子供のこだわりが強い、パニックになる…もしかして発達障害? 特性や症状、相談先について解説します

子供の発達障害とは?

発達障害とは
「うちの子はどうも育てにくい」と感じているママの中には「じっとしていられないし、ちょっとしたことで激しい癇癪を起こし、泣き止ませようとしても逆効果になってしまう」また「めったに笑ってくれないし、抱きあげても嫌がるそぶり。いつも何かに集中していて、こちらの声が届いているのかどうかもわからない」といった大変さを抱えている人もいるでしょう。
「もしかして発達障害? こんなに元気なのに障害ってどういうこと?」と不安を持っている人もいるのではないでしょうか。

発達障害と親のしつけの誤解

その場にふさわしい行動がとれないことで「親のしつけがなっていない」と誤解されてしまうこともあり、見守るパパママは辛いですよね。
乳幼児のうちから症状が表れますが、外見からはわかりにくいので「やんちゃな子」「困った子」として見過ごされ、困りごとが深刻になっていってしまうことがあります。子供の「特性」にいち早く気づき、一人ひとりに合った対応をとることが大切です。

発達障害とは脳の発達の偏り

発達障害とは生まれつき脳機能の発達に偏りがあり、定型発達(発達障害のない状態)と異なるために、おかれている環境や日常生活で著しく困難を感じてしまうという障害です。これは「病気」ではないので、子供が年齢を重ねるとともに成長していく部分もあり、ずっと変わらないわけではありません。

子供の発達障害の特徴

発達障害の特徴
発達障害は大きく分けてこのように分類されます。

  • PDD(広汎性発達障害)
  • ADHD(注意欠陥・多動性障害)
  • LD(学習障害)

以上の3つとなりますが、複数の障害が強弱さまざまに表れることもあり、同じ障害の子供でもまったく違う症状にみえたり、直面する状況への適切な対処法が異なったりします。
個人差が大きいのが発達障害の特徴といえ、障害名にとらわれず、一人ひとりの状況にあった対応をとることで症状を軽減したり、本来もっている良い面を伸ばしたりすることができます。また、乳幼児期はそもそもの発達に個人差が大きいこともあり、発達障害の診断にならないこともあります。

子供の発達障害の特徴1:広汎性発達障害(PDD)/自閉症スペクトラム障害(ASD)

社会生活や対人関係に難しさがあり、日常生活を阻害するほどこだわりが強かったり苦手なことがあったりするタイプが広汎性発達障害です。
自閉症やアスペルガー症候群、その他特定不能な広汎性発達障害がこれに含まれ、「自閉症スペクトラム障害」と表現されることがあります。スペクトラムとは「連続体」という意味で、それぞれの障害の特性がグラデーションのように連なり、明確に区別できるものではないという考え方です。

自閉症

1歳を過ぎたころから「視線が合わない」「指さしをしない、または親の手をとって指し示す(クレーン現象)」「他の人に関心がない」といったサインが表れ、知的な遅れを伴う場合とそうでない場合があります。
3歳頃から以下の特性が症状として表れますが、正しい対処法を身につければ、子供の成長とともに症状が落ち着くこともあります。

  • 言葉の発達の遅れ、会話がつながらない
  • 対人関係・社会性の障害、集団行動が苦手
  • 興味の偏り、こだわり
  • 大きな音や特定の音が苦手(聴覚過敏)
  • 味覚・触覚などの感覚過敏または鈍麻(どんま)
  • パターン化した行動を好み、変化や変更が苦手

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「うちの子供は言葉が遅いかも」と言葉の発達に悩むママは少なくありません。同年代のおともだちが上手におしゃべりしていると、どうしても心配になりますよね。言葉が遅い原因や、「言葉が遅れていた子供がどう成長したか」先輩ママの体験談も紹介します。
 

アスペルガー症候群(AS)

アスペルガー症候群とは自閉症と同様に対人関係への苦手さが表れる障害ですが、知的な遅れや言葉の遅れを伴うことはありません
以下のような特性があり、とくに就学後に周囲から浮いてしまったり、得意科目と不得意科目の差が激しいといった学習障害が起きることもあります。

  • あいまいな表現が理解できず、そのまま受け取ってしまう
  • 表情が読めない、怒られていることがわからない
  • 集中するとやり続けてしまう
  • 会話に割り込む、興味のあることだけを話し続ける
  • 相手の気持ちがわからず、人を傷つける言い方をしてしまう
  • スケジュール管理が苦手

会話能力に表面上問題がないため「空気が読めない変わった人」と思われがちですが、本人も生きづらさを感じたり悩みを抱えてしまうことがあります。
対処法を知ることで本人も周りも円滑に過ごすことができるようになるので、周囲の理解を得ることが重要です。

