幼児食はいつから? 食べられない食材は? 楽しい食事のポイントは?
目次
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幼児食とは? いつから?
幼児食とは、離乳食を卒業した1歳半~6歳ごろの子供に与える食事のことです。離乳食は初期~完了期の4つのステップで進めていき、離乳完了期が終わる1歳半ごろに幼児食へと進めていきます。幼児食になったからといって、急に食事の内容が変わるわけではなく、徐々に大人と同じような食事をとれるようにしていきます。
離乳食を卒業して幼児食を始める目安は?
幼児食を始める目安となる子供の様子をまとめました。
1日3回の食事リズムに慣れている
離乳完了期で1日3回の食事に慣れていることが、幼児食に進められる1つの目安です。食事量が少ない子供は、3回の食事以外におやつで足りない分を補います。幼児食は1日3回の食事とおやつで栄養を補うことが大切です。
食べ物をすりつぶすような噛み方ができている
奥歯が十分に発達していれば、食べ物を歯ですりつぶして食べることができるようになります。幼児食では、食材の大きさや固さも少しずつ大人に近づけていくため、食べ物をしっかり噛んで食べることができているかも重要です。食事から栄養を十分にとることができるという目安にもなります。
自分で食べようとする行動ができている
子供が誰かに食べさせられることを嫌がり、自分で食べようとする行動が見られたら、幼児食を始める合図。自分で食べたい!という行動は子供が成長している証拠です。幼児食を通して、スプーンやフォーク、箸を使い自分で上手に食事ができるように練習していきます。
コップを使い水分補給ができる
手と口の協応動作(2つの動作を同時に行うこと)が整うと、水分をコップから飲めるようになります。協応動作ができると、しだいに子供はスプーンなどを使って、自分で食事をとることができるようになります。コップを使ってお茶などが飲めることも幼児食に進める1つの目安です。
幼児食で子供が食べる量は?
幼児食では、どれくらいの量を与えればいいのでしょうか。年齢別にまとめました。
【年齢別】1日の必要エネルギー量目安
1~2歳 | 3~5歳 | |
---|---|---|
1日の推定エネルギー必要量 | 900~950kcal | 1250~1300kcal |
年齢別に子供の1日の必要エネルギー量目安を表にまとめました。子供の食事量には個人差があるので、もし食べる量が少なくても問題なく成長しているようであればあまり気にしすぎる必要はありません。逆に子供がたくさん食べたがるときは、満足するまで食べさせてあげていいでしょう。幼児期では満腹中枢が未発達なので、食べすぎが気になる場合は、おかわりする量を目で見せてあげたり、「たくさん食べたね」と声をかけてあげたりすることも1つの方法です。
【年齢別】1日の食品量の目安
食品の区分 | 1~2歳 | 3~5歳 |
---|---|---|
穀類 | 270g 例)ごはん(80g)+食パン(8枚切り1枚)+うどん(1/2玉) |
280g 例)ごはん(100g)+食パン(6枚切り1枚)+うどん(2/3玉) |
いも類 | 40g 例)じゃがいも(小1/2個)、さつまいも(小1/5個) |
60g 例)じゃがいも(小2/3個) |
牛乳・乳製品 | 250g 例)牛乳(コップ1杯)+ヨーグルト(小1/2個) |
250g 例)牛乳(コップ1杯)+ヨーグルト(小1/2個) |
卵類 | 25~30g 例)鶏卵(大1/2個) |
50g 例)鶏卵(中1個) |
肉類 | 15~20g 例)ひき肉(大さじ1)、薄切り肉(2/3枚) |
30~35g 例)ひき肉(大さじ2)、薄切り肉(1+1/3枚) |
魚類 | 30g 例)切り身(1/3切れ) |
40g 例)切り身(大2/3切れ) |
大豆・豆製品 | 35~40g 例)豆腐(1/10)、納豆(小1パック) |
40~50g 例)豆腐(1/6)、納豆(小1パック) |
野菜類 | 180g 例)淡色野菜(100g)+緑黄色野菜(80g) |
230g 例)淡色野菜(130g)+緑黄色野菜(100g) |
海藻・きのこ類 | 10g 例)しいたけ(1枚) |
10g 例)しいたけ(1枚) |
果物類 | 100g 例)りんご(1/3個)、バナナ(1本) |
100g 例)りんご(1/2個)、バナナ(1+1/2本) |
油脂類 | 5~8g 例)バター(小さじ1)、サラダ油(小さじ1) |
5~8g 例)バター(小さじ1)、サラダ油(小さじ1) |
上の表では1~2歳、3~5歳の1日の食品料目安を表でまとめています。あくまで目安量なので、この量をきっちり守らなければいけないわけではありません。栄養のありそうな食材をたくさん食べさせなきゃ…と焦ってしまうパパママもいるでしょうか。年齢別にこの食材は1日にこの量食べていれば大丈夫なんだ、という目安としてくださいね。
幼児食でおやつは必要? 何をどれくらいあげればいい?
