赤ちゃんが喃語(なんご)を話すのはいつから? 話さない場合の対処法
目次
赤ちゃんの喃語(なんご)って?
喃語とは、生後5ヶ月頃の赤ちゃんが発する「アーアー」や「アウアウ」や「ウーウー」など二つ以上の声のことです。生まれたばかりの赤ちゃんは、言葉を話すための声道が未発達。喃語を話すことで赤ちゃんは声帯や口角、横隔膜の使い方を学び、言葉を話せるようになっていきます。
最初は決まった音のみの発音ですが、成長するにつれ「ぱ行」や「ば行」などの破裂音や濁音も発声するようになります。さらに肺から出る空気のコントロールができるようになると、喃語の発音もはっきりしてきます。
赤ちゃんの喃語とクーイングの違いは?
クーイングは、生後1〜2ヶ月頃の赤ちゃんが発する「アー」や「ウー」「エッ」などの声のことで、喃語の前に始まります。クーイングは赤ちゃんにとって喃語を話す前段階になります。この頃の赤ちゃんはママに何かを伝えたい訳ではなく、機嫌よく音を出すことを楽しんでいます。
喃語とクーイングは似ていますが、いくつかの母音がつながっているのが喃語で、唇や舌を自由に動かせないため母音だけになるのがクーイングです。クーイングと喃語の時期が重なったり、徐々に移り変わったりしていくため、はっきり区別がつかないこともありますが、喃語とクーイングはそれぞれ別の言葉として考えられています。
赤ちゃんの喃語はいつからいつまで?
赤ちゃんは生後5ヶ月頃から1歳頃まで喃語を話す
喃語は生後5〜7ヶ月から始まり1歳くらいまで続きます。生後4ヶ月頃は喃語とクーイングの見極めが難しい時期ですが、機嫌がいい時に笑い声と一緒に「アウー」など母音だけの声を出すこともあります。生後5ヶ月頃になると「バー」や「ブー」など子音を含んだ喃語に変わり、生後6ヶ月頃になると「タアタア」や「アウアウ」などの発声となって喃語だとわかるようになってきます。
乳幼児健康診査に使われる指標では、10ヶ月ごろには90%の赤ちゃんが喃語を話すとされています。なかには「なかなか喃語が出てこない…」「途中で喃語が出なくなった」「1歳頃に喃語が出てきたけど、何か成長に問題があるの?」「話す喃語の種類が少ない」などと、不安になるママもいるかと思いますが、赤ちゃんの成長には個人差があるので、あくまでも目安としてみてください。
喃語が出ない赤ちゃん、理由は?
なかなか喃語が出ない赤ちゃんには、何らかの理由があるかもしれません。ママがきちんと理由を知っておくことで、赤ちゃんの様子が分かり対処できますよね。それぞれとても大事な理由なので、知っておきましょう。
体の成長が追いついていない
赤ちゃんが喃語を話さない理由のひとつに、体の成長が追いついていない可能性があります。通常、私たちが声を発するためには咽頭部という喉の部位が必要ですが、赤ちゃんの喉や下顎を包んでいる骨格が未成熟だと咽頭部の空間が狭く、喃語を話すのが難しくなってくるのです。同様に、赤ちゃんが声門をすばやく開いたり閉じたり、唇や舌の筋肉をうまく動かせない場合も、喃語を話すことが難しくなります。
聴覚の問題
喃語は周りの声や音、自分の出した声を聞いて促されます。喃語が出ない赤ちゃんは、聴覚に問題があるかもしれません。赤ちゃんはたいてい出産した病院などで「新生児聴覚スクリーニング検査」を受けます。新生児聴覚スクリーニング検査とは、生後まもない赤ちゃんの聴覚に問題がないか機械で確認する検査のことです。新生児聴覚スクリーニングを受けることで、赤ちゃんの言語の発達を助けられるのです。検査結果が母子手帳に貼ってあると思いますので確認してみましょう。
新生児聴覚スクリーニング検査では異常がなかった場合でも、その後たとえば中耳炎などで聴力が低下してしまう場合もあります。赤ちゃんが喃語を話さないと感じる場合は、耳鼻科で検査を受けることをおすすめします。検査は寝ている赤ちゃんに音を聞かせ、内耳や脳が正常に反応するかを確認するというものです。検査を受けて問題がなければ大丈夫です。それでも気になるようであれば、小児科や地域の子育て支援センター、児童相談所(子供相談所)や保健センターの乳児検診などで相談してみましょう。
次のページでは喃語が出ない赤ちゃんへのかかわり方を紹介します