子供の発達障害の特徴2:注意欠陥多動性障害(ADHD)

注意欠如・多動性障害とも称される先天的な障害で、注意力や感情のコントロールを司る脳の前頭前野部分に関連した機能異常が原因だと考えられています。
2歳ころから7歳ころまでに以下のような症状が顕著になりますが、複合的に表れることもあり、性別や年齢によっても特性は大きく異なります。

  • 不注意(集中力のなさ、忘れ物・無くし物、片付けが苦手)
  • 多動性(じっとしていられない、うろうろしてしまう、過剰なおしゃべり)
  • 衝動性(感情を優先して行動してしまう、手が出やすい、決まり事が守れない)

これらの症状が学業や日常生活を阻害するほど強く表れている場合には、専門医の指導をうけて薬物治療が行われることもあります。後天的な理由によって同様の症状を示すこともあり、専門家による慎重な診断が重要です。

子供の発達障害の特徴3:学習障害(LD)

基本的な知能の遅れや視聴覚障害がないのに「読む」「書く」「計算及び推論」などの能力に限定した障害が表れるのが学習障害です。それぞれ以下のように呼称されます。

  • 読字障害(ディスレクシア)
  • 書字表出障害(ディスグラフィア)
  • 算数障害(ディスカリキュリア)

中枢神経系の先天的な疾患が疑われますが、原因については解明されていません。
見え方に特異性がある場合や書くという動作が苦手な場合、聞きながら書く・見ながら書く・読みながら音にするといった複数の動作を同時にすることが苦手な場合などがあります。
就学後に教科学習が始まってから気づくことも多く、ひとりひとりの課題に合わせた工夫を重ねることで対処法がみつかることがあります。

発達障害のグレーゾーンとは?

発達障害のグレーゾーンとは?
発達障害の症状は定型発達(発達障害のない一般の人)の場合と明確に線引きができるものではありません。子供が置かれた状況によって特性が強く表れることがある、診断基準に満たない状態が続く場合に「グレーゾーン」と称されることがあります。
これは医学用語ではないので、診断を求めても例えば「ADHDの傾向が認められる」といった表現になり、症状が軽いわけでないのに公的な支援の対象になりにくいなど、グレーゾーン特有の悩みが生まれます。
発達障害の診断がつかないとはいえ、子供が現状に困難を抱えているのは確かなので「発達障害ではなかった」と安心することなく、環境の調整や周囲の理解を得るなど、子供がいきいきと成長できるよう行動したいですね。

発達障害の二次障害とは?

発達障害の二次障害とは?
発達障害をもっている子供は定型発達の子供に比べて孤立しがちであったり、不器用・運動が苦手、なんとなく異質といった理由でいじめの対象となりやすく、思春期以降には注意が必要です。
また、発達障害を起因として否定的な対応をとられ続けた子供は自己肯定感が低くなり、心身のバランスを崩しやすくなります。発達障害の症状がより強く表れたり、不安障害や対人恐怖、うつ病などの精神疾患につながることもあります。
これらの二次障害によって、不登校から引きこもりが長期化するという例も少なくありません。本人と学校や家庭それぞれとの信頼関係を築くことや、安心して過ごせる環境を整えてあげることが大切です。

発達障害の子供への療育とは?

発達障害の子供への療育とは?
2005年に施行された「発達障害者支援法」では、必要な支援が届きにくい状態となっていた「発達障害」を「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」と定義し、支援の対象になりました。
国及び自治体の責任において、早期発見と医療・教育・就労などの面で切れ目のない支援が行われることになったのです。
療育の必要性が認められれば、児童発達支援センターなどへ週に数日や月に1回といった個別の支援計画によって定めた頻度で通所し、個人指導や少人数でのグループ活動を行います。
適切な療育によって適応力が上がれば本人の困りごとが軽減していき、いずれ自立した生活が送れるようになります。

発達障害の子供の将来は?

発達障害の子供の将来は?
発達障害の子供にはどんな進路があるのでしょうか。
乳幼児期から療育を受けることで定型発達に追いついていく子供もいますが、小学校入学時には通常学級のほか通級指導、特別支援学級、特別支援学校という選択肢があります。
これは障害の度合いやパパママの希望を教育委員会と話し合い決定し、その後も進級の度に確認をし、その時の子供にとってよりよい環境はどこなのかを考えていきます
中学・高校にも同様の選択肢があり、周囲の理解を得て困りごとが軽減していけば専門学校や大学に進学することも可能です。
社会へ出るときには正規雇用のほか、障害者手帳があれば障害者雇用枠を利用することができ、社会福祉施設などでの就労も考えられます。また、仕事や日常生活の支障が大きい場合、障害年金が支給されることがあります。

