双子を妊娠! 妊娠中のリスクやつわり・お腹の大きさは? 仕事はいつまで? 双子ママの経験談
目次
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双子を妊娠したママが経験した妊娠中のトラブル
単胎に比べて双子の妊娠はリスクが高く、トラブルも起きがちです。インタビューさせていただいたママたちは妊娠中にどのようなトラブルに見舞われたのでしょうか。
双子妊娠のトラブル1:妊娠糖尿病のチェックに引っかかった
一卵性双子ママAさんは妊娠糖尿病のチェックに”ギリギリ”のところで引っかかったとのことです。単胎であれば「食事に気を付けてくださいね」といわれる程度だったのだとか。それが双子妊娠だったために、2週間の管理入院をすることになったそうです。その理由は「双子はお腹の中で育ちすぎると早産のリスクが高まるから」。お腹の中で赤ちゃんが順調に育つかをママは気にするでしょう。しかし、育ちすぎるとそれはそれでリスクとなるのですね。
双子妊娠のトラブル2:出産を受け入れてくれる病院探しに苦労した
二卵性双子ママBさんは出産を受け入れてくれる病院探しに苦労したとのことです。大学病院や総合病院でなければ双子の出産に対応してくれないことがあることが理由のひとつ。もちろん個人病院でも双子の出産を引き受けてくれるところもあるでしょう。しかし二卵性双子ママBさんは双子の妊娠がわかってすぐに紹介状を書いてもらい、転院したとのことでした。
双子妊娠のトラブル3:心臓に負担がかかる人も
双子の妊娠と心臓に何の関係があるのかと感じる人もいるでしょう。しかし実際に二卵性双子ママBさんは妊娠中、心臓に負担がかかってしまい心臓のまわりに水が溜まってしまったとのことです。一卵性双子ママAさんは心臓まわりのトラブルはなかったとのことでしたので、これは個人差があるのでしょう。
双子ママたちが感じた双子妊娠のリスクや負担
双子の妊娠は医療的なトラブルのほかにも、妊婦健診の回数が多かったりマタニティウエアが早々に必要になるなど、単胎妊娠に比べて負担も多いようです。経済的な負担にもつながるので、事前に準備を進めたりサポートを受けたりしたいですよね。実際に双子ママたちが感じたリスクや負担を教えてもらいました。
双子妊娠の負担1:高い確率で予定日よりも出産が早まるので前倒しで準備がいる
双子の妊娠の場合は単胎と異なり、出産予定日よりも分娩が早まる確率が高くなる傾向があります。一卵性双子ママAさんは37週、二卵性双子ママBさんは36週6日でそれぞれ予定分娩されています。正産期は37週以降とされているので、どちらのママさんも早産ではなかったということになりますね。
双子妊娠の負担2:お腹の出方が単胎より大きくなるため、着る服に困る
双子妊娠の場合は物理的にママのお腹に入っている子供の数が増えることになります。そのためかママのお腹の出方が単胎のときよりも目立ってくるとのことです。二卵性双子ママBさんは一般的なマタニティ服も着られなくなってしまった、と妊娠期を振り返って嘆いていました。
双子妊娠の負担3:入院になる可能性が高まる
前述したように一卵性双子ママAさんは妊娠糖尿病のチェックにギリギリ引っかかり、2週間の管理入院をされています。二卵性双子ママBさんも早産のリスクはなかったけれど血圧が高めだったとのことで35週(9ヶ月)で入院したとのことでした。Bさんの場合は36週6日で出産されていますので、そのまま出産ということになったのでしょう。Bさんが35週で入院したとき同室になった双子ママさんは妊娠初期から入院していたそうです。
お二人の例だけみても双子妊娠の場合、医師が「ほんの少しのリスクも取りこぼさない」姿勢で臨んでいることがうかがえます。双子妊娠の場合は医療関係者のみなさんもあらゆる事態を想定して備えているのかもしれません。
双子妊娠の負担4:胎動は2倍。痛い
妊婦となったママは赤ちゃんの胎動を愛おしく感じているでしょう。しかし双子の場合は胎動は2人分、つまり2倍になりますね。二卵性双子ママBさんの赤ちゃんたちは特にママのお腹のなかではしゃいでいたようで「バタ足かとおもうくらい痛かった…!」とのことです。
双子妊娠の負担5:妊娠線はあきらめたほうが良い
双子を妊娠したら2人分ママのお腹は大きくなりますね。そのため単胎ではできない人もいる”妊娠線”ができる確率はぐっと高まるでしょう。二卵性双子ママBさんからは「妊娠線はあきらめて…」というコメントがありました。
双子妊娠の負担6:妊婦健診の回数が多い
単胎は妊娠中期になると1ヶ月に1回の妊婦健診になりますね。しかし双子ママの場合は妊娠中期になっても2週間に1回、つまり1ヶ月に2回の健診を受けることになります。大阪府立母子保健総合医療センターでは13週から31週まで2週間ごとの健診、32週からは毎週の健診となっています。このため自治体から発行される妊婦健診で使える補助券が「まったく足りなかった!」とAさんBさんはおっしゃっていました。妊娠後期ともなると双子ママのお腹は相当に大きくなるとのことで「自宅から近い(行きやすい)病院を選んで!」とのおっしゃっていました。
双子を妊娠したら仕事はいつまで続けた?
