吃音は何%の子供に発生する? いつから始まる? 自然に治るの? 吃音の治し方や相談先、治療方法を知りたい!
吃音(きつおん)とは?
滑らかに言葉が出てこない、しゃべる言葉が詰まったり、支えてしまう状態のことを吃音といいます。
例えば、「いちご」と言う言葉を話したいとき、
- 「いいいいいちご」と、語音・音節を繰り返してしまう
- 「いーちご」と言葉を引き伸ばす
- 「……いちご」と言葉が滑らかに出てこない(ブロック)
この3つが吃音の代表的な症状といわれています。
子供の吃音はいつから始まる?
子供の吃音は、2〜5歳の言葉を覚えて、活発に喋りだしたときに起こりやすいといわれてます。これといった原因もなく、突発的に言葉をどもったり、つっかえ始めることを発達性吃音といいます。
吃音の約9割が発達性吃音にあたり、発症率は8%といわれているので、1クラスに1人はいるぐらいの決して珍しい症状ではありません。国・言語による違いはみられず、年齢や調査によって変動しますが、男性に多いのが特徴的です。発達性吃音になぜなるのかは、医学的にも明確にわかっていません。
子供の吃音の原因
子供に吃音の症状がみられると、育て方が原因なのかと思い悩み、自分を責めてしまうパパママもいるようです。しかし、これは単なる俗説です。吃音は親が気がつかないうちに始まる症状です。ただし、発達性吃音になりやすい3つの体質があります。
- 吃音になりやすい体質的なもの(遺伝子要因)
- 成長過程における身体・認知・言語・情緒が著しく発達す影響
- 生活環境や人間関係など
この中でも、体質的な要因が8割を占めているとの報告もあります。
子供の吃音は治るの?
子供に吃音の症状がみられると、治るのか不安になるパパママが多いでしょう。子供の吃音には波があり、スムーズにお話ができるときもあれば、言葉が詰まったり、つっかえたりする吃音の症状が顕著に出るときもあります。この波は月単位でくるともいわれており、治ったのかな? と見過ごすケースもあるので気をつけてください。吃音の症状は、約7〜8割が自然に消えていきます。しかし、症状が残る場合もあるので注意が必要です。
子供の吃音 治療は必要? どこに相談すればいい?
吃音は自然治癒するといっても、8歳以降になると治癒しにくくなるとも言われており、できれば早めに治療をすることが好ましいでしょう。言葉を覚え始めた子供のお話は、吃音なのか、発達段階なのか判断しにくい部分もあります。会話の中で、違和感を感じたり、釈然としないものを感じる、5歳になっても吃音の症状が治らない場合は、言語聴覚士や保健師、小児科医などに相談してください。
子供の吃音にパパママはどう対応したらいい?
吃音の症状がある子供を強めに注意したり、強制的に言葉を言い直させるのはNGです。子供が萎縮してしまい話すことを苦手としてしまう可能性もあります。まずは、話しやすい環境を整えてあげることがポイント。言葉が詰まっても、どもっても何を言いたいのか、最後まで聞いてあげましょう。子供が話している途中で、パパママは言葉をかけないように注意してください。パパママが話しかけるときは、「ゆっくり」「ゆったり」としたスピードでお話ししてあげましょう。
吃音の診療のガイドラインが策定される
日本には吃音の専門家も少なく、治療が難しいのも現実です。しかし現在、国立障害リハビリセンターが、吃音診療のガイドラインを作成しています。自然治癒もありうるが、治療はいつごろから始めたらいいのか? どの治療法がいいのか? 治療の期間はどのくらいなのか? という点がまとめられています。
治療法についても、オーストラリアで開発された「リッカプログラム」という、吃音のある子供がうまく話せたら「褒める」というフィードバックをしながら治療していく方法と、「DCM」(要求能力モデル)という吃音の発症モデルに基づき、急激な発達でおこる言語要求を減らし、流暢性を促すという治療法です。この二大治療法は、国内外で吃音症状のある子供7割以上に効果があり、試してみる価値のある治療だといわれています。
吃音はまわりの理解が一つの治療
吃音は、珍しい症状ではありません。しかし、解明されておらず根本的な治療が難しいのが現状です。吃音の症状に悩むパパママも少なくありません。不安や悩みを解消する一つに、吃音のある子供たちへの、周囲の理解も治療のひとつです。保護者や、吃音がある子供もない子供も、そして、学校の先生にも理解を深めてもらうことが大切です。
この動画には、吃音の症状・吃音のある子どもが困ること・先生ができるケアなどが15分程度の動画になっています。吃音に対する理解を深めるためにもチェックしてみるといいでしょう。