添い乳で赤ちゃんがそのまま寝てしまうと、ゲップをさせるタイミングを逃してしまいます。ゲップをさせないまま赤ちゃんが寝て睡眠中に母乳やミルクを吐き戻すと、喉に詰まって窒息することもあるので注意が必要です。添い乳で寝てしまったら、赤ちゃんを横向きに寝かせる、背中にバスタオルなどを敷き赤ちゃんの上半身が高くなるよう傾斜をつけて寝かせるなどの対策をしましょう。
添い乳のやり方
添い乳のやり方を詳しく解説します。上手に添い乳するポイントは、ママのおっぱいの位置に合うように赤ちゃんの高さを調節し、バスタオルなどで赤ちゃんの体を固定することです。最初は赤ちゃんの体が小さくグニャグニャと不安定なのでママも赤ちゃんもぎこちないかもしれませんが、次第に赤ちゃんも慣れて上手になるでしょう。
添い乳の手順
- ママの首が疲れないよう、枕でママの頭を高くします。
- ママは赤ちゃんと向かい合うように寝ます。下になる腕を曲げて、赤ちゃんの頭がママの二の腕にくるように調節したり、腕にママの頭を乗せたりしてママの腕を曲げておくと、疲れたり痺れたりしにくくなります。足の間にはクッション等を挟むとリラックスできます。
- ママと赤ちゃんが向かい合せになり、互いのお腹をくっ付けるように横になります。赤ちゃんの高さが低いときは、赤ちゃんの下に畳んだバスタオルやクッションを敷くといいでしょう。
- ママの腕で赤ちゃんの背中を支え手で頭を固定します。赤ちゃんの顔だけを乳首に向かせるのではなく、赤ちゃんの体全体をお母さんの胸元に寄せます。赤ちゃんの背中にバスタオルを丸めて当てると、赤ちゃんの体が安定します。
- 赤ちゃんの口がママの乳首の正面に来るように、ママの位置を調節します。窒息を防ぐためにもおっぱいは必ず床に近い下側を飲ませます。
- ママの体の向きを入れ替え、反対側のおっぱいを飲ませます。
- 赤ちゃんが母乳を吐いたりむせたりする時は、赤ちゃんをきちんと起こしてゲップをさせます。
添い乳のやり方を紹介している動画も!
動画では33秒あたりから添い乳の説明が始まります。実際の添い乳のやり方がよくわかるので参考になりますよ。
次のページでは、添い乳の注意点や卒業方法、添い乳であると便利なグッズなどを紹介します。