一卵性双子ママAさんはお仕事をされていなかったとのことでした。仕事をされていた二卵性双子ママBさんは妊娠12週目(妊娠4ヶ月)までお仕事をされたとのことです。こちらも個人差や妊娠の進み具合、母体と胎児の状態によってお医者さんからの指示は異なるでしょう。あくまで妊娠初期から入院せずにすんだ双子ママの一例として受け止める必要がありますね。
双子の出産方法はどうやって決まるのか
双子を妊娠したママが気になることのひとつに双子の出産方法がありますね。国立研究開発法人・国立成育医療研究センターでは双子で経膣分娩をする場合の状況について以下のように説明しています。
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・両児ともに頭位であること
・32週以降であること
・両児とも推定体重1500g以上であること
では一卵性双子ママAさんと二卵性双子ママBさんの出産方法がどのように決定したかみていきます。
Aさん(一卵性双子妊娠)の場合
大学病院になると双子妊娠の場合の出産方法はほぼ選べない、とのことでした。ただAさんが出産された病院では自分で選ぶことができたとのこと。出産する直前まで悩んで経膣分娩に決めたそうです。Aさんの出産方法の検討に関わった4人のお医者さんのうち、3人が帝王切開を勧め、1人だけが経膣分娩を勧めたとも話していました。経膣分娩を勧めたお医者さんの理由は「双子は産後の育児の負担が大きいから、母体のダウンタイム(妊娠前の状態に戻るまでの時間)は短いほうが良い」と話されたとのことです。
お医者さんを含め出産方法を検討した結果、経膣分娩を選んだAさんでしたが「胎児の状態次第では帝王切開に切り替える」という約束がありました。Aさんが経膣分娩に臨むときAさんのための帝王切開の準備(レントゲンや血液検査など)も着々と行われていました。陣痛が5分間隔になるところまでは経膣分娩の予定でしたが胎児のうちのひとり(第2子)の心拍が上がりすぎたとのことで、分娩開始直前に帝王切開に切り替わったとのことでした。
帝王切開に切り替わったもう一つの理由に、母体の体力が不安視されたことがあります。双子を経膣分娩で出産する場合、第1子、第2子それぞれで陣痛を経験しなければならないのです。陣痛があって第1子、第2子と続けて出産できるわけではないのですね。どのくらい続くかわからない陣痛を1回の出産で2回連続で経験しなければならない、となると双子の経膣分娩が母体と赤ちゃんにとってどれだけハードルが高いか、よくわかります。
Bさん(二卵性双子妊娠)の場合
二卵性双子ママBさんは出産のために入院する直前の34週(9ヶ月)の妊婦健診で胎児のうちの1人が横向きになっていたため、経膣分娩は難しいとお医者さんが判断したとのことでした。ただBさん本人はリスクをできるだけ減らしておきたいという希望があったため、胎児の状態に関わらず家族で相談のうえ、帝王切開での出産に決めていたとのことです。
双子を出産したママと赤ちゃんたちの産後の経過例
国立研究開発法人・国立成育医療研究センターでは単胎・双胎に関わらず帝王切開後の入院日数を7日間としています。一卵性双子ママAさんは産後の入院日数は7日間でした。一方で二卵性双子ママBさんは母体の貧血がひどかったとのことで10日間の入院となりました。
赤ちゃんたちと一緒に退院できるのか
今回インタビューさせていただいた双子ママの場合はどちらも赤ちゃんたちと一緒に退院できました。母体の貧血で入院が延びた二卵性双子ママBさんも、10日間の入院後赤ちゃんたちと一緒に退院できたそうです。良かったですね。
まとめ
一卵性双子ママAさんと二卵性双子ママBさんに、双子の妊娠期について詳しくお話を伺うことができました。たった2例だけではありますが、双子の妊娠についての情報が詰まったインタビューとなったのではないでしょうか。双子を妊娠中のママさんは今回の記事を参考に、妊娠期のリスクのとらえ方や妊娠の進み方、注意したほうがいいことなどを頭に入れておいてくださいね。すべてのママが無事に元気な赤ちゃんを出産されますように祈っています。