歯固めジュエリーは危険? 歯固めジュエリーでの赤ちゃんの窒息事故に注意! 安全な歯固めおもちゃの見分け方は?
目次
歯固めジュエリーとは? ワークショップや資格もある?
「歯固めジュエリー」はカラフルな歯固め用パーツをネックレス状にしたもので、ママのおしゃれをしたい気持ちと赤ちゃんの好奇心を満たしてくれるアイテムです。
赤ちゃんは、歯の生え始めの頃の口内の違和感や好奇心から、身近なものを口に入れたり噛んだりします。「赤ちゃんがなんでも口に入れてしまうので、アクセサリー類を身に着けることを諦めた」というママも多いでしょう。歯固めジュエリーは、そんなママのおしゃれ心と赤ちゃんの好奇心を満たしてくれるアイテムです。
日本では、赤ちゃんが使うブレスレット型の歯固めに対して「歯固めジュエリー」という言葉が使われることもあります。かわいくてインスタ映えするビジュアルから手作りするママも多く、ハンドメイドのワークショップが開かれたり、民間の団体による認定講師制度が作られるなど、人気があります。
歯固めジュエリーの危険性
歯固めジュエリーは海外でも数年前から流行していますが、アメリカ食品医薬品局(FDA)が2018年12月に「大人および子供が身に着けるジュエリー(ネックレス・ブレスレット)についての警告文」を発表しました。
- ジュエリーが破損し、ジュエリーそのものや小さなビーズが子供の口に入ると、窒息することがある。
- ネックレスが子供の首へ巻きついたり、ベビーベッドなどに引っかかったりした場合、首が絞まることがある。
- ジュエリーのパーツが子供の歯茎を刺激し過ぎたり、刺さったりした場合、怪我や感染症につながる。
歯固めジュエリーはビーズなどのパーツを紐で繋いでいるので、万が一、紐が切れた時にはバラバラになったパーツが赤ちゃんの誤嚥・窒息に繋がる危険性があります。
さらに手作りの歯固めジュエリーの場合は安全性に保障がなく、事故が起きた時の責任の所在も不明です。
子供の窒息事故の原因は?
赤ちゃんは身の回りのものを手と口で触って確かめるため、手でものを掴めるようになればなんでも口元に引き寄せて、時には口の中に入れてしまいます。
生後5~6ヶ月頃からは、歯が生え始めることに伴ううずきや不快感を紛らわせるために、おもちゃなどを噛むことが増えるでしょう。
我が家の男の子は生後6ヶ月頃にシリコン製の歯固めおもちゃを壊してしまったことがあります。まだ歯も生え揃わないのに、予想外の力があることにびっくりしました。安全対策として家具に取り付けていたウレタンクッションに齧りついていたこともあります。
大きめのものでも、歯茎や歯で齧り取ってしまえば赤ちゃんにとっては危険なサイズとなります。大人が見守っていても、ほんの一瞬で事故は起こるのです。
赤ちゃんの死亡原因の9割が窒息
歯固め用のおもちゃや歯固めジュエリーに限らず、子供の窒息は家庭内で起きる頻度の高い事故です。
2016年の消費者庁の統計では、0歳の死因「不慮の事故(交通事故・自然災害を除く)」のうち9割が窒息事故でした。
窒息により脳への酸素供給が止まってしまうことから、重度の昏睡状態(いわゆる植物状態)になった重篤な事故の例もあります。
また、2017年に消費者安全調査委員会が誤嚥した子供302人を調査した報告書によると、子供の年齢は48%が生後6ヶ月から1歳半、次いで30%が1歳半から2歳の期間でした。
子供の喉の大きさと安全なおもちゃの大きさ
子供は口腔と喉が近い、よだれが多い、喉にものが詰まっても自分の力で吐き出したり飲み込んだりする力が弱いなどの理由から、誤嚥が窒息事故に繋がりやすいのです。
3歳の子供が口を開いた時の大きさは直径約4cmで、トイレットペーパーの芯の太さと同じくらいです。つまり、トイレットペーパーの芯を通り抜けるサイズのものは子供の口にも入ってしまいます。歯固めジュエリーのパーツに限らず、ペットボトルの蓋やボタン、ビー玉やおはじきなどでも窒息事故は起きています。この基準をもとに、後述の玩具の安全基準「STマーク」では、球形・卵形・楕円形の物体で直径が44.5㎜以下のものは、3歳以下のおもちゃに不適合とされています。
次のページでは安全なおもちゃの選び方やおすすめおもちゃを紹介します。