胃や腸が未発達な子供にとって、おやつは3食の食事でとりきれなかった必要なエネルギーを補う大切な「第4の食事」です。食事との間隔は2~3時間空けるようにしましょう。年齢によって必要な回数と量の目安は下記の通りです。
1~2歳 | 3~5歳 | |
---|---|---|
回数と時間の目安 | 1日1~2回(15時ごろ・または午前と午後) | 1日1回(15時ごろ) |
カロリー量目安 | 100~150kcal | 150~250kcal |
幼児食のころの子供は、活動的になり離乳食期に比べて必要なエネルギー量がだんだん増えてきます。おやつはエネルギー源となる炭水化物を中心に選び、3食の食事で不足しがちな栄養素(野菜、果物、乳製品など)と上手く組み合わせることがポイントです。チョコレートやスナック菓子より、おにぎりやバナナなど、栄養が摂れるものを選ぶようにしましょう。
幼児食で食べられない食材、避けた方がいい食材は?
幼児食で与えない方がいい食材にはどんなものがあるのでしょうか。
食べられない食材
生もの
生ものは3歳以降を目安に与えましょう。肉の刺身は細菌による食中毒の危険性があるため、大人になってから食べることをおすすめします。
例)生卵・生の魚介類・肉の刺身など
刺激が強いもの
辛いものや苦いものなど、子供にとって強い刺激になるものは避けましょう。幼児期が終わっても注意が必要です。
例)キムチ・ワサビ・からし・コーヒー・紅茶など
銀杏
銀杏は食べ過ぎると嘔吐・けいれんなどを引き起こす可能性があります。子供は数個しか食べなくても食中毒になることがあるので注意が必要です。
避けた方がいい食材
噛みちぎりにくい、喉につるんと入る食べ物
子供が噛みちぎりにくく、喉につるんと入るような食べ物は、窒息の危険があるので避けた方が安心です。3歳以降を目安に、小さく切って大人が見守る中で少しずつ食べるようにしましょう。
例)団子・餅・こんにゃくなど
大人用に味付けられた加工食品
大人用に味付けされた食品は、子供には味が濃すぎます。食べさせる場合は湯通したり、少量だけ使うようにしましょう。
例)たらこ・ちくわ・かまぼこ・味付けられた冷凍食品・インスタント食品など
幼児食のポイントは?
幼児食を作る際にはどのようなことに気を付ければいいのでしょうか。ポイントをまとめました。
幼児食のポイント:栄養バランスに気を付ける
食事やおやつから、必要な栄養を摂取できるように意識しましょう。主食や主菜だけではなく、副菜などを加えて栄養バランスを整えます。またビタミンを十分に補給できるよう、果物なども活用しましょう。
幼児食のポイント:味付けは薄味が基本
子供の味覚は大人より鋭いため、大人にとっては薄くても子供には十分です。味の濃さは、大人の食事の1/3~1/2程度になるよう心がけましょう。
幼児食のポイント:食材の固さ・大きさは年齢に合わせる
幼児は咀嚼や消化の機能が未熟です。年齢によって噛む力の強さも異なるので、年齢に合わせて調理法を工夫しましょう。1~2歳ごろまでは、弾力性の強いもの、口の中でまとまりにくいものなど、食べにくいものは避けるようにしましょう。
かたさ | 大きさ・形 | |
---|---|---|
1歳 | 前歯で噛み切れ、奥歯でつぶせる煮物程度のかたさ | 手づかみしやすい形。3~5mm程度の厚さ |
2歳 | しんなりした炒め物程度のかたさ。噛みごたえのあるものを入れるといい | スプーン・フォークで食べられる一口大サイズ |
3歳 | 大人が食べるものより若干やわらかめ | 千切り・乱切りなどいろいろな形や大きさ |
次のページでは、子供が食事を楽しめる工夫についてご紹介します。