Isofix固定式チャイルドシートのメリットとデメリット、選び方、さらに安全なi-Size(R129)規格とは?
目次
Isofix固定式チャイルドシートとは?
Isofix固定式チャイルドシートの「Isofix(アイソフィックス)」とはチャイルドシートの車への固定方法の1種です。世界標準で定められた規格のため、日本だけではなく世界中でIsofix規格のチャイルドシートが販売されており、現時点では世界でもっとも一般的なチャイルドシート固定方式です。
どうしてIsofix固定式チャイルドシートが世界で普及したの?
2018年度に行われた日本自動車連盟(JAF)と警視庁によるチャイルドシートについての合同調査で、約6割の方がチャイルドシートを間違って取り付けているという結果が出ました。チャイルドシートの固定方式には、シートベルトでチャイルドシートを固定する方式があり、腰ベルトの締め付け不足が多く見られました。けれど、Isofix固定式チャイルドシートなら金具同士で固定するためしっかり取り付けることができます。
チャイルドシートの取り付け方法についての2018年の調査結果
乳児用 | 幼児用 | 合計 | |
---|---|---|---|
しっかり取付け | 99件【48.3%】 | 63件【29.0%】 | 162件【38.4%】 |
ミスユースあり | 106件【51.7%】 | 154件【71.0%】 | 260件【61.6%】 |
合 計 | 205件【100.0%】 | 217件【100.0%】 | 422件【100.0%】 |
※2018年 警視庁・日本自動車連盟【チャイルドシートの使用状況調査】より抜粋
Isofix固定式チャイルドシートが利用できる年齢
種類 | 対象年齢 | 身長 | 体重 |
---|---|---|---|
ベビーシート | 1歳頃まで | 70cm以下 | 10kg以下 |
チャイルドシート | 1歳~4歳頃まで | 100cm以下 | 9~18kg |
ジュニアシート | 4歳~10歳頃まで | 140cm以下 | 15kg~36kg |
チャイルドシートとは小さな子供が車の座席に安全に座るためのシートの総称です。チャイルドシートを細かく分けると上の表の通り、ベビーシート、チャイルドシート、ジュニアシートの3種類があります。ベビーシートは新生児~1歳くらいまで、チャイルドシートは1歳~4歳くらいまで、ジュニアシートは4歳~10歳くらいまでとそれぞれ利用できる年齢が違い、子供の年齢に合ったものを選ぶ必要があります。ベビーシート、チャイルドシート、ジュニアシートのどれでもIsofix固定式は用意されています。
ただ、チャイルドシート選びで大変なのが、ベビーシートとチャイルドシートを兼ねるモデルがあったり、チャイルドシートとジュニアシートを兼ねるモデルがあったりすることです。チャイルドシート選びの際は対象年齢をよく確認するようにしてください。
Isofix固定式チャイルドシートのメリットとデメリット
Isofix固定式チャイルドシートにはメリットとデメリットがあるのでご紹介します。
Isofix固定式チャイルドシートのメリット
Isofix固定式チャイルドシートのメリットは車体に付属しているコネクターを差し込むだけで、手間なく取り付けが完了する点が挙げられます。女性一人でも簡単に、確実に取り付けられることで取り付けミスが起きづらくなり安心です。シートベルト固定式チャイルドシートよりもチャイルドシートの座面がしっかり固定されるため、不快な揺れが無くなるのもポイントです。
Isofix固定式チャイルドシートのデメリット
デメリットは専用金具を差し込めるコネクターがついている車に限られている点ですが、2012年7月以降に販売された新車にはすべてIsofix固定式チャイルドシートを取り付けられるコネクターの装備は義務化されています。それ以前の車の多くにもコネクターは装備されているので、こちらは大きな問題にならないでしょう。
その他のデメリットで言えば、チャイルドシートの座面部分が少し大きくなるため、シートベルト固定式よりややサイズが大きくなり、価格も高めなことでしょうか。また、どのメーカーの車も助手席にはIsofix用のコネクターが設置されていないため、後部座席にしかチャイルドシートが設置できません。助手席へのチャイルドシート設置は安全上、推奨されていないため、こちらも大きな問題にはならないでしょう。
Isofix固定式チャイルドシートに対応する車種
2012年7月以降に発売の車種にはIsofix取付金具の装備が義務化されていますが、2012年7月以前に発売されていた車種でもIsofix固定式チャイルドシートに対応する車が多くあります。新車は全車種がIsofix固定式チャイルドシートに対応しているため、心配する必要はありませんが、中古車を購入する際には念のため、上記の写真のようなIsofixの金具を差し込むコネクターがあるかどうかを確認してください。Isofixの金具を差し込むコネクターは後部座席にしか設置されていませんので、助手席でチェックしないようご注意ください。
Isofix固定式チャイルドシートの装着方法
基本的にはコネクターを車側の金具(バー)に差して押し込むだけです。ここでは、アップリカのチャイルドシートを例に、装着方法を動画と共にご紹介します。
【Isofix固定式チャイルドシートの装着方法】
- まず車のIsofixバーの位置の確認をしましょう。カバーがある場合は外します。
- 次にチャイルドシートを横に寝かせ、レッグサポートをしっかり起こします。
- コネクター解除レバーを引きながらコネクターを引き出したら、左右のIsofixバーにカチッと音がするまでコネクターを押し込みます。
- シートを座席の背もたれに付くまで押し付けます。シートを前後左右に引っ張って動かないかどうか確認します。
