赤ちゃんが母乳やミルクを吐く! 飲む量が多過ぎた? 吐くのは何か病気なの? 詳しく解説

目次

赤ちゃんの溢乳(いつにゅう)とは?

赤ちゃんの口の端から母乳やミルクがたらたら漏れること

赤ちゃんにミルクや母乳をあげた後、げっぷと一緒に口から吐き戻したり、寝ている間に口元が吐いたもので汚れているのに気付くことはありませんか? この吐き戻しのことを「溢乳(いつにゅう)」といいます。

赤ちゃんの溢乳(いつにゅう)と吐乳(とにゅう)はどう違うの?

溢乳(いつにゅう)は「乳が溢れる」と書く通り、授乳後に少量の母乳やミルクが赤ちゃんの口からだらだらと吐き出されることです。溢乳(いつにゅう)は赤ちゃんの生理的な現象として昔から知られており、大量のミルクや母乳をゲーッと勢いよく吐き戻す「吐乳(とにゅう)」とは異なります。

赤ちゃんの溢乳(いつにゅう)の原因とは

母乳やミルクをだらだら吐き戻す溢乳(いつにゅう)の原因で多いのは

  • げっぷ不足
  • 消化管の未発達がもとの逆流
  • 飲み過ぎ

があげられます。いずれも病的なものではなく、赤ちゃんの体の構造上ある程度は仕方ないものだといえます。

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赤ちゃんが溢乳(いつにゅう)したらママはどうすればいい?

赤ちゃんの口からミルクや母乳が吐き戻されてしまったら、ママは慌ててしまいますね。ですが後で説明する吐乳(とにゅう)の症状には当てはまらない、赤ちゃんの生理的な吐き戻しの溢乳であれば心配いりません。眠りながら溢乳(いつにゅう)した場合は、吐いたものが喉に詰まらないように赤ちゃんを横向きに寝かせ、汚れた服や寝具を片付けてあげましょう。

ミルクや母乳を勢いよく吐いた…吐乳(とにゅう)とは

ミルクや母乳を勢いよく吐いた…吐乳(とにゅう)とは
口元からだらだらとミルクや母乳を少量吐き戻す溢乳(いつにゅう)とは異なり、ミルクや母乳を赤ちゃんが勢いよく、大量に嘔吐することを吐乳(とにゅう)といいます

吐乳(とにゅう)の原因とは

吐乳(とにゅう)の原因はさまざまですが、何かの病気の症状として吐乳(とにゅう)に繋がっている場合がほとんどです。赤ちゃんの様子をよく観察し、「いつもと様子が違う」「なにかおかしい」と感じたら迷わず病院を受診しましょう。

赤ちゃんが吐乳したときに注意してほしいこと

赤ちゃんが吐乳したときに注意してほしいこと
溢乳とは異なり、吐乳の中には危険な症状や緊急性の高い状態になっている場合もあります。ここでは、危険な症状とはどういうものか解説します。

嘔吐物の色は

嘔吐物の色 注意点
黄色・緑色 先天性の腸の閉鎖や狭窄、腸回転異常症など緊急性の高い疾患の可能性もあります。早急に病院を受診しましょう
赤色・黒色 胃からの出血の可能性があります。病院を受診しましょう
透明・ミルクかすの色 色自体は心配ありません。赤ちゃんの様子で判断しましょう

赤ちゃんの嘔吐物の色をよく観察しましょう。念のためスマホで写真を撮っておくと、病院受診の際に説明しやすくなります。

嘔吐物の量と回数は

病気の心配のない溢乳(いつにゅう)のときは、嘔吐物の量が少なく、吐き戻しの回数も授乳回数の半分以下のことが多いです。しかし、授乳の度に毎回吐き戻しがある、飲んだ量のほとんどを吐き戻すという場合は、病院の受診が必要です。特に数日で急に嘔吐の量や回数が増えた場合は、腸の狭窄など緊急を要する病気である可能性を考え、すぐに病院に連れていきましょう。

吐いた前後の赤ちゃんの体重変化

ミルクや母乳を何度も吐き戻す、大量に吐き戻すといったことが続くと、栄養不足で赤ちゃんの体重が増えなくなります。赤ちゃんの体重変化に気を配り、数ヶ月に渡って体重が増えない場合は病院に相談しましょう。

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吐いた後の赤ちゃんの機嫌や発熱

嘔吐後の赤ちゃんの機嫌はどうでしょうか。嘔吐とともに赤ちゃんにこのよなうな症状があった場合、早めに病院を受診しましょう。

  1. ぐったりして反応が鈍い
  2. 機嫌が悪く泣き止まない
  3. 顔色が悪い
  4. お腹が膨れて張りが強い
  5. 発熱している

これ以外にも「いつもと様子が違う」と感じたらかかりつけの病院に相談すると安心です。

赤ちゃんがミルクや母乳を吐くときに心配される病気とは?

