赤ちゃんの身体に大きいほくろが! メラノーマとの違いは? いつから手術できる? 詳しく解説

ほくろとは?


気がついたら体のあちこちにできているほくろ。産まれたばかりのときにはほくろがないのに、「いつの間にできたのだろう」と気になりますよね。ほくろは「色素細胞性母斑(しきそさいぼうぼはん)」という黒っぽいあざのうち、小さな斑点状のものをさします。通常は気にする必要のないものですが、なかには注意しなければならないものもあります。ほくろについて詳しく解説していきます。

色素細胞の役割とは?

色素細胞(メラノサイト、メラニン細胞)の役割は、メラニン色素を作りだすことです。メラニン色素には紫外線から体を守ってくれる、重要な働きがあります。肌が日焼けしたときに肌の色が濃くなるのは、色素細胞が黒褐色のメラニン色素をたくさん作り出すため。皮膚の色素が濃くなった部分に紫外線が吸収されるので、奥にある皮膚細胞のDNAを守ってくれるのです。皮膚や髪の毛の色の違いも、メラニン色素の量や構成の違いによって生まれます。

ほくろができる原因とは?

ほくろのもとになる細胞を「母斑細胞」といいます。メラニン色素をもった母斑細胞が、皮膚の一部にたくさん集まって黒っぽくなった部分、これがほくろです。ほくろができるおもな原因は、紫外線であるとされています。紫外線によりメラニン色素が増えすぎると、体の外へとうまく排出されずにほくろとして残るのです。ほかにも肌への刺激や遺伝、ストレス、ホルモンバランスの乱れなどもほくろができる原因としてあげられます。

ほくろは直径6mm未満の小さな斑点状のものが多いですが、なかには直径2cmを超えるものも。できたばかりのときに少し大きくなったり、平らだったものがポコっとふくらんできたりすることもあります。ほくろは良性の腫瘍であり、小さなものなら悪性化することはめったにありません。生後6ヶ月頃からでき始めることが多いですが、生まれつきほくろを持っている赤ちゃんもいます。生まれつきあるほくろは直径が2cm以上になることも。大きなものほど悪性化する可能性もあるので、経過観察が必要になることがあります。

ほくろが見過ごしてはいけない病気の可能性はある?


ほくろと思っていたものが、じつはメラノーマなどの病変である場合があります。病変であっても初期段階では、ほくろと見分けがつきにくいものも。大きさが7mm以上と大きかったり、急に大きくなったり、痛みやかゆみがあったりするなら念のため皮膚科を受診してみてください。皮膚科では痛くないダーモスコピーという方法で、良性のほくろなのか悪性で治療が必要なのかを診断してもらえます。2006年から保険も適用されています。

メラノーマとは?

「悪性黒色腫」「ほくろの癌」ともいい、進行の早い皮膚癌の一種です。色素細胞が悪性の腫瘍になったもので、日本人のメラノーマの半数が手足や爪にできています。10歳以下で発症することは、ほとんどありません。白色人種の発症例が多いため紫外線がおもな原因であると考えられています。またメラノーマは手足や爪にできやすいため、摩擦や外傷などの刺激が原因の1つになっているという説も。大人になってからできたほくろやシミが急に大きく濃くなったり、一部分がふくらんできたりしたときは要注意。何かおかしいと感じたら早めに皮膚科を受診してください。

基底細胞癌(きていさいぼうがん)とは?

最もよくみられる皮膚癌の一種です。皮膚組織のうち表皮の一番下の層にある細胞の一部が、異常に増え続けて生じます。発症するのは高齢者が多く、転移することはほとんどありません。初期のものは見た目がほくろと似ていてまちがえやすく、大きくなるのもゆっくりです。しかしほくろよりも硬く、症状が進むと陥没して出血しやすくなります。

有棘細胞癌(ゆうきょくさいぼうがん)とは?

「扁平上皮癌」ともいわれ、基底細胞癌についで最も多い皮膚癌の一種です。皮膚組織のうち表皮のまん中にある層の細胞の一部が、異常に増え続けて生じます。小さな赤い盛り上がりから始まり、だんだん大きく硬くなっていきます。ジュクジュクして出血することもあります。

脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)とは?

「老人性疣贅(老人性のいぼ)」とも呼ばれる良性の腫瘍です。顔や背中、胸などにできることが多く「老人性」というとおり50歳以上では80%の人に発症します。おじいちゃんの背中にポツポツと黒いものがあるのを見たことがある人もいるのではないでしょうか。表面はガサガサ、ザラザラしていて、指でこするとカサブタのようにはがれていきます。

血管腫(けっかんしゅ)とは?

「赤あざ」とも呼ばれる血管の異常で、血管の細胞が異常に増えたり広がったりしてできます。おもな例として産まれたばかりの赤ちゃんの肌に現れる「乳児血管腫(いちご状血管腫)」があります。赤あざといっても、くちびるなど発症する部位によっては黒く見えることもあり、ほくろや基底細胞癌と間違えやすくなります。

皮膚線維腫(ひふせんいしゅ)とは?

