【医師監修】妊娠検査薬の陽性、陰性判定の仕組みは? 陰性なのに生理が来ないのは? 病院受診の目安も解説
目次
監修者紹介
妊娠検査薬はいつから使えるの?
生理が本来の生理予定日よりも遅れていて、妊娠の可能性がある場合、市販の妊娠診断補助試薬(以下、一般的な呼び方の妊娠検査薬とする)を使えば自宅でも簡単に妊娠しているかどうかを調べることができます。妊娠検査薬は、生理予定日の1週間後が使用する目安です。
妊娠検査薬はドラッグストアなどで販売されていますが、対面での購入が恥ずかしいときはネットショップで買うこともできます。
妊娠検査薬はどういった仕組みで妊娠がわかるのか、なぜ生理予定日の1週間後から検査が可能なのか、詳しく見てみましょう。
妊娠検査薬の陽性、陰性はhCGというホルモンで判定する
hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)は受精卵が子宮内膜に着床して胎盤が形成されはじめるとすぐに分泌されるホルモンです。卵巣からエストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンを作るよううながして、次の排卵を止めて妊娠の維持に重要な働きをします。
妊娠検査薬は尿の中に含まれるhCGを検出し、発色反応で知らせてくれるものです。
妊娠検査薬に尿をかけ、尿中にhCGが存在すれば判定窓に色つきのラインが出て「陽性=妊娠」、hCGが存在しなければラインが出ず白いままで「陰性=妊娠していない」という判定結果です。
妊娠検査薬とhCGの濃度の関係
hCGは受精卵が着床して胎盤が形成され始めるとすぐに分泌され、生理予定日頃から尿中に排出され始めますが、通常の妊娠検査薬で検出できるくらいの濃度になってくるのが、生理予定日の1週間後あたりです。
生理周期が28日の人は、前回の生理開始日から35日後に検査をすると良いでしょう。生理周期が不順で、目安となる前回・前々回の生理開始日がわからない場合には、性交日の3週間後が妊娠検査薬を使用する目安です。
不妊治療中に妊娠検査薬は使えるの?
妊娠検査薬は市販の風邪薬、ビタミン剤などの影響は受けません。
しかし、不妊や無月経などの治療のために、hCGを含んだ性腺刺激ホルモン剤などを投与されている場合は影響を受けることがあります。
不妊治療中の人は、薬の種別や妊娠検査薬の使用について主治医に相談しておきましょう。
次のページでは生理が来ないのに妊娠検査薬が陰性になるケースを解説