赤ちゃんがミルクや母乳を吐くときに心配される病気とは?
赤ちゃんが吐乳(とにゅう)したときは、重篤な病気が隠れている場合があります。次に挙げる症状が見られた場合は、すぐに病院を受診しましょう。

胃食道逆流症(いしょくどうぎゃくりゅうしょう)

赤ちゃんは消化器官が未発達なため、胃の内容物が逆流しやすく、食道粘膜が傷ついて炎症を起こす胃食道逆流症(いしょくどうぎゃくりゅうしょう)という病気になることがあります。胃食道逆流症には、嘔吐以外にも耳を痛がる、声がかすれる、咳やゼーゼーとした喘鳴(ぜんめい)がある、肺炎を繰り返すなどの症状がみられることもあります

肥厚性幽門狹窄症(ひこうせいゆうもんきょうさくしょう)

おもに生後2週~3ヶ月前後の赤ちゃんに起こる肥厚性幽門狹窄症(ひこうせいゆうもんきょうさくしょう)は、胃と十二指腸がつながる部分(幽門)が狭くなる病気です。発症率は1,000人に3人程度といわれ、特に生後2週間くらいの赤ちゃんが発症することが多く、注意が必要です。特徴的な症状は、とつぜん起こる噴水のような勢いのある嘔吐です。吐いたあとは比較的機嫌がよく、ミルクや母乳を欲しがりますが、嘔吐を繰り返して水分摂取がうまくできない場合は、脱水症状になる場合があります。

ウイルス性胃腸炎(ウイルスせいいちょうえん)

急性胃腸炎は胃腸の粘膜に炎症が起き、嘔吐や下痢を起こす病気です。突然の嘔吐、その後に下痢や腹痛が続き、お腹の張りや食欲不振を起こす場合もあります。ウイルスが原因である場合が多いとされています。

ミルクや母乳を吐いたとき受診するかを見極めるポイントとは?

ミルクや母乳を吐いたとき受診するかを見極めるポイントとは
赤ちゃんがミルクや母乳を吐いたとき、すぐに病院につれて行くべきか迷うことも多いですね。以下のポイントに注意して、受診するかどうかの目安にしてください。

吐いた後に水分がとれるか

ミルクや母乳を吐き戻した後は、少し時間をおいてから湯冷ましやお茶を飲ませましょう。そのときに再度吐き戻したり、水分を受け付けないようであれば、受診を検討しましょう。

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赤ちゃんの機嫌はよいか

吐き戻した後の赤ちゃんの機嫌はどうでしょうか。機嫌が悪い、ぐったりしている様子があれば、受診を検討します。吐いた後にケロッとしてしても、噴水状に勢いよく嘔吐した場合は肥厚性幽門狹窄症(ひこうせいゆうもんきょうさくしょう)が疑われますので、早急に病院に連れて行きましょう。

赤ちゃんは発熱していないか

赤ちゃんが発熱していた場合は、嘔吐も病気の症状といえます。病院を受診しましょう。

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赤ちゃんが吐いたものー飲んだままの母乳やミルク

赤ちゃんの嘔吐物の状態はどうでしょうか。飲んだままの母乳やミルク、消化されていない離乳食を吐き戻したときは、食べた直後か食べたものが胃に入っていないということになります。

赤ちゃんが吐いたものーヨーグルト状のもの

どろっとしたヨーグルト状やカッテージチーズのような状態の嘔吐物は、胃の中で消化が始まった状態です。これは胃酸と混ざった強い酸性の嘔吐物で、食道の粘膜を傷つけ炎症を起こしやすいため、繰り返し吐き続けるときは治療が必要です。

赤ちゃんが吐いたものー緑色の嘔吐物

緑色がかった嘔吐物は注意が必要です。腸が詰まったために嘔吐を起こした可能性が高く、緊急手術が必要になる赤ちゃんもいます。すぐに病院を受診しましょう。

赤ちゃんが吐いたものー血が混じっている

赤や茶色・黒色の血が混じった嘔吐物は、出血した部位がどこであるか推測が可能です。スマホ等で写真を撮るか、嘔吐物が付いた服やタオルを病院に持参し、医師の指示を仰ぎましょう。

赤ちゃんがミルクや母乳を吐くことを予防する方法はあるのか

赤ちゃんがミルクや母乳を吐くことを予防する方法はあるのか
病気の症状である吐乳(とにゅう)はすぐに病院への受診が必要です。溢乳(いつにゅう)は赤ちゃんの生理的な現象ですが、何度もミルクや母乳を吐き戻されると心配になりますよね。赤ちゃんの吐き戻しを予防する方法として、以下のことを試してみてください。

授乳後、げっぷをさせる

赤ちゃんがミルクや母乳を飲む際は、空気も一緒に飲んでしまうことがあります。これは赤ちゃんによって個人差があり、ほ乳瓶から飲むかおっぱいから直接飲むかによっても空気の飲み込みやすさが変わります。授乳後に時間をかけて丁寧にゲップをさせてみましょう。

30分程度縦抱きにする

授乳後、赤ちゃんを30分ほど縦抱きにしてあげましょう。胃の中のミルクや母乳がある程度腸に流れていくまで30分くらいかかります。その間は縦抱きにしてあげることで、重力の関係で吐き戻しをしにくくなります。まだ首が据わっていない赤ちゃんを縦抱きにするときは、しっかり首を支えてあげましょう。

ミルクの量を減らしてみる

赤ちゃんの胃の容量は、出生時に30~60mL、6ヶ月までで120~200mL、6~12ヶ月が200~300mLです。低月齢では特に胃の容量が少なく、赤ちゃんは胃が満杯の状態で体の向きを変えられて吐き戻してしまうことがあります。特にミルクは母乳よりもたくさん飲んでしまいがちなので、一回に飲ませる量を1~2割程度減らしてみるのも対処法の一つです。

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まとめ


だらだらと少量の吐き戻しがある溢乳(いつにゅう)の場合は、赤ちゃんの体調に問題がある場合はほとんどありません。げっぷをさせる、赤ちゃんを縦抱きにするなどの対処をしても繰り返し溢乳(いつにゅう)する場合は、飲ませる量を調整してあげましょう。

勢いよくたくさんの量を吐き戻す吐乳(とにゅう)の場合は、赤ちゃんの様子に注意が必要です。重篤な病気が関係していることもあるので、赤ちゃんの機嫌や嘔吐物の色・形状に少しでも「おかしい」「いつもと違う」と感じることがあれば、迷わず病院を受診しましょう。