- 最後にレッグサポートの長さを調節し、固定します。あとは子供を乗せてみて、肩ベルトの長さやリクライニングの高さを調節しましょう。
※チャイルドシートメーカーによってベルトの調整方法など、一部手順が異なります。
Isofix固定式チャイルドシートの選び方
Isofix固定式チャイルドシートはさまざまなメーカーから販売されていて、何を基準に見ればいいのかわからないパパママも多いと思います。ここではポイント別に選び方をみていきましょう。
Isofix固定式チャイルドシートの対象年齢と本体サイズ
Isofix固定式チャイルドシートは、大きく新生児~4才頃までが対象年齢のチャイルドシートと、1歳~12歳頃まで使用できるチャイルドシートに分けることができます。子供の年齢に合ったものを選んでいただくのはもちろんなのですが、選ぶ際のポイントになるのはチャイルドシート本体のサイズです。
周囲からの衝撃に弱い新生児にも対応するチャイルドシートはリクライニング機能がついていたりと、機能が豪華でその分本体のサイズも大きくなりがちです。最近の車は軽自動車でも新生児対応のチャイルドシートも取り付けできるスペースは確保されていますが、本体サイズが大きいと横幅を取り、後部座席に3名乗車すると狭くなったり、助手席のシートがあまり後ろに下げづらくなります。
そのため、賢くチャイルドシートを購入するなら、ベビーシートを中古やレンタルで用意し、1歳を過ぎたら小学生になっても使用できるチャイルドシートを購入するなどもおすすめです。
Isofix固定式チャイルドシートの安全基準
チャイルドシートを選ぶ際に一番大事なのが安全性です。現在日本で採用されているのが「ECE R44/04」と呼ばれる基準で、Eマークが目印となっています。日本で販売されているIsofix固定式チャイルドシートはどれもこの安全基準をクリアしているので、安全性については心配ありません。
Isofix規格より安全な新規格「i-Size(R129)」
パパママによっては一番安全性が高いチャイルドシートを購入したい、という方もいるでしょう。そんな方に注目されているのが「i-Size(R129)」という新しい安全基準です。i-Size(R129)は欧州を中心に普及が進んでいる、新しいチャイルドシートの安全規格で、Isofix規格よりさらに安全なチャイルドシートとなっています。
i-Size(R129)でどう安全性が向上したかというと、これまでの前後からの衝突検査だけではなく、左右のドア側からの衝撃検査も行われたものだけが承認されるなど、Isofix規格以上に安全が高まったチャイルドシートとなっています。i-Size(R129)対応のチャイルドシートも続々と発売されおり、今後はi-Size(R129)対応のチャイルドシートが主流になっていくでしょう。
Isofixの固定用コネクターの有無
チャイルドシートを取り付ける車がIsofixに対応しているかをまず確認してください。チャイルドシートメーカーのホームページなどに車種別適合表があります。また車の後部座席を見てIsofixの固定用コネクターがあるかを確認するようにしてください。
Isofix、シートベルトの両方での固定が可能か
Isofix対応のチャイルドシートにはシートベルト固定ができないものもあります。お持ちの車がIsofixに対応していない場合や、どうしても助手席にチャイルドシートを設置しなければいけないことがある方は、Isofix固定とシートベルト固定の両方が可能なチャイルドシートを選びましょう。
おすすめIsofix固定式チャイルドシート5選
Isofix固定式チャイルドシートの購入を考えているパパママにおすすめのチャイルドシート5つをご紹介します。Isofix固定とシートベルト固定の両用タイプのチャイルドシートを選びました。
アップリカ 回転式チャイルドシート クルリラAC
こちらは新生児~4歳頃まで使用可能で、名前の通り回転式のチャイルドシートです。マシュマロGキャッチというクッションで衝撃を70%カット。子供が成長した時に使えるフットステップはアップリカだけの特徴です。乗車姿勢が安定しており、子供の乗り降りも楽々できます。
サイベックス ロングユースチャイルドシート パラスSフィックス
生後9ヶ月~12歳頃まで、最大11年間使えるチャイルドシートとジュニアシート兼用タイプです。セーフティクッションがエアバックのような働きをして衝撃を吸収してくれます。新生児用チャイルドシートから乗り換える方や2人目の出産による2台目として選ばれています。
日本育児 チャイルドシート トラベルベストECFIX
1歳頃~7歳頃まで使用可能な、折り畳み可能のチャイルドシートです。持ち運びできるので旅行やカーシェアリングをする方におすすめです。小型サイズで車内が広々使えるうえ、お財布に優しい価格も嬉しいですね。
ブリタックス・レーマー チャイルドシート デュオプラス
こちらは9ヶ月頃~4歳頃まで使用可能なチャイルドシートです。ブリタックスはドイツのチャイルドシートメーカーで、高い安全性と快適性が特徴です。重量も9kgで、コンパクトなタイプです。
西松屋 マムズキャリー ターン・レジェFIX
対象年齢は新生児~4歳頃まで。手頃な価格ですが安全性も「ECE R44/04」で安心です。大きなシェードや、360度回転式など嬉しいポイントをしっかり抑えています。
まとめ
Isofix固定式チャイルドシートについてご紹介してきましたが、安全性を重視するパパママはi-Size(R129)規格のチャイルドシートも検討してみてください。
チャイルドシートは決して安い買い物ではないので慎重に選びたいですね。新品購入以外にも中古やレンタルという選択肢もありますので、子供の安全性を第一に、快適に過ごせるチャイルドシートを選んであげるようにしてください。