子供が育てにくい、発達障害かも? と感じたときの相談先

子供が育てにくい、発達障害かも? と感じたときの相談先
子供のことをパパやママ友、祖父母に相談しても「考えすぎ」「うちの子もそうだった」「昔はこんな子供はたくさんいた」「そのうち落ち着く」とアドバイスされるかもしれません。
しかし、子供と一番密に接しているママが感じている不安はそう簡単に拭えるものではありませんね。そんな時にはぜひ専門機関に相談する勇気をもってください。
相談してすぐに「障害です」と診断されるものではありませんし、困っている事柄に対する適切な対処法を教えてもらえれば、親子ともに助けとなることでしょう。

発達障害かも、と思った時の相談先1:保育園・幼稚園

社会生活のなかで困りごとが起きやすいのが発達障害の特徴です。保育園・幼稚園の先生も子供同士の関わりのなかで気づいていることがあるかもしれません。子供の特性を理解するためにも相談して情報を共有しておきましょう。
自治体によっては子育て支援課などから派遣された児童精神科医・臨床心理士・家庭児童相談員といった専門家が園を巡回していることがあります。そういった専門家に普段の様子をみてもらいながら相談できるとよいですね。

発達障害かも、と思った時の相談先2:自治体の子育て支援センター

普段遊びに行っている子育て支援センターも育児に関する不安の相談に応じてくれる心強い場所です。
見守りの職員に相談することもできますし、専門家が時間をとって個室での相談をうけてくれるところもあるでしょう。
子育てサークル支援の一環として、発達障害を持っている子供のサークルが活動している場合もあります。同じ悩みを持つママや先輩ママと知り合える場所としてもぜひ活用しましょう。

子育て支援センターとは? どんなときに頼りになる施設なの?
子育て支援センターとは? どんなときに頼りになる施設なの?
子育て支援センターは乳幼児の子供とそのパパやママが利用でき、保育士や看護師に育児についての不安や悩みの相談ができたり、同じくらいの子供を持つ親同士が交流できる施設です。子育て支援センターのサービス内容についてはパパママにあまり知られていません。上手く利用できれば非常に役立つ施設なので、こちらでご紹介させていただきますね。

発達障害かも、と思った時の相談先3:かかりつけの小児科

かかりつけの小児科なら、定期健診や予防接種のついでに相談しやすいのではないでしょうか。
小児科医からみて診断の必要を感じたときには発達障害の専門医や大きな病院の相談窓口を紹介されることでしょう。

発達障害かも、と思った時の相談先4:自治体の保健センター

1歳半・3歳児健診などで訪れたことのある人も多いでしょう。健診の際に心配ごととして状況を伝えたり、後日、時間をとって発達やことばなどに関する悩みを聞いてもらいましょう。
相談支援専門員・社会福祉士・保育士などの専門家が「発達相談室」「ことばの相談室」といった名称で対応してくれています。

発達障害かも、と思った時の相談先5:自治体の発達障害相談・支援センター

自治体が発達障害に特化した支援センターを運営していることもあります。お住まいの地域にそういった施設がないかどうか調べてみましょう。
電話相談や来所相談ののち、必要があれば発達検査や療育へとつなげてくれます。困りごとそれぞれへの対処法も教えてもらえますし、ペアレントトレーニングなど保護者向けの講習会が行われているところもあります。

発達障害かも、と思った時の相談先6:児童相談所

都道府県や政令指定都市などが設置している児童相談所は0~17歳の児童を対象に、発育に関する相談や障害・不登校などの支援にも対応しています。
必要に応じて発達検査などを行うこともでき、医師や児童福祉士・保健師・児童心理士・言語聴覚士などの専門家から支援を受けられ、療育などについてもアドバイスがもらえます。

まとめ

発達障害まとめ
発達障害はメディアが取り上げたり有名人が自分の特性を公表したりと、少しずつ社会の認知も進んではいますが、困りごとを抱えている子供が誤解され、苦しい思いをすることもありますね。
特に乳幼児期は、ママが子供の特性に悩み、追い詰められたような気持ちになってしまうことが心配です。
子供のサインに気づいたときには、抱え込まずに周囲の人や専門機関に相談してください。必ず「大変でしたね、一緒に考えましょう」と言ってくれる人が現れます。
たくさんの人が関わって、子供のよりよい将来につながるサポートをしてあげられるようになるとよいですね。

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はいチーズ!clip編集部

はいチーズ!clip編集部

はいチーズ!clip編集部員は子育て中のパパママばかり。子育て当事者として、不安なこと、知りたいことを当事者目線で記事にします。Facebook、Twiiterなどでも情報発信中ですので、ぜひフォローください!