子供はなぜ嘘をつくの? いつから嘘をつきはじめる? 嘘をついたらどう対処すればいい?
子供がつくウソはしかるべき?
子供がつくウソはしかるべきなのか、パパママにとって一度は悩む問題ですね。子供がウソをついたとき、「どうして、ウソをつくの」、「ごめんなさいと謝りなさい」とついつい叱ってしまい、後悔した経験もあるのではないでしょうか。ただ、ウソをついたことを一方的にしかることは、子供にとって何も良いことはありません。
子供がウソをついたとき、パパママはショックですが、冷静になり、落ち着いて子供の話を聞いてあげることが大切です。では、子供はいつから、なぜ、ウソをつくのか? ウソにはどう対処すれば良いのでしょうか?
子供は何歳からウソをつきはじめるの?
子供はいつからウソをつきはじめるのでしょうか? だいたい3歳ごろから子供はウソをつきはじめると言われています。子供は3歳ごろになると話す言葉が増え、ごっこ遊びもできるようになってきます。兄弟がいる子供は、他の子供よりも早くから話せるようになるのでウソをつきはじめるのも早いかもしれませんね。
言葉が話せるようになると子供がウソをついていることはわかりやすいですが、赤ちゃんの場合はどうでしょうか? 赤ちゃんの泣き方には、「本気泣き」と「うそ泣き」がありますが、赤ちゃんのうそ泣きはウソではないのでしょうか?
うそ泣きも嘘の一種 生後6ヶ月~1歳ごろにはじまります
赤ちゃんは「オムツが気持ち悪い」、「お腹が空いた」、「眠くて抱っこして欲しい」ときなど、泣くことで周囲に欲求を伝えます。泣く理由はさまざまですが、時には赤ちゃんもうそ泣きをすることがあります。うそ泣きも嘘の一種で、うそ泣きが始まるのは、生後6ヶ月~1歳ごろからと言われています。赤ちゃんがうそ泣きをする理由は「パパママにかまってほしい」や「近くにパパママがいないので泣いてパパママを呼ぶため」などです。
では、「うそ泣き」と「本気泣き」はどう違うのでしょうか? 初めての育児ではその違いがなかなか区別できませんが、慣れてくるとだんだん分かるようになってきます。赤ちゃんが「本気で泣く」と涙が止まらないし、大声で泣き続けます。うそ泣きは、涙が出ていなかったり、すぐに泣き止んだり、パパママをチラチラ見ながら泣いたりします。生後6ヶ月を過ぎると知能が発達してくるので、泣き方や表情のわずかな違いにも注目してみると良いですね。
語彙が増え、話せるようになった3歳頃からウソが増えます
生後6ヶ月からうそ泣きが始まり、だんだんと語彙(ごい)が増え、話せるようになった3歳頃からウソが増えてきます。ウソをつきはじめるのは成長している証拠です。ただの空想なら気にする必要はありません。大好きなパパママに叱られないように子供はウソをついてしまうものです。時には、かまって欲しかったり、何か隠したいことがあったりしてウソをつく子供もいます。
ウソをつくには説得力のある物語を作らないといけないので高い能力が必要です。パパママにとってウソは悲しいかもしれませんが、子供が成長している証拠と受け止めてあげましょう。また、赤ちゃんの場合は、うそ泣きだからと放っておかないで、抱っこしたりおんぶしたりして声をかけてあげると落ち着きます。
小学校に上がる頃には自然とウソが減ってきます
子供は何か都合が悪いことを隠したい時にウソをつくこともあります。パパママは子供がウソをつくと不安になりますよね。例えば、筆者の次男は、お茶やジュースをこぼしてしまった時、「ぼくはやってない、お兄ちゃんがやった!」と主張します。隣で長男が「ぼくはやってない、弟だ!」と泣きながら訴えかけてきます。
