妊娠初期の風邪やインフルエンザ…薬は飲める? 胎児への影響を知りたい!

妊娠初期に風邪薬は飲める?

妊娠中はホルモンバランスの変調や、生活習慣の変化がストレスとなって、免疫機能が低下しがちです。免疫機能が低下すると風邪などの病気にかかりやすく、重症化しやすくなります。体調不良を感じたら、ひどくなる前に市販薬を飲んで対処したいですが、妊娠初期に市販の風邪薬は飲めるのか不安になりますよね。
基本的に市販の薬は、処方薬と比べて薬効成分の含有量に制限などがあり、効き目が緩やかなので、お腹の赤ちゃんの成長を妨げる可能性は低いと言われます。しかし、解熱鎮痛剤・抗ヒスタミン薬・咳止め薬・うがい薬などのなかには、長期間服用すると赤ちゃんに影響を及ぼす恐れのある成分が入っていることがあります。「いつも飲んでいる薬だから」と安易に考えず、必ず薬剤師や産婦人科医に相談してから服用するようにしましょう。
また、妊娠初期には風邪と似たような症状が出ることがあります。妊娠の可能性がある場合は、安易に薬を飲まずに病院や薬局で相談しましょう。

風邪と間違えやすい妊娠初期の症状

  • 熱っぽい…妊娠すると14週頃まで高温期が続くため、熱っぽさを感じる人もいます。ホルモンバランスの変化によって新陳代謝が活発になり、ほてりや発汗を感じることがあります。
  • 喉の痛み…血液量の増加が一因とみられる喉の違和感や喉のイガイガ、痛みを感じる人もいます。
  • 鼻水…ホルモンバランスの変化からくる、自律神経の乱れが原因だと考えられます。
  • 疲労感…つわりの症状として疲れやすくなり、眠気・だるさを感じる人もいます。

お腹の赤ちゃんに薬は影響するの?

ママが飲んだ薬の成分は、胎盤を通じてお腹の赤ちゃんの血液中に入ることがあります。そして、赤ちゃんが尿として排泄をしたものは羊水となり、再び赤ちゃんに取り込まれることがわかっています。赤ちゃんのどんな部分に薬の影響が出やすいかは、赤ちゃんの成長の時期(妊娠週数)によって異なります。

妊娠週数 薬の影響
妊娠0~3週頃まで 排卵前であり、受精後も胎盤が形成されていないので、薬の影響はほとんど受けません。
妊娠4~7週頃まで 妊娠に気付かない人も多い時期ですが、神経・心臓・消化器官・手足などの重要な器官が作られる大切な時期です。薬の影響を受ければ奇形を起こす可能性があります。
妊娠8~15週頃まで 赤ちゃんによっては、重要な器官が作られる時期がずれることもあるので、薬の服用にはまだまだ注意が必要です。性の分化や口蓋の形成もこの頃です。
妊娠16週~出産まで 赤ちゃんの体がほぼ形作られ、奇形の心配はほとんどありません。鎮静剤など一部の薬が血管を収縮させることで血流が悪くなり、赤ちゃんの発育不良や体重減少、難産などの危険性を高める恐れがあります。

妊娠・授乳とくすり(くすりの適正使用協議会)

妊娠に気付く前に薬を服用してしまったら?

妊娠検査薬や産婦人科の診察で妊娠していることを知ったら、生理予定日の前後から妊娠が確認されるまでの薬の服用について振り返ってみましょう。一般的なビタミン剤やサプリメントはほとんど問題ありませんが、ビタミンA(レチノール)は妊娠中に過剰摂取すると赤ちゃんに先天性異常が起こる可能性が高まるというデータがあります。市販の薬や鎮痛剤、胃薬など、それぞれ症状が表れている数日間しか飲まない薬は、飲んで1日もすれば体内からは消えるので、妊娠4週ごろまでに服用を中止すればお腹の赤ちゃんにはほとんど影響ありません。
また、仮に妊娠4週ごろまでに受精卵が薬の影響を受けた場合、その後の経過は化学流産となるか健康に成長するかのいずれかだと考えられています。エコーで胎囊が確認できるほどに赤ちゃんが成長していれば、薬の影響はなかったと安心していいでしょう。妊娠初期の薬の服用が心配なときには、薬剤師や産婦人科医に相談します。また、「妊娠と薬情報センター」では全国の拠点病院に設置された「妊娠と薬外来」での外来相談や電話相談などを郵送で受けつけているので、不安な場合には相談してみても。

妊娠と薬情報センター

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はいチーズ!クリップ編集部

はいチーズ!クリップ編集部員は子育て中のパパママばかり。子育て当事者として、不安なこと、知りたいことを当事者目線で記事にします。Instagram・LINEなどでも情報発信中ですので、ぜひフォローください!