千羽鶴の折り方と作り方、束ねるコツを徹底解説
目次
千羽鶴とは?
千羽鶴とは、折り紙で作った千羽の鶴を糸などに通して束ねたもので、病気平癒祈願や必勝祈願、平和祈願などさまざまな願いが込められたシンボルとして用いられるものです。
千羽鶴に使われる鶴は、昔から「鶴は千年亀は万年」ということわざが示すとおり、寿命が長く、縁起が良い生き物とされてきました。千羽鶴の「千」は「たくさん」という意味合いで、厳密に千羽の鶴でなくてもいい、という説もあります。
千羽鶴の由来
千羽鶴のはっきりとした起源はわかっていませんが、おそらく江戸時代ではないかと言われています。江戸時代に庶民に和紙の折り紙が広まり、折り紙を折って楽しむ文化が浸透していきました。そんな中で「鶴を折れば寿命が延びる」という考えが庶民に広がっていき、庶民がたくさんの折り鶴を折るようになったことが、千羽鶴の由来になったようです。
千羽鶴が病気平癒祈願に用いられるようになったのは、広島原爆で被爆した佐々木貞子さんの闘病時のエピソードがきっかけだと言われています。佐々木禎子さんは、自身の急性白血病平癒を願い、闘病しながら懸命に鶴を折り続けましたが、病気平癒の願いもむなしく、12歳でこの世を去りました。この一件以来、病気平癒を願い、闘病中の人へ千羽鶴を贈る習慣ができました。また、佐々木禎子さんのエピソードをきっかけに、千羽鶴は平和や不戦を誓うシンボルとしても用いられるようになったのです。
千羽鶴はどんな時に贈るの?
千羽鶴は、病気平癒を祈る時以外にも、部活動やスポーツの必勝を祈る時、被災地の復興を祈る時など、さまざまな場面で使われます。長寿を願って、七夕飾りに千羽鶴が使われることもあります。また、平和を願い不戦を誓うために千羽鶴が奉納されることもありますよ。広島の平和記念公園や長崎の平和公園、沖縄の平和祈念公園などへは、たくさんの千羽鶴が奉納されていますね。
千羽鶴を贈る時の注意点
さまざまな祈りが込められた千羽鶴ですが、贈り物にする場合には注意が必要な場合もあります。人によっては、扱いに困る(かさばる、処分しづらい)、善意を押し付けられているような気持ちになる、などと感じる場合もあるようです。千羽鶴を贈る前に、相手が快く受け取ってくれるかどうかをよく考えてみることをおすすめします。
千羽鶴に必要な材料は?
準備するもの
- 折り紙
- 糸(たこ糸や釣り糸、テグスなどの丈夫なもの)
- 針(ぬいぐるみ針などある程度太くて長く丈夫なもの)
- ビーズorボタン(ストローでも代用可能)
- リング(金属製のものがおすすめ)
- はさみ
- 木工用ボンド
千羽鶴を繋げる糸でミシン糸を使う場合は、2本取りにすると強度が増します。ビーズやボタンは折り鶴列の一番下の留め具に使うので、ある程度大きいものを糸の本数分準備しましょう。また折り鶴列の一番上にも留め具を付ける場合は、糸の本数分×2の個数を準備する必要があります。千羽鶴の束をまとめるためのリングは、1つ用意しましょう。
準備する折り紙の大きさ、一列の折り鶴の数と糸の長さの目安
折り紙の大きさ
サイズが大きい折り紙を使って千羽鶴を作ると、想像よりも全体が長くなってかさばり、重量も増すので、扱いにくくなってしまいます。千羽鶴は、市販の折り紙のサイズ(1辺15cm)で作るか、市販の折り紙を4つに分けた1辺7.5cmサイズの折り紙で作るのが一般的です。
糸の長さと折り鶴の数
千羽鶴の列は、数が多すぎる場合は束が広がってしまってかさばり、少なすぎる場合は一列が長くなるため扱いづらくなるので、1本の糸(鶴の列)に40~50羽くらいの鶴を通すのがおすすめです。一列40~50羽くらいならば、見た目もきれいに仕上がります。一列40~50羽にする場合、糸の長さは以下を参考にしてください。
【1辺7.5cmの折り紙で千羽鶴を作る場合】
- 1列に鶴が40羽、合計25列なら90cmくらい
- 1列に鶴が50羽、合計20列なら110cmくらい
【1辺15cmの折り紙で千羽鶴を作る場合】
- 1列に鶴が40羽、合計25列なら180cmくらい
- 1列に鶴が50羽、合計20列なら220cmくらい
次のページでは、千羽鶴の折り方、折り方のポイントなどを紹介します。