皮膚の中のコラーゲンを作る細胞が増えてできる、良性の腫瘍です。腕や足にできやすく、直径1.3cm未満で見た目は薄茶色の硬いコブのように見えます。虫刺されからできることも。かゆみや痛みがあることもありますが、放っておいても問題はありません。気になるときは皮膚科で切除してもらいます。

病院を受診するほくろの大きさの目安は?


ほくろの大きさが直径6~7mm以上あるかどうかが、皮膚科を受診する目安になります。鉛筆がだいたい同じ直径なので、削っていない方をほくろに当ててみてください。ほくろがスッポリと隠れなければ直径が7mm以上あるので、病院を受診しましょう。

メラノーマ(悪性黒色腫、ほくろの癌)を疑う例

メラノーマを疑う目安として、以下のことをチェックしてみてください。

  • 左右が非対称、きれいな円形やだ円形をしていなくて形がいびつである
  • 周りとの境目がはっきりしない、ギザギザしている
  • ほくろの中で色が均一でなく変化する、ほかのほくろと明らかに色が違う、濃い
  • 直径が7mm以上ある

これらの項目に当てはまるなら、皮膚科を受診してください。あくまで目安であり、当てはまるからといってすぐにメラノーマであるとは限りません。自己判断はしないように気をつけましょう。

いつからほくろ除去の手術ができるのか


ほくろは放っておいても問題ありません。しかしほくろのある場所によっては見た目が気になったり、服でこすれて痛がったりすることもあるでしょう。希望すれば皮膚科で切除してもらうこともできます。いつからほくろ除去の手術ができるのか、解説します。

まずは病院でほくろかどうか診断を受けること

ほくろのように見えて実はあざだったり、病変だったりする可能性があります。例えば、新生児の20~30%にみられる正中部母斑(サーモンパッチ)について。たいてい生後1年半ほどで自然に消えてしまうので、1歳半頃までは治療は行わないこともあるようです。あくまで自己判断は避けて皮膚科で相談し、ほくろかどうかを確認してください。

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皮膚科医によって対応は異なる

法律上は「〇歳以降でなければほくろ除去の手術はできない」という規定はありません。しかし赤ちゃんが手術するときには、全身麻酔になることもあります。まだ記憶に残りにくいなど赤ちゃんのうちにほくろを取り除くメリットと、赤ちゃんに全身麻酔を行うリスクへの考え方は、皮膚科医によってもさまざま。パパママもこれらのメリットとリスクに対して、よく確認しておくといいでしょう。

乳幼児の手術における全身麻酔の必要性とそのリスクとは

乳幼児に全身麻酔をすることは手術中の痛みを取り除くだけではなく、恐い思いをするのを避けるというメリットもあります。ほくろを取るだけなのだから局所麻酔でもいいのでは、と考える人もいるでしょう。乳幼児の場合は慣れない手術室や知らない人たち、パパママがいないことへの不安などから、あばれて手術ができなくなる恐れがあります。またその後も恐怖心が残り、病院に行きたがらなくなるかもしれません。全身麻酔は乳幼児が手術するときに必要なものなのです。

一方でデメリットやリスクについても考えなければなりません。全身麻酔をする前には、麻酔医の診察や検査を受ける必要があります。全身麻酔をしても大丈夫な体であるか、その子の体について麻酔医が十分に知っておかなければならないのです。全身麻酔の前には胃を空っぽにするため、食事も制限されます。手術後は点滴も行います。いずれも全身麻酔を施すために必要なことばかりですが、乳幼児には相当なストレスの連続になるかもしれません。

専門の麻酔医がいる病院であれば全身麻酔が事故につながる可能性は、極めて低いとされています。しかし事故の可能性はゼロである、絶対に起こらないという訳ではありません。子供の体質やそのときの状態などによって、全身麻酔による影響が大きくなる場合もときにはあるのです。

単なるほくろであれば子供の判断を待ってみても


これまで述べてきたようにほくろとひと言でいっても、素人では到底判断できない可能性が含まれています。不安な場合はほくろの専門家である皮膚科医にしっかりと診てもらい、判断を仰ぎたいところです。かかりつけ医の診断に疑問があればセカンドオピニオンを求めることも、ときには必要です。手術となった場合は全身麻酔、その他のリスクをじゅうぶんに家族が理解しておくことが求められるでしょう。病気などの理由でなければ子供が成長して自分で判断できる年齢になってから、子供の意思を確認する方法もあるのではないでしょうか。

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はいチーズ!clip編集部

はいチーズ!clip編集部

はいチーズ!clip編集部員は子育て中のパパママばかり。子育て当事者として、不安なこと、知りたいことを当事者目線で記事にします。Facebook、Twiiterなどでも情報発信中ですので、ぜひフォローください!