どちらかがウソということになりますが、まずは1人ずつ話を聞き、何があったのか状況を確認します。お茶やジュースをこぼすことは誰にでもあることなので、こぼしたら「タオルで拭いたらいいのよ」と伝え、「正直に伝えてくれるとパパママは嬉しいなあ」ということも伝えています。6歳になると巧みなウソをつくこともありますが、状況に応じた対処方法も身についてくるので、自然と「何かを隠すためのウソ」が減ってくるように感じます。
しかし、パパママが子供のウソに気づかないふりをして見過ごしていると、ウソをついて隠すことが習慣化してしまう場合があります。子供のウソに直面したときは、そのウソの背景には子供のどんな気持ちがあるのかを考え、正しい対処の方法を教えてあげるよう心掛けてみてください。
子供のウソに対処するコツ
子供は大好きなパパママを喜ばせたり、満足させたいという想いからついウソをついてしまうことがあります。そんなときは、一方的に強く叱りつけるのではなく、子供の空想の世界に共感してあげたり、一緒に楽しんであげたりすることも大切です。
また、低年齢の子供であれば、ウソをつくことで人から信頼を失ったり、人を傷つけたりすることを理解していません。子供は、ウソをつくと叱られる、と表面上のことは理解していますが、大人が子供たちにウソをつくのがなぜダメなのか、をどう教えていくかが重要になってきます。大人は、子供がウソをついたときにどう対処すればいいのか、2つのポイントをご紹介します。
1、ウソを叱ったり、罰を与えたりして子供を怖がらせない
子供がウソをついたときに絶対にやってはいけないことは、きつく叱ったり、罰を与えたりして子供を怖がらせることです。叱ったり、罰を与えたりしても子供のウソは減りません。「叱られること」や「罰」に対して恐怖感を持ってしまうため、さらにウソを重ねてしまうこともあります。
しかも、恐怖感が強い子供の方が、恐怖感が弱い子供よりウソを突き通す傾向があるそうです。また、罰を強くしても子供のウソをつく頻度は減らず、むしろウソを突き通そうとする姿勢を強めるだけなのです。
2、正直に話すことの価値をわかってもらう
海外の童話で「ジョージ・ワシントンと桜の木」というお話があるのをご存知でしょうか? 新品の斧を購入したワシントンが、新品の斧を使いたくて、お父さんが大切にしていた桜の木を切ってしまったのですが、ワシントンは、木を切ってしまったことを正直にお父さんに伝えました。お父さんは、正直に話してくれたことが桜の木よりも価値があると喜んでくれました。このお話を子供に聞かせた調査では、少年は75%、少女は50%ウソが減少したそうです。
つまり、正直に話すことの価値が分かれば子供はウソをつかなくなるということでしょう。ウソをついた子供に対する言葉がけのポイントは、2つあります。1つ目は、子供が正直に話したときにパパママや周りの人が喜ぶこと、2つ目は、ウソをつかないで真実を伝えてほしいと事前に約束をすることです。子供が正直に話すことの価値を理解すればウソはだんだん減っていくでしょう。
まとめ:子供が正直に話せる雰囲気を作ってあげましょう
子供がウソをつきはじめるのは、早い子供で生後6ヶ月~1歳ごろからです。赤ちゃんのうそ泣きも嘘の一種。パパママは、赤ちゃんのうそ泣きを見抜く力を養っておくと良いですね。そうすれば、赤ちゃんがうそ泣きをしても余裕を持って接することができます。また、3歳頃から話し始めると少しずつウソをつきはじめます。時には、共感してあげることも必要です。
そして、ウソはいけないことだからと強く叱りつけたり、罰を与えたりすることは絶対にしてはいけません。子供が正直に話せる雰囲気作りをしてあげるのもパパママの役目です。子供は、パパママが大好きです。だから、パパママに正直に話すことで喜んでくれると分かれば、きっと成長とともにウソをつくことが減っていくでしょう。パパママは、今だけと思って子供のウソに付き合ってあげると良いですね。